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アニメ【推しの子】21話感想。久しぶりの出番だったMEMちょが大活躍! 新生B小町の面々がとにかく賑やかでよかった(ネタバレあり)

文:カワチ

公開日時:

 TVアニメ【推しの子】の第21話“カイホウ”の感想をお届けします。

【注意】キービジュアルより先のテキストでは、【推しの子】第21話の物語に関する記述が多々あります。そのため本編をご覧になってから読むことをオススメします。[IMAGE]

物語への引き込み方がうまい!【推しの子】


 原作が赤坂アカさん、作画が横槍メンゴさんの人気コミック【推しの子】のアニメ版。第2期は原作コミック第5巻~第7巻の“2.5次元舞台編”が描かれ、前回の第20話終盤からは“プライベート編”に突入しました。


 それぞれの役を通して各キャラクターの内面と、そこからの成長を描く“2.5次元舞台編”は最高に盛り上がりましたが、“プライベート編”は主演役者だった姫川大樹がアクアの異母兄であることが分かるという、導入から一気に引き込まれる作りに。通常であれば“2.5次元舞台編”が終わったところで一息つくタイミングですが、別軸のおもしろさに持っていくところはさすが。

 アクアと姫川の父親・上原清十郎は売れない役者で、母親は朝ドラのヒロインもやっていた女優の姫川愛梨。しかし、ふたりは姫川が5歳のころに心中をしており、すでにこの世にはいませんでした。アクアの復讐の相手がすでに故人であることが判明したわけですが……。筆者はABEMAの最速上映をコメント付きで観ていましたが、そのときの視聴者のリアクションは戸惑いの声と同時に、“まだ裏があるのでは?”という真相を疑うものが多かったですね。確かに真実が明らかになるとしては、あっさりしていますよね……。

 ただ、その疑惑は【推しの子】という作品を外側から観ている我々の印象であって、当人のアクアは事実を受け止めなければいけません。憑きものが落ちたかのようにアクアは優しい雰囲気になりつつ、どこか寂しそうな雰囲気もありましたね。“2.5次元舞台編”で怒りを原動力にしていたシーンからも分かる通り、復讐がアクアの行動原理だったため、仕方が無いかもしれません。そんな彼の変化にいち早く気付いたのが、かなだったこともよかったですね。

 セリフこそありませんでしたが、アクアが医大のサイトを観ているシーンもあり、これからは自分の人生を生きようと考えているようでした。

 また、中盤からは新生B小町パートに関する物語へ。原作としては68話から69話へ移った形ですね。YouTubeの登録者数が2万人を突破したものの、まだまだ収益的には心もとなく、テコ入れを行うという展開でした。最近は出番の少なかったMEMちょが活躍するため、画面が賑やかでおもしろかったですね。登録者を2万人にするのがどれだけ大変だったのか力説するシーンや、のんびりしていたら三十路になってしまうとルビィに言われて傷を受けるシーンなど、コロコロと変わる表情に笑わせてもらいました。


 YouTubeのテコ入れシーンは収益化できているチャンネルがどれぐらい存在するのか解説されたり、ルームツアーで紹介した商品は経費になることが説明されたりと、YouTubeチャンネル運営の小ネタが満載で興味深い内容でした。

 MEMちょが魅力的な後半でしたが、同じぐらい魅力的だったのが有馬かな。私物が経費になると聞いて渋っていたルームツアーを快諾したり、慰安を兼ねてPVを撮る話になったときにアクアとのロマンスを妄想したりと、お茶目な一面が見れてよかったです。

 オリジナル楽曲を作る場面では、制作が遅れている作曲者のヒムラに対して催促するようにねだるルビィの姿が印象的。怒っているわけではなく、純粋に“B小町”の楽曲を多く手がけていたヒムラの作る新曲を早く歌いたいという動機で、そのピュアな気持ちがスランプに陥っていた彼を救うことになりました。


 45歳のヒムラは100本以上の曲を手がけており、すでに書きたいものが無くなっていてモチベーションが低下していましたが、ルビーからメッセージをもらったことでやる気を取り戻しました。こういったサブキャラクターの心情も丁寧に描かれるのが本作のいいところでしたね。筆者自体もヒムラと年代が近いので気持ちは分かります。なんのためにこの作業をしているのか、そして誰に届けるのか。それが分かるとモチベーションって上がるんですよね。

 次回からは撮影旅行の話になりますが、その場所はアクアが転生前のゴローだったときに、生まれ育ち、そして殺された宮崎。引き続き見逃せない展開です。さらに、ラストには謎の少女が登場するサプライズも。こちらはアニメオリジナルで挿入されたシーンで、原作を読んでいる人も驚いたはず。まだ観ていない人はぜひチェックしてみてくださいね!

カワチRPGとビジュアルノベルが好きなゲーマーで、誰にも気付かれないようなマニアックな小ネタを記事に織り込むのが好き。深みのあるゲームが好きかと思えば、本当は肌色が多ければなんでもいいビンビン♂ライター。

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