iOS/Android向け新作戦略シミュレーション『キングダム 覇道』のインタビュー記事をお届けします。前編となる本記事では、開発の経緯、ゲームシステム、クローズドβテストの反響などについて詳しく伺いました。
インタビューには、本作を手掛けるバンダイナムコエンターテインメントとコーエーテクモゲームスからそれぞれ3名が参加。記事中では、バンダイナムコエンターテインメントの開発スタッフをBNEスタッフA~C、コーエーテクモゲームスの開発スタッフをKTGスタッフA~Cと表記します。
後編では、登場キャラクターに関する情報や、開発チームの“キングダム愛”について掘り下げています。ぜひ合わせてご覧ください。
インタビューには、本作を手掛けるバンダイナムコエンターテインメントとコーエーテクモゲームスからそれぞれ3名が参加。記事中では、バンダイナムコエンターテインメントの開発スタッフをBNEスタッフA~C、コーエーテクモゲームスの開発スタッフをKTGスタッフA~Cと表記します。
後編では、登場キャラクターに関する情報や、開発チームの“キングダム愛”について掘り下げています。ぜひ合わせてご覧ください。
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開発経緯:『キングダム』を主体としたゲームへの想い
――本日はよろしくお願いいたします。まず、本作の開発経緯についてお聞かせください。
BNEスタッフA
うちの社内では『キングダム』のファンが多く、以前『キングダム』のアプリを開発していたメンバーもいたんです。『キングダム』への愛を語り合う中で、『キングダム』を主体としたゲームの企画案を練っていたんですが、その中でコーエーテクモゲームスさんから『覇道』シリーズの企画持ち掛けがあり、コーエーテクモゲームスさんと一緒であれば、超本格的なシミュレーションゲームとして『キングダム』の魅力を存分に表現できるゲームが生まれるのではないかと思ったんです。
そこでコーエーテクモゲームスさんと具体的に企画のお話をスタートしたのですが……最初の打ち合わせから両社の熱量がすごくて「これは絶対におもしろいものができる」と確信しましたね。
そこでコーエーテクモゲームスさんと具体的に企画のお話をスタートしたのですが……最初の打ち合わせから両社の熱量がすごくて「これは絶対におもしろいものができる」と確信しましたね。
KTGスタッフA
バンダイナムコエンターテインメントさんとの最初の話し合いで、『キングダム』と『覇道』シリーズの相性のよさに確信を持ちました。『キングダム』の歴史や戦の描写はゲーム性に最適ですし、歴史シミュレーションのノウハウも生かせます。何より私たち自身が作品の大ファンだったので、ぜひ実現したいと考えバンダイナムコエンターテインメントさんと協議を重ねてきました。
BNEスタッフB
開発が始まったのは僕が入社してすぐの頃だったので、もう2年以上前になります。最初は右も左もわからない状態で、先輩たちが“キングダム愛”を熱く語るのを横で聞いていたんですが、だんだん自分もその熱に巻き込まれていきました(笑)。開発期間は本当に長かったですが、そのぶん、思い入れも強いです。
KTGスタッフC
最初の企画会議では、「どのエピソードをゲーム化するか」「どんな遊び方が『キングダム』らしいのか」など、みんなで意見をぶつけ合いました。作品内のどのシーンを再現したいか、キャラクターのどんな魅力を伝えたいか、議論は尽きませんでした。
BNEスタッフB
ちなみに、最初の企画書には「このキャラは絶対に外せない!」っていう推しキャラリストまでついていましたよね(笑)。みんなの熱量がすごくて、会議というよりも『キングダム』談義と言ったほうが近かったかもしれません。
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――本作は『キングダム』アプリゲームの新作として、『覇道』のシステムを基盤にしているということですが
BNEスタッフA
はい、『キングダム』という作品で“超本格的なシミュレーション”を実現するにあたり、本作はコーエーテクモゲームスさんの『覇道』シリーズのシステムをベースにしています。バンダイナムコの社員にも『覇道』シリーズのファンは多く、『キングダム』と『覇道』が組あわさることによって、これまでにない魅力をもった『キングダム』ゲームを生み出せるという確信がありました。
KTGスタッフA
『キングダム』の世界観を活かしつつ、『覇道』シリーズの強みであるリアルタイムストラテジー要素を融合させた点が、本作の大きな特徴です。プレイヤーは自軍を指揮し、刻々と変化する戦況に対応しながら勝利を目指します。『キングダム』ならではの戦略的なおもしろさを、ゲームとして深く体験できるはずです。
――本作の魅力はどのようなところにあるのでしょうか?
――本作の魅力はどのようなところにあるのでしょうか?
BNEスタッフA
まずは『キングダム』初の“多人数で遊ぶ戦略シミュレーションである”という点です。『キングダム』と言えば“大軍同士のぶつかり合い”や“様々な武将の思惑・作戦が戦場でぶつかりあう戦”が作品の魅力の一つだと思います。
本作はコーエーテクモゲームスさんの『覇道』システムを踏襲することで、完全リアルタイムで他プレイヤーと協力や対決をしながら、最大60人が参戦する大規模な戦体験を楽しむことができます。『キングダム』ゲームとして、これだけの規模で本格的な戦体験を楽しむことができるのは、本作ならではの魅力だと考えています。
本作はコーエーテクモゲームスさんの『覇道』システムを踏襲することで、完全リアルタイムで他プレイヤーと協力や対決をしながら、最大60人が参戦する大規模な戦体験を楽しむことができます。『キングダム』ゲームとして、これだけの規模で本格的な戦体験を楽しむことができるのは、本作ならではの魅力だと考えています。
KTGスタッフA
われわれ開発チームが考える『覇道』シリーズの魅力は、“全部隊がリアルタイムに動いているのが見える”という点です。部隊がどう動いて、どこでぶつかり、誰を巻き込むのか。その戦場のすべてが見えるというのが根幹の魅力にあります。その基本は本作でも踏襲しつつ、『キングダム』を表現するうえでより適したシステムが築けたと思っています。
開発当初の企画と現在のゲーム
――開発当初はどのような形のゲームを想定されていたのでしょうか?また、現在の形になるまでに、どのような変遷があったのでしょうか?
KTGスタッフA
当初は、プレイヤーがマップに旗を立てて陣地を広げていくような、リアルタイムの陣取り合戦を考えていました。実際にプロトタイプを作ってみたところ、複雑になりすぎて、遊びやすさやおもしろさ、“キングダムらしさ”のバランスが取れなかったんです。
BNEスタッフA
“キングダムらしさ”とは、単にキャラクターや世界観を再現するだけではありません。戦いのダイナミズムや仲間との絆、逆境を乗り越える熱さ……そういった空気感をどうゲームに落とし込むかが本当に難しかったです。開発メンバー同士で『キングダム』の好きなシーンを語り合いながら、「この熱さをどう伝える?」と毎日悩んでいました。
BNEスタッフB
開発中は常に「“キングダムらしさ”とは何か?」という議論を重ねました。両社の『キングダム』ファン同士で、「これは“キングダムらしさ”がない」「こっちは“ぽい”よね」と意見を交換し、少しずつ今の形に近づけていきました。例えば、キャラクターの動きやセリフひとつとっても「作中ではこういう表情をするはず」といった具合に、細かい部分までこだわりました。
KTGスタッフC
我々は本格的なシミュレーションゲームを作るのが得意ですが、ただ同じものを作っても、同じファンが遊ぶだけになってしまいます。『キングダム』という素晴らしいIPだからこそ、もっと幅広いファンに遊んでいただきたい。そう考えた時に、「このゲーム性ではないな」と。そこから2、3回は作り直しがありました。毎回「これならイケる!」と思っても、テストプレイで「なんだか違うね」となり、またイチから練り直す……の繰り返しでした。
BNEスタッフB
「このキャラならこう動くはず」「この場面でこのセリフは言わないよね」みたいな細かいこだわりが、開発の手間を増やしていた部分もありました(笑)。でも、そこを妥協しなかったからこそ、今の形になったと思います。
――“キングダムらしさ”を特に落とし込んだ部分を詳しく教えてください。
――“キングダムらしさ”を特に落とし込んだ部分を詳しく教えてください。
BNEスタッフA
本作では、『キングダム』らしい要素を“多人数型戦略シミュレーション”というゲーム性をベースにできる限り盛り込みました。例えば、軍団戦における“地の利”や“勝機の炎”です。『キングダム』作品内では、戦における地形を活かしたり、戦場で発生する“勝機の炎”を見極めたりする描写があります。
本作では戦場ごとに地形の特性があり、森では敵から姿が見えなくなる、山によって地形が分断されていて攻めるルートの選択が重要になるなど、戦場の地形を活かす遊びを楽しめます。また、戦場に発生する“勝機”のエリアに触れることで部隊が強化され、一騎当千の活躍を見せつけられます。
本作では戦場ごとに地形の特性があり、森では敵から姿が見えなくなる、山によって地形が分断されていて攻めるルートの選択が重要になるなど、戦場の地形を活かす遊びを楽しめます。また、戦場に発生する“勝機”のエリアに触れることで部隊が強化され、一騎当千の活躍を見せつけられます。
KTGスタッフA
“キングダムらしさ”を、『覇道』シリーズの特徴であり本作の強みであるリアルタイムの戦の中で感じられるように、様々な調整を行っています。攻城戦では、『キングダム』ではおなじみの“井闌車(せいらんしゃ)”も登場します。『覇道』シリーズを既に遊ばれたことのある方にとっても、新しい体験を楽しんでいただけると思います。
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クローズドβテストの反響
――満を持して実施されたクローズドβテスト(以下、CBT)での反響はいかがでしたか?
BNEスタッフC
一番の魅力である軍団戦まで到達できた方には、おおむね好評をいただけました。ただ、そこにたどり着くまでのハードルが高いという意見も多かったので、正式サービスではまずチュートリアル段階で軍団戦を体験できるような形にしています。
KTGスタッフA
普段からSLGを遊ぶ方や、『キングダム』ファンの方まで様々なお客様に遊んでいただきまして、『キングダム』ファンからは「難しい」という声もありましたが、現役の『覇道』ユーザーもプレイしてくれて、彼らの牽引のおかげでおもしろさを理解してくれた方も多かった印象です。
KTGスタッフB
CBTでは、ユーザーが本格的な『キングダム』ゲームを求めている、という考えが間違いではないと確認できたのも大きいです。キャラクターデザインが『覇道』を踏襲した重厚さを意識したデザインになっているので、『キングダム』ファンに受け入れてもらえるか少し不安でしたが、そこも好意的な意見をいただけました。
ただ、せっかくのキャラクターのイラストを見る機会が少ないという意見もいただいたので、製品版ではお気に入りのキャラクターを設定して、様々な場面でアドバイスをもらえるような機能を実装しています。
――お気に入りのキャラクターを設定できるというのは、ホーム画面のような機能ですか?
ただ、せっかくのキャラクターのイラストを見る機会が少ないという意見もいただいたので、製品版ではお気に入りのキャラクターを設定して、様々な場面でアドバイスをもらえるような機能を実装しています。
――お気に入りのキャラクターを設定できるというのは、ホーム画面のような機能ですか?
KTGスタッフB
ガイドキャラクターのようなものを設定でき、様々な場面で助言をしてくれる機能です。また、武将の演出に関してもCBTから増やしており、戦闘中に大きな画像が表示されたりします。ただし、画面を占有しすぎると見にくくなってしまうので、バランスには気を配っています。
――CBTでの『覇道』ユーザーの割合はどのくらいでしたか?
――CBTでの『覇道』ユーザーの割合はどのくらいでしたか?
BNEスタッフA
事前アンケートでは、経験者と初心者で半々くらいでした。『キングダム』ファンの方も多く参加していただけたので、その反響を受けて幅広い層に向けて調整していけると思います。
――軍団での行動方針を決め、的確に動いていくのは初心者には少し大変かもしれません。
――軍団での行動方針を決め、的確に動いていくのは初心者には少し大変かもしれません。
KTGスタッフC
そうですね。CBTでも「どこへ行けばいいかわからない」と迷ってしまう軍団さんがいらっしゃいました。そこで、本作では“軍団司令”という機能を導入しました。軍団で司令役の武将(王騎、麃公、楊端和などから選択)を設定すると、その武将が「次はここを攻めよう」「何時に行けるか?」とアンケートを取って目標を示してくれるんです。
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KTGスタッフA
軍団への参加自体も、もっと気軽にできるようにしました。最初はNPCの壁(へき)と戦うことになるのですが、そこに挑戦しようとしている軍団にボタン1つで参加できるようになります。序盤は軍団の出入りに関するペナルティも緩くしているので、自分に合った軍団をじっくり探してもらいたいですね。
BNEスタッフB
軍団ノルマが厳しいのではないかと心配される方も多いと思いますが、実際は“今日はちょっとだけ参加”でも全然OKです。軍団の中で役割分担ができるようになっているので、ガッツリやりたい人も、のんびり楽しみたい人も、それぞれのペースで遊べます。
BNEスタッフB
初心者の方でも、先輩たちが「ここはこうしたほうがいいよ」とアドバイスしてくれる雰囲気が自然と生まれていて、コミュニティの温かさも感じられました。『キングダム』ファン同士の交流の場としても、すごくいい空間になっていると思います。
BNEスタッフA
さらに、軍団戦で人数が足りない場合は、NPCが味方として参戦してくれます。これも多人数型戦略シミュレーションとしては珍しい仕様だと思います。最初はNPCの助けを借りながら、最終的にはプレイヤーの皆さんでワイワイ遊んでいただけるような、遊びやすさを重視した設計になっています。
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――助っ人として参戦してくれるNPCは、プレイヤーと比べてどのくらいの強さになるのですか?
BNEスタッフB
まだ調整中ですが、軍団のプレイヤーの平均値くらいの強さを想定しています。ただし、プレイヤーと比べるとアルゴリズムがそれほど賢いわけではないので、あくまで数合わせとして活躍してくれるイメージです。とはいえ、本作では足止めひとつだけでもかなり重要になるので、十分に活躍してくれると思います。
――合戦中の操作も手軽になっているように感じます。
――合戦中の操作も手軽になっているように感じます。
KTGスタッフA
シミュレーションゲームに慣れていない人でもとっつきやすいように、基本的な操作は理解しやすいものにしています。その先の奥深さを実感できるようなシステムも導入しているので、入り口はライトに、でも深く楽しめるという両立はできているかと思います。
――合戦時はプレイヤー同士でどんな交流ができますか?
――合戦時はプレイヤー同士でどんな交流ができますか?
BNEスタッフA
戦いの前や戦闘中にスタンプなどで交流できます。細かい指示を出すには向きませんが、意気込みを表したり気分を盛り上げるのに使えます。
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BNEスタッフC
『キングダム』の作品中でも戦う前に味方に檄を飛ばしますよね。ぜひあの要素は再現したいと思っていました。
KTGスタッフA
ちなみにスタンプは無料で使えるものもたくさんありますが、パックで購入できるものもあります。それ以外にイベント報酬で獲得できるものもあるので、「このスタンプ持ってる! すげえ!」みたいに自慢することも可能です。
――本作はシーズン制とのことですが、最終的な目標はどうなるのでしょうか?
――本作はシーズン制とのことですが、最終的な目標はどうなるのでしょうか?
KTGスタッフA
天下統一を目指す、いわゆる国盗りゲームではありません。シーズンごとに『キングダム』の特定の戦いをフィーチャーして、その戦いのボスを倒すことが目標になります。例えば、蛇甘平原編が舞台になるシーズン1では、宮元や呉慶がボスとして登場します。
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――多彩な武将が登場する『キングダム』ですが、シーズンごとに新武将も追加されていくのでしょうか?
ここから先は、後日公開予定の後半でお楽しみください。