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『AI LIMIT 無限機兵』レビュー:特別モードのボスに心が折れそう…。スタミナなしの爽快さとソウルライクな遊びごたえが融合し達成感も段違い【電撃インディー#812】

文:電撃オンライン

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 電撃オンラインが注目するインディーゲームを紹介する電撃インディー。今回はSense Gamesが開発、CE-AsiaがパブリッシャーのPS5/Steam用アクションRPG『AI LIMIT 無限機兵』のDEMO版レビューをお届けします。

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 DEMO版は10月15日から開催されるSteam Next Festで配信されるので、気になった方はぜひプレイを!

 なお、電撃オンラインでは尖っていてオリジナリティがあったり、作り手が作りたいゲームを形にしていたりと、インディースピリットを感じるゲームをインディーゲームと呼び、愛を持ってプッシュしていきます!

二足歩行のロボットが徘徊する未来の要素と荒廃した文明が融合【AI LIMIT 無限機兵】


 本作は文明が滅亡に瀕した遠い未来が舞台のアクションRPG。荒廃した世界で主人公のアリサは唯一残された人類最後の都市・ヘヴンズウェルで文明が滅んだ世界の謎を探索します。

 DEMO版では“地底水路”というエリアをプレイ可能。名前の通り、水路や人間が住んでいたであろう居住区、研究所のような場所などを巡ることになりますが、どこもほの暗い雰囲気が漂っています。荒れ具合から文明が衰退していることが伺えますね。

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▲終盤には水路の外の世界にも出られます。
 さらに、いたるところに“ドロビト”と呼ばれる不気味な敵が徘徊しており、プレイヤーを見つけると問答無用で襲ってきます。

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 ドロビトは“ゾル”と呼ばれる謎の液体が原因で発生した怪物で、ほかにも機兵と呼ばれる敵も存在しています。

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▲超巨大なロボットが超遠距離から一方的に攻撃してきました。これは倒せるのか?
 機兵は解明できない技術によって生み出された人工生命体ということで、どこから現れたのかなどわからない部分が多いです。ドロビトには虫のような姿をしているものもいますが、機兵やドロビトの多くは人間のような姿をしているという共通点があります。

 機兵やドロビトの謎なども製品版で明かされたらおもしろいですね。

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▲機兵とドロビトが戦っている場面も。下手に横入りすると両方から狙われてしまいました。
 なかには機兵やドロビトとは違った敵も。こちらの正体も気になります。

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 また、文明が衰退したといっても人間が絶滅したわけではありません。機兵やドロビトに襲われないように水路で隠れ住んでいる人間にも出会えます。

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 会話ができるのはもちろん、ストーリーの進行によって居場所や話の内容も変化。進め方を間違えたのか、はたまた絶対に通るイベントだったのかはわかりませんが、のちに会いに行ったときに亡くなってしまっている人間もいました。

 今回出会えた人々以外とも、どんな交流が待っているのか楽しみです。

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▲DEMO版ではムービー付きで登場する重要そうなキャラクターもいました。

シンプルな要素でスピード感のある高難度バトルが楽しめる【AI LIMIT 無限機兵】


 戦闘は、2種類の武器とスペルを駆使したものになっています。スペルはいわゆる魔法のようなものですね。

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▲筆者がプレイした範囲で見つけられたスペルは2種類でした。レールガンは前方に弾を射出、局部再構築はHP回復の効果があります。
 武器ごとにできるアクションが決まっており、通常攻撃、特殊攻撃、チャージ攻撃が用意されています。1種類の攻撃だけだと連続で出せる回数が決まっていますが、派生させることで自由につなげられます。

 シームレスに武器を変更しながら攻撃もできるので、手数の多い武器から攻撃力が高い武器に持ち替えてコンボをつなげることも可能。装備する武器の組み合わせを考えられるところも楽しいポイントの1つといえるでしょう。

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▲見つけられた武器は双剣、長剣、大剣、槍の4種類です。これだけでも組み合わせにはけっこう悩みましたが、双剣と大剣の組み合わせがいちばんしっくりきました。
 ちなみに武器や防具を変えると見た目も変化します。性能と見た目、どちらを優先するか悩ましい……。

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 さらにスタミナの概念がなく、敵の攻撃で中断させられない限り、攻撃や回避はどこまででも可能。これが爽快さに拍車をかけています。

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 ただ、スタミナのかわりに“シンクロ率”というシステムが採用されています。このシンクロ率は何をするのにも要となる非常に重要な要素です。シンクロ率は、高ければ高いほど攻撃力が上がり、低いと攻撃能力が弱体化するというもの。

 スタミナの概念がないのでいくらでも攻撃をつなげてごり押ししたいところですが、敵の攻撃を受けるとシンクロ率が下がってしまうので、そうともいかず。いいバランスに調整されていました。

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▲シンクロ率はスペル発動でも消費します。
 回避が苦手という方にぜひ紹介しておきたいのが、ストーリーを進めると使えるようになる“シールド”。発動中はシンクロ率が減少し続けるので多用はできませんが、敵の攻撃をほとんど防げるので非常に便利です。

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 ただし、攻撃を防ぎ続けると色が変わり、防御性能が低下してしまうというデメリットも。ただその状況でだけ発動できる攻撃もあるので、防ぐだけではない楽しさがありました。

 シールドよりもタイミングがシビアになりますが、攻撃を無効化できる“Cフィールド”に切り替えることも可能。敵の攻撃に合わせてタイミングよくCフィールドを発動すると虚弱状態にでき、さらにその状態の敵には大ダメージを与えられる“ファタルストライク”を繰り出せます。

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 ファタルストライクを発動するために積極的にCフィールドを成功させていきたいですが、シンクロ率を消費するので多用は禁物。本当にタイミングを計る必要があります。

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▲Cフィールドの発動でシンクロ率が減少しても、ファタルストライクを決めることで取り返せます。
 どの武器やスペルを組み合わせるか、敵の攻撃は回避するのか、それとも防ぐのか。DEMO版での選択肢はそこまで多くありませんが、それでもプレイの幅広さを味わえるはずです。

 さらに個性を高めるものとして、自由度の高いステータス育成もあります。これは敵を倒したときに入手できるクリスタルを使用して任意のステータスを伸ばせるもの。

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▲HPを高めてやられにくくしてもいいし、ひたすら攻撃力を高めてもいい。一度決定するとやり直せないので非常に悩みます。
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▲ステータス育成や武器の強化は晶枝で可能。解放した晶枝間はテレポートできるようになります。

 武器を装備するために一定の能力値が必要になるので、バランスよくステータスを伸ばすのがよさそうに見えますが、個性を出すために何かしらの能力にも特化するのがよさそう。あくまで筆者の考えですが、使いたい武器を手に入れてから必要な能力を伸ばせばいいのです。

ボス“機兵の狩人”が強すぎませんか?【AI LIMIT 無限機兵】


 世界観やスピード感のあるバトルを堪能しながらプレイしてきました。何度も敵にやられ、そのたびに試行錯誤しながらDEMO版でプレイできるストーリー部分を何とかクリア。満足感に浸っていましたが、クリア後には“BOSSチャレンジモード”が解放。製品版では中盤に戦うボスの“機兵の狩人”と戦うことができます。

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▲武器やアイテムなどはDEMO版用のものになっているそうです。
 何度もやられてしまったといえどストーリー部分はクリアできたし、“BOSSチャレンジモード”用の強力な装備&ステータスも用意されていたので、自信をもって挑戦。

 ……しましたが! そんなものは一瞬で砕け散りました。初戦闘はものの10秒ほどでやられてしまう始末です。

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 機兵の狩人という名前の通り、ボスは機兵。シンクロ率があり、刀を使った攻撃を繰り出すなど、プレイヤーに似通ったものが感じられます。ただ、とにかく速くて威力の高い攻撃と連撃が凶悪。瞬間移動からの居合やひるまない状態になってからの広範囲攻撃などなど。

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 挑戦したときにはストーリーと同じように双剣と大剣の組み合わせで挑んでいましたが、まったく攻撃できなかったことから、装備を見直して爪と双剣の組み合わせで戦うことにしました。爪は双剣よりリーチが短いですが攻撃速度が速いので、敵の攻撃のあいだに差し込んで攻撃するのが目的です。

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 実際に装備を爪と双剣にしたのが功を奏して、何回か挑戦していると攻撃を差し込めるようになっていきました。「これならいける」と思い始めたのも束の間。機兵の狩人が2本目の刀を抜いて二刀流で戦う攻撃パターンに変化しました。

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 一刀流で戦っているときに比べて、二刀流だと攻撃範囲が広くなり、回避しにくくなっているのが大きな違いだと感じました。それにしてもストーリーをクリアしたから倒せるだろうとか、ちょっと攻撃ができるようになったからいけると思ったりとか、我ながら全然学びませんね。

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▲状態異常にできる武器もあるので試してみるのもおもしろいかもしれません。
 うまい人だと回避したり、Cフィールドで無効化したりできるのでしょうが、筆者にはそんな技量はありません。何回も挑戦してすこしずつ敵の攻撃パターンや回避のタイミングを覚えていくだけ。

 10分、20分と時間が経過していき、何十回も挑戦しているとあと一歩まで追い詰めるときも出てきます。とはいえ毎回そうなるわけではなく、初めて戦ったときのように一瞬でやられてしまうこともありました。

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 そして挑戦した時間と回数がわからなくなるくらい挑み、ついにそのときがやってきます。それまでは追い詰めたときも回復アイテムをすべて使いきるくらいギリギリの戦いだったのですが、なぜかそのときは敵の攻撃がすごく見切れる。一種のゾーン状態とでも言うのでしょうか。

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 すべての攻撃を避けられるわけではありませんが、圧倒的に攻撃を受ける回数が少なく、容易に攻撃を差し込めます。一刀流でも二刀流でもそれは変わらず。終始優位に戦闘を進めて回復アイテムを半分以上残したまま勝利できました。

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▲回復アイテムの数や結果だけ見ると弱いボスに見えるかもしれませんが、何度も挑戦しているうちに諦めることも考えたくらいの強敵でした。
 かなりの強敵だった機兵の狩人に勝利した達成感はすごいものです。ただ、機兵の狩人が中盤で戦うボスということで、製品版の終盤にはこれよりも強いボスが……。期待がありつつ、怖さも禁じえません。DEMO版でも十分に楽しめるのでぜひプレイしてみてください。

 ちなみにクリアした後、改めて機兵の狩人に挑戦してみたらHPを半分程度削ったところでやられました。勝利したときが神がかっていただけのようです。


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