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【VTuberインタビュー】碧依さくらさんの未来への冒険、大切なファンと共有する夢とは? 新VTuber事務所“re;BON”設立へ込めた思いも聞く

文:こひき庵

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 2024年2月から活動を開始されたVTuber・碧依さくらさん。

 ここまで独自イベント開催、ソロライブ決定、オリジナルソング発表、そして新VTuber事務所“re;BON”設立などさまざまな活躍を見せてきました。

 今回はそんな彼女の独占インタビューをお届けします。
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碧依さくらあおいさくらです。桜の妖精と雪女のハーフです。お歌を歌うのが好き。

 
 碧依さくらさんは、2月のデビュー当初から多彩な活躍を見せてきた。

 9月1日には3Dお披露目も実施。そしてその場で驚きの発表がありました。

 新たなVTuber事務所“re;BON”の設立を宣言したのです。

 今回はそんなさくらさんに、大きな話題となった新たなVTuber事務所についてはもちろん、ソロライブを控えるさくらさん個人の今後について、そしてファンについての思いなど大いに語っていただきました。

“re;BON”設立へ込めた思い

――さっそくですが、まずは新VTuber事務所“re;BON”について伺いたいと考えています。あらためて、発表当時の心境はいかがでしたか。

やっぱり、「どう思われるかな?」という不安が一番でした。

「緊張していた」というのが率直なところです。

新しいことをやろうとするとき、批判とか憶測とかがすごい広がって、いろいろ言われるイメージがすごくあって……。

「いろいろ言われるんだろうな」と思いながらの発表でした。

――実際はポジティブな反応も多かったのでは?

そうなんです。

今回ほとんど批判的な声が見当たらなかったんです。

ホッとしたし、ビックリもしました。

――ご友人など周囲の反応はいかがでしたか。

友達は「なんかいつも驚かせてくれるね」とか、「そういうところが好きなんだよね」とか言ってくれました。

本当に、なんだか受け入れてくれている人が多くて、うん。

本当に「応援するよ」っていう声が多かったので、すごく勇気をもらえました。

――事前の不安を吹き飛ばすような反応があったんですね。

本当にそうです。うん。

すごくうれしかったです。

批判的な声も別にあったんですが、いろいろな人の目に止まった結果だと思うし、むしろ気にしてくれてるのかな、と(笑)

――そういう意味で言うと、3Dお披露目という注目される場で打ち出した効果もありましたね。

実は3Dお披露目でやろうと決めて準備していたわけではないんです。

たまたまこの時期に事務所を立ち上げようとなって、「いろいろな人の目につく大きな舞台はどこかな?」となったときに、「じゃあ、ここでやろう」となった感じですね。

――事前にファンミーティングでは報告されていたそうですが、まったく情報が漏れてきませんでした。

「重大発表をするけど、絶対に外へ言わないで」と私からお願いしていました。

本当にまったく漏れなかったです!

【3Dお披露目】かわいい私を堪能する準備はできていますか?【碧依さくら】

――“re;BON”という名前については、いかがですか。

発表のときにもお話させていただいたんですが、過去の自分から新しい自分に“生まれ変わる”という意味を込めている事務所名です。

そういう事務所にしたいっていう思いがあったので、名前にもそれをちょっと組み込んだ感じですね。

生まれ変わるっていう意味の“Reborn(リボーン)”と、ちょっとかわいく、私の服にもリボンがついてるんで、そのふたつを掛け合わせた感じです。

つまり、かわいさを足して“re;BON”にしました。

――事務所を作る構想はいつ頃からスタートされてたんですか?

デビューして数ヶ月してからですね。

4月とかだったかな?

そのくらいに話がスタートしています。

――6月の『Apex Legends』ソロ最強決定戦“一本SAKURA”の開催など個人勢としては珍しい動きをされているなと思っていました。

確かに個人でああいうことができる自分は恵まれているなと感じていました。

手伝ってくれる企業さんがいてこそですし、すごく友人に恵まれています。

「やりたい」と思って声を出したときに、動いてくれる方がいる。

そういう中でもっとうまくやっていくために、“個人”ではなく違う形があるんじゃないかなと思っていたのはあります。

――そもそも個人でやる難しさも感じられていたわけですね。

やりたいことはいっぱいあるけど、「それを叶えるためには1人じゃ絶対無理だ」っていうのも感じていたので。

個人だからこその自由はありますし、やりたいこととかもいっぱい頭に思い浮かんできます。

でも、それを実現するまでの道はない、みたいな感覚ですね。

――逆にどこかの団体に所属するという選択肢もあったかもしれませんが、そちらは考えなかったですか?

私は縛られるのが嫌いなのかもしれません。

結構、自由人なんで(笑)

事務所とかに入る選択肢もあったとは思います。

でもやっぱり、守らなきゃいけないルールだったりとかも多くなってくるので、そうなったときに私ってちゃんとできるのかな、と。

それなら1回、自分で事務所をやってみようかな、みたいな。

「何とかなる」が私の座右の銘なんで。

まずは自分が思いついて良いと思った方法を試してみて、駄目だったら、仲間に泣きついて助けてもらおうかな、と(笑)

――逆に事務所の看板を背負う大変さもありそうですが?

はい、そうですね。

ただ、私、配信とかでも「事務所の社長」言ったりしているんですけど、実際の事務所の社長とは少し違うんです。

社長の顔をしているだけでして(笑)

私の名前が本名じゃないことは配信でも話しているんですが、社長として登録すると本名が出ちゃうんですね。

だから、登録する社長は他の方にお願いしています。

――そういうことだったんですね。

はい。

そうやって別の方が社長としての負担をしてもらって、「私、別に社長じゃないし」みたいにも言えて、危ないときはお願いしつつ、都合の良いときだけ社長ぶります(笑)

――それはいいやり方ですね(笑)。個人勢として活動されていた方が事務所を立ち上げる先行事例としては、渋谷ハルさんの“Neo-Porte”など他にもありますが、参考にされたりはあったんすか。

それこそハルくんは友達だから、「どういうふうにやってるんだろう?」と、いろいろ観てみたりはしました。

「事務所の注意事項とかにこういうのを入れてるんだな」とかですね。

いいところをつまむというか、自分の事務所をこうしてこうとかいう参考にはさせてもらいました。

ただ、基本的には自分たちでいろいろ考えてやった感じです。
――あらためてどういう事務所にしていきたいかを聞かせていただけますか。

発表の場ではわかりやすく「事務所」と言いましたけれど、あんまり事務所って感じにしたくはないんです。

簡単に言ったら「仲間」になりたい。所属するみんなが仲良く、スタッフも含めて、お互いを大事にし合えることはまず大事にしたいです。

あとは、いろんな人が集まってくると思うので、その人たちのやりたいことをしっかり聞いてあげたいですね。

歌がやりたい人だったら音楽ライブを目指すとか、ゲームをやりたい人だったら、そういうゲームの大会とかに挑戦できるようにしてあげるとか。

――「どんどん大きな事務所にしてやるぜ」というより、まず仲良しになって助け合える仲間をちょっとずつ集めていくみたいなイメージでしょうか?

そうですね。

もう大きい事務所ってあるじゃないですか。

大きな箱で活動したい人はそっちへ行くでしょうし、自分たちは何より「楽しそうだな」って周りに思ってもらえる場所を作りたいっていうイメージです。

そして、ファンの皆さんからも「日々楽しそうでいいね」とか「入って良かったね」って思ってもらえたらいいなと思っています。

――個人勢の不安として「守ってもらえない」という話もよく聞きます。

カチッとした事務所じゃないという話をすると、その辺はちょっと不安になる人もいるとは思います。

もちろん、自分が犯罪とか悪いことをしたというなら守りませんけど、誹謗中傷とかそういうことにはしっかり対応したいですね。

そういう法律とかに強い人にも関わってもらおうと思っています。

仲間は守ります。

――あとは事務所の先輩として何でも相談してくださいみたいな感じですかね。

私も大した配信歴があるわけじゃないので、そこはどうかなあ(笑)

でも新人だったら、私は先輩面をしますけどね!

私でわかることなら答えますし、わからないところは一緒に考えるのでなんでも相談してください!って感じです。

――オーディションもやられていますね。

はい。

私の考えを理解してくれて、共感してくれる人に来てほしいと思っています。

一言で言ったら、私はワガママだし、自由人なんで、それはある程度理解した上で一緒にやっていきたいと思ってくれる人、長期的に私と活動してくれる人に来てほしいです。

もちろん私だけじゃなく他の人とも仲良くできないといけないです。

自由人でワガママなのは私ひとりでいいんです(笑)

もちろん、「自分はこれをやりたいんだ!」みたいな意味でのワガママはありなので、どんどん相談してほしいです。
――そういえば、事務所に関して誤解されてしまった部分があるという話もされていましたね。

ああ、そうですね。

所属する方から私が取り分を貰うことはないよという話をしていたんですけど、ある記事で「取り分は100%」みたいなことが書かれていたんですね。

そういう話が浸透しちゃうと困っちゃうな、と。

スタッフさんのお給料を払わなきゃいけないですし、事務所としての取り分はいくらかもらいます。

その点は、読んだ方にも理解してもらえるように書いといてもらえるとありがたいです。

――「社長が9割持っていきます!」とかそういう話ではないってことですよね。

そういう意味でのワガママを言う気はまったくありません(笑)

アーティストとしての新たなチャレンジへ

――事務所の運営者としてではなく、VTuber・碧依さくらさんについても聞かせてください。デビュー当初の感触としてはいかがでしたか。

デビュー直前は、本当に私を受け入れてもらえるか、私を推してくれる人がいるのか、もっと言ってしまうと、この仕事で食べていけるのかとか、不安でいっぱいでした。

活動面でも金銭面でもいろいろな不安でいっぱいで、「どうしよう」、「大丈夫かな」っていう気持ちは、もう本当にデビュー直前までずっとありました。

もちろん、新しいことを始めるワクワク感みたいな思いもありました。

ただ、不安も強くて、初配信の配信開始ボタンを押すとき、めちゃめちゃ手が震えていたのを覚えています。

――簡単ではないですよね。

一言目の言葉もなかなか出せなくて、たぶん息をめっちゃ吸ってる音が配信に乗っちゃってるんですよね。

あり得ないくらい緊張していました……。

【初配信】こんにちは🌸碧依さくらです!【碧依さくら】

――いざデビューしてみたら、手応えというか、前向きな感触もあったのではないですか?

いろいろな意見もいただきましたけど、何よりも私を推してくれる人のことを感じられたのが大きかったです。

私を受け入れて、推してくれる人がいるかっていうのが一番の不安要素だったので、その不安を吹き飛ばすくらいのファンの熱量があって……。

なんか言われて凹んでる暇なんてないぞ、こうやって推してくれるファンに応えなくてはと思えたというか。

ファンの熱量が、思っていた以上にあったからこそ、「この人たちにどれだけのありがとうを返せるかだ」という方向に頭が自然とシフトしていました。

――さくらさんもファンを大切にしているし、ファンの皆さんもさくらさんを大切にされているんだなという印象を持っています。

本当に一言で言ってしまうと、もう自慢のファンですね。

私はいろいろな方とコラボしたり、イベントを一緒にやったりしますが、ファンのことでクレームをもらったりとかなくて、逆にファンのことを褒められるばかりなんですよ。

普段から「ありがとう」と伝えてますけど、本当に本当に、ありがたいです。

本当にいい子たちが多いです。うん。

――すごく良い関係性が出来上がっているんですね。

いろいろなことを汲み取ってくれて、みんなのことを私が大事にするから、「さくちゃんに返したい」みたいに言ってくれる人がすごく多くて……。

なので、Win-Winの関係で活動しています。

――振り返ったときに、印象深いイベントなどありますか。

思い出に残っている配信やイベントは本当にたくさんあります。

その中で特にとなると、ファンミですね。

デジタルな世界に生きている私のリアルイベントにどれだけの人が来てくれるか不安でしたけど、本当にたくさん来てくれました。

これはファンミでも話したんですけど、配信でコメントをくれている、あのコメントの先に本当に人がいるのかと疑ってたんですよ。

――AIかもしれない、と?

BOTなんじゃないか。

私の声に反応して返してくれてるだけなんじゃないか。

本当に私にファンがいるのかって日々不安ではあったんです。

ファンの言葉に支えられて頑張っているけれど、そこで「本当にいるのかな?」っていう気持ちにさせてくる“ブラックさくら”みたいなのが私の中にいるんです。

でも、会場の席に人が埋まっていくのを見ていたら、全部が吹き飛びました。

「本当にいる!」みたいな。

顔を出したら怒られちゃうので会場の映像で見ていたんですが、私がマイクのボタンを押して喋ったらみんなが私の声に反応してくれたり……。

「さくちゃん!」って言ってくれて、「私には本当にファンがいるんだ」というのを改めて実感した場でした。

2回目は台風とぶつかっちゃったんですけど、その中でも本当にたくさんの人が来てくれて、団結力というか、ファンの私への愛をすごく感じられました。

やっぱりファンミの記憶、思い出は、自分の中では本当に大きいです。
――あらためて3Dお披露目についても聞かせてください。

私、もちひよこさんのモデルが本当に大好きなんです。

いっぱいお子さんいるんですけど、どの子もすごくかわいい。

だから、どうしてもお願いしたくて……。

最初はスケジュール的に難しいということだったんですが、その後に「何とかできるようになった」と聞いたときはめちゃくちゃうれしかったです。

もちひよこさんは自分の作った子に対してすごく愛情を持ってくれる方で、私のことも本当に「かわいい!」って言ってくれるんです。

イベントにも遊びに来てくれたりとかしてて、ご飯も一緒に食べたりしています。

2Dが本当にかわいいから、絶対にガッカリさせないようにかわいく作ろうとしてくださったみたいで、本当に感謝です。

めちゃめちゃ綺麗なんですよ。
――髪の毛とかも素晴らしいですよね。

私がこだわっている衣装の小物とか、いろいろ細かいんですよ。

多分3Dにするのはすごく大変だったと思うんですけど、めちゃくちゃしっかり表現してもらえて、本当に「ありがとう」しかないです。

焼き肉を一緒に食べたときも「ありがとう」ばかり言っていました(笑)

駄目なポイントが1個もなくて自慢ポイントしかない。

私の3Dは完璧です!

――本当に素晴らしいと思います。あらためて今後についても聞かせてください。オリジナルソング『彗星』も発表されましたね。

普通、最初に出すオリジナル曲って自分からのメッセージというか、自己紹介みたいなことが多いと思うんです。

でも今回のオリジナルソングはそうじゃないんです。

「私」は出てこないんですよ、MVとかにも。

別の世界線にいる人たちを歌っている曲です。

“アーティスト・碧依さくら”としてのオリジナルソングになっています。

碧依さくら 【彗星】 Official Music Video

――配信者としてだけでなく、アーティストとしてやっていきたいという気持ちを表明する曲という理解でいいのでしょうか。

そうです、そうです。まさにそのとおりです。

違う感じの私を出したいというのがありました。

私のイメージは「かわいい」みたいなところもあると思います。

ただ、これは違っていて、1曲目にこれが来たときに「私っぽくない」みたいな感じになると思うんです。

でも、それでいいんです。

いろいろな人に共感してもらえる歌詞になっていると思いますし、私のことを知らない人にも、ぜひ一度聴いてみてほしいです。

耳に残るような、そんな曲になっていると思うので。

――このオリジナルソングも含め、アーティストとしての動きが年末のワンマンライブにも繋がっているということですよね。

はい、そうですね。

あのライブのセットリストは本当に自分で考えて、これを歌うんだと決めました。

いろんな声で歌えるっていうのを私の売りにしたいのもあるんです。

だから、それを意識したセットリストにしていますし、生バンドも来てもらうんです。

もう本当に“ライブ”っていう感じにするので、楽しんでもらえたらうれしいなっていう気持ちですね。

――みんなノリノリで盛り上がってくれって感じですね?

はい!

私はロックバンドが好きなので、「そんな感じでやりたいよ」みたいな話をみんなにもしています。

さらに大きな夢へ向かって

――改めて今後、ファンと共有して、目指していく夢とか目標とかそういうのから聞かしてもらっていいですか。

そうですね。

何か私よりファンの方が「武道館行こうよ」とか言ってはいるんですよね(笑)

私としては東京以外でもライブをやりたいという気持ちがずっとあります。

全国を回りたい。それは目標のひとつではありますね。

目標というより、夢に近いのかもしれませんけど、でも全国ツアーは目標にしようと思います。

――最後に電撃オンラインの読者へ向けてのメッセージもお願いします。

はい。これからも碧依さくらは走り続けていくので、ぜひ配信にも気軽に来てください!

よろしくお願いいたします!
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