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レビュー:アインズが裏切り!? 倒れたデミウルゴスに一体何が…『オーバーロード Imagine stories』は創作物語を1人から複数人で遊べるTRPGライクなボードゲーム

文:セスタス原川

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 KADOKAWAより『オーバーロード』シリーズを題材にしたボードゲーム『オーバーロード Imagine stories』が9月20日(金)に発売されました。

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 本作はライトノベル・アニメで展開を続ける『オーバーロード』のストーリーをゲーム感覚で独自に創作できるTRPGライクなボードゲームです。

 作品からは、主要キャラクターであるアインズやアルベドなどナザリックのメンバーに加え、クレマンティーヌや戦闘メイド隊“プレアデス”のメンバーたち、他にも物語の各所で登場したキャラクターたちが合計60人以上登場します。

 今回は、本作の遊び方を紹介した上で、実際にプレイしたのでその様子をお伝えします。

ボードゲーム『オーバーロード Imagine stories』はキャラクターと出来事を並べて物語を創作


 このボードゲームのプレイ人数は1人から複数人となっており、人数に縛りはありません。ソロプレイでも複数人でも楽しめます。

 前提として、本作は対戦ゲームではなく創作ゲームであり、どのような物語を描くかで遊ぶゲームです。そのため、1人で自分が思う物語を進めても良いですし、複数人で話し合ったり、分担したりして進めるのもアリです。

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 準備はプレイヤーカード、マップカードを指定された形に並べ、舞台カード、キャラクターカード、出来事カードの3つの山札をシャッフルした状態で裏向きで並べたら完了です。

 最初はステージ決めから。作中で登場した地名が描かれているステージカードをランダムにめくってセットして、今回の物語の舞台を設定します。続けてプレイヤーカードもランダムにめくり今回の主人公となるキャラクターを決めます。

 その後に出来事カードをめくり、何が起こるのかを決めたらお待ちかねの創作タイムのスタートです。先ほど決めた“誰がどこで何をしているorされている”というキーワードを元にストーリーの内容を決めていきます。

 その場面で起こる内容が決まったら、続々とキャラクターカードと出来事カードを1枚ずつめくりながら追加していき“誰が何をしている”か決定。これを繰り返して物語を1段階ずつ描いてきます。

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 この際にルールが2つがあります。まずは、カードに記載された事実を守ること。例えば“裏切り”という出来事が発生した場合は、そのキャラクターが裏切る、裏切られるのどちらでも構いませんが、裏切りという事実は物語に組み込まなければいけません。

 キャラクターが増えてきた段階では、直接的にそのキャラクターがその出来事に絡まなくても、登場人物たちに関係すれば問題ありません。

 もう1つのルールは、出来事の詳細を決める際にサイコロを振り、チャートにある出来事の種類から自由、好意、戦闘が選ばれたら、その要素を物語に組み込むこと。自由が選ばれた場合は物語を自由に描いて構いませんが、残りの2つが選ばれたら、ジャンルを問わない好意やシチュエーションを問わない戦いで構わないので、指定された要素を盛り込みましょう。

 これらのルールに従いつつ、合計7人のキャラクターと対応する出来事が決まったら、最後に指定された形となるエンディングを決定。エンディングの結末はハッピーエンドだけでなく、夢落ち、発狂、全滅など数多くの種類が用意されています。

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 長く説明してきましたが、簡単に言うなればルールやカードによる基盤の上で物語を作る創作ゲームです。エンディングまで物語を決めればその回は終了となりますが、ゲームをプレイした後に時系列や出来事の詳細を微調整して、しっかりとした1本の短編創作エピソードにしても面白いかもしれませんね。

 逆に、予想できないようなキャラクターチョイスや出来事によって、思いもよらない道筋に翻弄されてしまうのも本作の面白さの1つです。

ボードゲーム『オーバーロード Imagine stories』を実際にプレイ。物語を描くにはキャラクターへの理解度が鍵!


 今回は紹介にあたり、実際に本作を複数人でプレイしてみました。

 最初に登場したキャラクターはデミウルゴスが変装した姿のヤルダバオト。

 本作のキャラクターカードには、アインズとアモン、デミウルゴスとヤルダバオトなど同一カード内で対の異なる姿になっている場合があり、その場合は自由な方を選択して良いというルールがあります。

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 今回は少し面白くなることに期待を込めてヤルダバオトを選択。舞台はカルネ村で、起きた出来事は“罠だ!”でした。

 ここでヤルダバオトが罠に掛かったのか、罠を見抜いたのか、はたまた罠を仕掛けたのか。方向性は決まっているのに、少しニュアンスを変えただけで全く異なる展開になりそうです。

 今回はデミウルゴスが変装してカルネ村の視察に来ているという設定もあり、そこで何者かの罠を見抜いた展開に決定しました。

 その後に登場したキャラクターはアウラ、アインズとナザリック勢が勢ぞろい。キャラクターとしては扱いやすいメンバーが揃いました。

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 しかし“気絶”という出来事が起きたので、悩んだ末に“ヤルダバオトが罠に気が付いたが気絶してしまった”という展開に。その結果「どんな罠だったのか?」を探る物語になっていきます。

 落ち着いた物語は後半から波乱万丈。その後に登場したキャラクターは、アインズ(影武者)、ブレイン、クアイエッセと癖のあるメンバーばかり。舞台がカルネ村ということで、クアイエッセがナザリック勢に向けて罠を仕掛けた。それに流れで協力するブレインの構図に決定。

 アインズ(影武者)は“裏切り”という出来事が出たので、この場面では人間サイドに心代わりしている設定にしました。

 そして最後に登場したのは、カルネ村の担当者でもあるルプスレギナ。この混沌としたシチュエーションを収めるのに最も相応しいキャラクターが出てくれました。しかも、結末はハッピーエンドが指定されたので、まとめるのはそこまで難しく無さそうです。

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 いろいろな出来事を含んだ上で作った物語はこちら

 「デミウルゴスが変装してカルネ村に視察に来たところ、何かの罠に気が付く。遅れてアウラ、アインズが来た頃には、デミウルゴスは高笑いして倒れてしまっていました。

 そこに現れたパンドラズが変装した瓜二つのアインズ。なんと彼は裏切りをしており、人間たちのクアイエッセ、ブレインたちと共にカルネ村を訪れナザリック勢を陥れる作戦を企てていました。

 その作戦は催眠効果のある指輪を拾わせるというもの。それに引っかかたデミウルゴスは気絶してしまったと思われます。

 ところが、人間たちがいくら策を講じたところでナザリック地下大墳墓の主に敵うわけもなく。加えて、パンドラズは裏切ったと思わせて人間たちを泳がせており、実は人間たちの足取りを探っていたのでした。状況が悪化したクアイエッセたちは、アインズの力に成す術もなく敗北するのでした。

 しかし、なぜデミウルゴスともあろう者が貧弱な人間の罠に掛かってしまったのか? そんな疑問が頭に浮かんでいると、すべてを目撃していたカルネ村の担当者のルプスレギナが、事の顛末を明らかにします。

 アインズのことになると盲目になってしまう彼は、アインズからの贈り物(嘘)とされた指輪を見て「アインズ様が私に指輪を……!」と感激のあまり、罠であることも忘れて指輪の魔力など一切関係無く、ただデミウルゴスが勝手に大興奮、そして気絶しただけでした。なんとも拍子抜けな事の顛末でしたが、こうして彼らの何気ない日常は今日も過ぎ去っていくのでした。完。」

 あとから補足した部分もありつつ、やや無理がある部分もありますが、ゲームをしながらこのような小話が作れました。途中に展開に悩む部分もあったものの形として筋が通る話ができた際の達成感と満足感はかなり心地よいものがあります。

 また、今回はデミウルゴスが家臣としてアインズに尊敬を遥かに超える好意を持っているという知識があったのでこの結末を選択できました。キャラクターの性格や相関図の予備知識があるとストーリーを作りやすいですね。

 今回の物語も作っている最中は内容が定まらない部分もあるかと思いますが、登場キャラクターや話がまとまっていくうちに「実はあそこはこうで~」「あの理由はここに繋がってて~」と補足していくことが、うまく物語をまとめるコツです。

 あくまで創作を楽しむゲームですので、ルール上決められた部分さえ守れば自由な遊び方でプレイして問題ないと思います。60人以上のキャラクターが登場しますが、自分が扱いやすいキャラクターに絞っても構いません。出来事を自分で描き込めるフリーカードも用意されているので、いろいろなアレンジを楽しめることでしょう。

 もちろん、中には手に負えないような謎展開を迎えることもあります。これはその後にやった別のゲームの盤面になりますが……みなさんどのような物語を想像するでしょうか? ちなみにエンディングはハーレムエンドです。

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 最初の1人目が酩酊状態。ナザリックが舞台なのに出てくるのは地上に住むキャラクターばかり。トドメのハーレムエンド指定。数回遊んだだけの筆者には手に負えない内容でした……。もし、この内容でしっかりと物語が組める方がいれば、ぜひ教えて欲しいものです。

 本作は、60人ものキャラクターが登場するということで、かなりマイナーキャラクターまで収録されており、コアな『オーバーロード』ファンであればあるほど楽しめること間違いなしな作品です。

 ファンにオススメするのはもちろんのこと、本作は物語を作りながら遊ぶTRPGの要素を含んでおり、その筋道を補足しながら遊べるような作りになっています。そのため、TRPGの入門作品としての側面もある印象です。『オーバーロード』を知っていれば、本作から物語を自分で作る面白さに触れていくのも良いでしょう。

『オーバーロード Imagine stories』の購入で特典キャラカードが貰えるキャンペーン開催中


 特定店舗にて『オーバーロード Imagine stories』を購入すると、本ゲームで使える限定キャラクターカード(全4種)がもらえるキャンペーンを実施中です。

 限定キャラクターカードとして登場するのは、9月20日(金)から上映される“劇場版『オーバーロード』聖王国編”に登場するカルカ・ベサーレス、レメディオス・カストディオ、ケラルト・カストディオ、ネイア・バラハの4名です。

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