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『SAOFD』制作陣にインタビュー。開始直前のONTの目的や開発裏話について聞いてみた【ソードアート・オンライン フラクチュアード デイドリーム】

文:Ak

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 バンダイナムコエンターテインメントがPS5/Nintendo Switch/Xbox Series X|Sで2024年10月3日に、PC(Steam)で10月4日に発売する多人数共闘アクション『ソードアート・オンライン フラクチュアード デイドリーム』。
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 この記事では、本作の開発のキーマンである最上頌平さん(バンダイナムコエンターテインメント)と後藤修一さん(ディンプス)にインタビューを実施。9月21日(土)11時~23日(月)11:59にかけて実施されるオープンネットワークテスト(ONT)や開発の裏話などを聞いてきました。

最上頌平さん『ソードアート・オンライン フラクチュアード デイドリーム』の制作担当。

後藤修一さん『ソードアート・オンライン フェイタル・バレット』に続き『ソードアート・オンライン フラクチュアード デイドリーム』でもディレクターを務める

ONTで戦える《ソードゴーレム》はDPSチェックがある【ソードアート・オンライン フラクチュアード デイドリーム】

――初期実装キャラクター21名が公開されましたが、選出の理由や基準はどういったものでしょう?

最上
《SAO(ソードアート・オンライン)》や《GGO(ガンゲイル・オンライン)》などの各世界からバランスよく採用したうえで、ボスクラスのキャラも入れようと考えました。

後藤
ちなみに開発が実際にスタートしたのが2019年8月で、1年後にはシナリオ作成が始まっています。なので、その時点で原作・アニメに登場していないキャラはこの21名に採用できていません。

――9月21日からはオープンネットワークテスト(ONT)が実施されますが、主にどんなことをテストするのでしょうか?

最上
ネットワークの負荷テストが主な目的です。もちろん、ONTでいただいた意見は将来的にアップデートの参考にしますが、製品版の発売時点ではサーバ側でできる部分しか間に合いません。。CBT(クローズドβテスト)時点でもっと技術的な問題が発生した場合はもう少し早いタイミングでOBT(オープンβテスト)を実施していたかもしれませんが、それほど問題はなかったので、今回は発売直前のタイミングでネットワーク負荷を集中的にテストしようとなりました。

――ONTで戦える《ソードゴーレム》の特徴について教えてください。

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後藤
近距離~中距離の攻撃手段が豊富なボスです。それといわゆる“DPSチェック(※)”を行ってくるのも特徴です。今回の試遊ではみなさんゲームに慣れているからかすぐに破壊できていましたが、本来は脚を一定時間で破壊しないと即死級のダメージを受けます。空中にいても逃れることはできません。

※DPSチェックとは?:制限時間内に一定ダメージを与えないと大ダメージor即死ダメージを繰り出すようなギミックのこと。

――ONTのボスに《ソードゴーレム》を選んだのはなぜですか?

最上
元々は《カオスドレイク》をONTのボスにしようとも検討しましたが、キャラごとの相性のバランスも考えてボスを選出しました。《カオスドレイク》だと、CBTのときの《スカル・リーパー》と同様にシノンなどの遠距離キャラが有利になるかもしれないので、ボスごとにキャラとの相性もあることを感じてもらうための選出ですね。

――確かにレビューを書くにあたってシノンを使ってみた感じ、《ソードゴーレム》とは相性がよくない印象を受けました。

後藤
はい。キャラごとに特性があり、そのためボスごとに相性はあります。「どのボスに対してもこのキャラを使っておけばいいよね」というのではなく、いろいろなキャラを使いわけて、魅力を発見してもらえればと思います。《ソードゴーレム》戦の場合、シノンだと弱点は狙えてもじっくり狙撃している最中に広範囲攻撃を避けられなくなる、という状況になりやすいかもしれません。

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――となると、相性のいいキャラは誰でしょう? ガードができると広範囲攻撃にも対処しやすそうでしたが……。

後藤
確かにガードができるキャラは防御で有利そうですね。あとは機動力に優れるレンも相性がいいと思います。肋骨に相当する部分を破壊すると弱点が露出するので、その破壊を狙うならフカ次郎もアリかもしれません。


――公式Discordが運営中ですが、発売後はどういう活用方法になるのでしょうか?

最上
ユーザーの皆様のコミュニケーションの場としてだったり、公式からのお知らせをしていったりというのはもちろんですが、そのほかにもボイスチャット機能を使って、マルチプレイ時のコミュニケーションに利用してもらえればと思います。

『SAOFD』のストーリーはオムニバス形式を採用【ソードアート・オンライン フラクチュアード デイドリーム】

――本作では従来の家庭用『SAO』ゲームの世界観とは違い、初の原作世界と共通の世界観になるのも特徴ですが、シナリオを作るうえで苦労したポイントはどこでしょう?

後藤
まず迷ったのが、主人公をどうするかですね。キリトを主人公にするか、『フェイタル・バレット』のようにアバター主人公にするか……最終的には、原作キャラクターたちそれぞれが主人公となるオムニバス形式のストーリーになりました。ストーリーごとに操作キャラが切り替わるシステムになっています。

――ストーリーごとに操作できるキャラクターが固定になるのでしょうか?

後藤
完全に固定の場合もありますが、一部選べる場合もあります。ストーリーを進めて登場キャラクタ―が増えてくると、選択の自由度が増していく感じですね。最初は特定のキャラクターでストーリーが展開しつつも、後ほど別視点のストーリーが描かれ、それが最終的に合流するようなイメージです。

最上
キャラクター選択の自由度に関しては、発売後にアップデートで緩和していこうかと検討中です。

――本作ではヒースクリフやオベイロン、死銃(デスガン)などのいわゆるボスキャラも登場しますが、とくに注目のキャラクターは誰でしょう?

後藤
やっぱりオベイロンですね。彼はとくにキャラクター同士の掛け合いがおもしろいです。例えばアリス、シノン、ユウキ、オベイロンの組み合わせの会話がおもしろいので、発売後にぜひ試してください。

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最上
ちなみに会話でいうと、死銃(デスガン)とシリカの会話も必見です。ちょっとシリカが可哀想になってきます(笑)。

――ちなみに、まだ出ていない開発の裏話はありますか?

後藤
開発初期の裏話でいうと、今回のONTでも遊べるアスナの初期設定ですね。実は元々、本作のアスナは料理で味方をサポートするキャラクターだったんです。とはいえちょっと雰囲気が作品と合わないということで、最終的には今のようなアタッカー+バフキャラになりました。

最上
コルを消費して武器やアクセサリーを生成する機能があるのですが、そこの演出が当初別の演出の流用になっていまして、世界観的にもゲーム的にもこれはおかしくない? ということで結果リズが頑張ってカンカンしてくれるようになりました。ある程度ゲームを進めた人を想定した機能ですが、一度お試しください。

――ありがとうございました!

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