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アニメ【推しの子】20話感想。原作になかったカーテンコールの演出が素晴らしい! 本当に舞台を観終わったような高揚感を味わえました…(ネタバレあり)

文:カワチ

公開日時:

 TVアニメ【推しの子】の第20話“夢”の感想をお届けします。

【注意】キービジュアルより先のテキストでは、【推しの子】第20話の物語に関する記述が多々あります。そのため本編をご覧になってから読むことをオススメします。[IMAGE]

ついに舞台が完結!【推しの子】


 原作が赤坂アカさん、作画が横槍メンゴさんの人気コミック【推しの子】のアニメ版。第2期は原作コミック第5巻~第7巻の“2.5次元舞台編”が描かれ、今回の第20話終盤から“プライベート編”に突入しました。


 さまざまなキャラクターが自分自身と向き合いながら役を引き出している“2.5次元舞台編”。前回の19話の後半より、いよいよアクアの出番となり、迫真の演技を見せることに。

 演技を楽しいと感じると罪の意識が浮かんでしまい、パニック障害を起こしてしまう彼は、苦しみながら演じることを決意。アイを救えなかった自分に対する憎しみや、“もしもアイが生きていたら”という感情などを乗せて芝居をすることになります。


 アニメになり派手なアクションや鬼気迫る表情の迫力がさらに増していましたが、何よりも印象的だったのは彼の荒い息遣いです。自分自身でも抑えきれない感情が漏れ出ているようで息を呑みましたし、生の人間が声を演じているアニメならではの迫力で大満足でした。音楽が流れなかったのが、より緊張感を生んでいましたね。

 なお、原作ではアクアの心の葛藤がメインでしたが、アニメ版では姫川大輝の演じるブレイドとアクアの演じる刀鬼の戦闘シーンにも尺を取り、舞台としてのクライマックスをしっかり描いていましたね。表情は本当にふたりが戦っているように錯覚させるようなものでしたが、背中のワイヤーがしっかり映ったりと、これが舞台であることを忘れないように視聴者の意識が向くように作られていました。


 映像としては派手でしたが、アクアの心情に合わせて音楽はメロディラインの静かなものが奏でられていました。映像と音楽のギャップによる特別感で、このシーンがクライマックスであることを演出していたように思います。

 見応えがあったのは、やはり舞台のラストシーン。黒川あかねが演じる鞘姫が奇跡によって蘇るシーンですが、あのとき死んでしまったアイが、もしも目を覚ましていたら……という想像を膨らませて号泣するアクアは胸を打つものがありました。


 2.5次元舞台編は舞台化されることも発表されましたし、こちらもどのように表現されるのか楽しみです。


 原作では舞台が終わったあと、劇団ララライの代表・金田一と鏑木が総評を語るシーンがあり、そのまま打ち上げのシーンへと繋がっていくのですが、アニメ版ではまさかのサプライズでオリジナルのカーテンコールが追加されました。アニメでは何週にも渡って“東京ブレイド”のシーンが描かれただけに、このカーテンコールは本当に劇を観終わったような高揚感がありました。

 鳴嶋メルトのキザミと鴨志田朔夜の匁が仲良さそうに肩を組んでいるなど、本編には無かった劇の裏側のようなものが観れるところもよかったですね。鞘姫(あかね)をお姫様だっこしている刀鬼(アクア)につるぎ……というか、かなが嫉妬しているのも彼女らしくて最高でした。

 後半は、原作の第6章“プライベート編”へ。アクアが舞台関係者のDNAを集めていたことが描かれ、父の正体に迫っていくサスペンス展開に突入。ここから先は展開自体がサプライズ満載なのでぜひアニメでチェックしてみて欲しいところ。筆者も原作を読んでいて「騙された!」と感じたシーンなので、ぜひアニメで追ってみてください!

 なお、来週は特番が放送。キャスト陣とともに第2期を振り返るものとなっているので見逃さないようにしましょう!

カワチRPGとビジュアルノベルが好きなゲーマーで、誰にも気付かれないようなマニアックな小ネタを記事に織り込むのが好き。深みのあるゲームが好きかと思えば、本当は肌色が多ければなんでもいいビンビン♂ライター。

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