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『その着せ替え人形は恋をする』18話(2期6話)感想。“戦う顔”になった五条くんがあまりにもイケメンすぎた神回。時に格好良く、時に可愛い喜多川さんの魅力も満載(ネタバレあり)【着せ恋】

文:米澤崇史

公開日時:

 アニメ『その着せ替え人形は恋をする』第18話(2期6話)“俺が絶対に 俺の手で”の感想記事をお届けします。

【注意】キービジュアルより先のテキストでは、『その着せ替え人形は恋をする』第18話(2期6話)の物語に関する記述が多々あります。そのため本編をご覧になってから読むことをオススメします。[IMAGE]

覚悟を決めた五条くんの表情が最高すぎた【その着せ替え人形は恋をする】


 4話から続いていた文化祭にまつわるお話も6話でついに完結。物語の展開も、それにふさわしい盛り上がるエピソードになっていました。

 まずビックリしたのが、喜多川さんの友達の成蘭がレインボーローズの作り方を知っていたこと。一瞬、専門の店でも紹介してくれるのかと思ったんですが、想像していた以上に科学的な方法でギャップがありました。


 何気ないシーンではあったんですが、この時に成蘭が「頼られるのって気持ちいい」と伝えたのが、五条くんにとっては新しい発見だったんだろうなと。

 人を頼るのが苦手だった五条くんが期待されることの気持ちよさを知り、成蘭の言葉で他の人も同じなのかもしれないと気づく。非常に綺麗な流れで、五条くんの心境の変化が表現されていたと思います。

 また、今回はあらゆるシーンの作画が素晴らしすぎて、制作陣も今回を重要なエピソードとして描いていることがヒシヒシと伝わってきました。

 最初にインパクトがあったのは、ミスコンで優勝したいことを五条くんに告げる喜多川さんのキメ顔。今までのコスプレって、誰かを喜ばせたりするより、純粋に喜多川さんが自分の“好き”を共有したいがために行っていたものだったので、クラスの皆の想いを背負って……というのはこれまでにないパターンだったなと。

 今回は、今までで一番喜多川さんが頼もしく見えた回だったんじゃないかと思います。


 そして、6話といえば、なんといっても五条くんのあの表情ですよね!

 周りから期待される喜びを知ったと同時に、だからこそ失敗できない重圧や恐怖を自覚した時はどうなるかと心配しましたが、そこから喜多川さんの存在で見事に復活。

 今まで五条くんが一度も見せたことがない本気の顔で、どちらかというとバトルアニメで覚悟完了した主人公のような“戦う顔”になっています。

 よくも悪くも、これまでは楽しくやれれば良かった優しい世界の中にいた五条くんが、自分の中の殻を大きく破った瞬間で、めちゃくちゃアツいシーンでした。


 ただ喜多川さん、あのマジ顔になった五条くんを見て、よく大しゅきモードに入らずに済んだな……と思いました(あのシリアスシーンでやっていたら、空気感は台無しになっていたのは間違いないですが)。

 今までそうでもなかった人も、今回五条くんにキュンときた視聴者は多いんじゃないでしょうか。

微妙に気になる生徒会長。せっかくのゲーセンデートと思いきや…?【その着せ替え人形は恋をする】


 文化祭本番では、ウィッグとメイクも加わったことで喜多川さんが完全に麗様に変わっていました。

 今までのコスプレでも、撮影の瞬間はキャラクターの表情を再現していましたが、今回は登場してからの仕草や立ち振る舞いまでキャラクターに成りきっていて、五条くんだけではなく喜多川さんもコスプレイヤーとしての殻を破った感じがあります。


 あのパフォーマンスを照れずに堂々とやるところとか、コスプレイヤーって突き詰めていくと舞台役者に求められるものと通じるところがあるのかもしれないなとも思いました。

 このあたり、あらゆる仕草を研究して再現していた天野との出会いがあったからこそで、パフォーマンスが他のクラスメートたちの盛り上げがあって成立しているのも、2期で描かれているエピソードとしての連続性がしっかり生きているのが良かったですね。

 あとは喜多川さんに迫られて完全にメロメロになっていた生徒会長がいい味を出しまくっていたのも個人的に印象的だったポイント。ものすごい堅物そうな見た目に反して、割とミーハーでチョロそうなギャップが垣間見えたり、どういうキャラクターだったのか妄想が勝手に広がります。


 その後の打ち上げでは、カラオケをこっそり抜け出して二人でほぼゲーセンデートみたいなことをやっていましたが、これで付き合っていないと言って信じる人はいるんでしょうか。

 そこに遠慮なく混ざっていける森田のノンデリっぷりは本当にすごい。

 あの行動が良かったかどうかはともかく、自分だったら「あっ……」と察して見なかったフリをしてその場を去るでしょうし、まず声はかけられないです(絶対に空気が気まずくなるので)。

 二人の初めてのツーショットプリクラを撮るはずが、男子たちが思い出の一枚を撮る流れになったのは笑いました。とはいえ、何より五条くん自身がこれ以上なく楽しそうでしたし、二人ならツーショットを撮るチャンスなんてこれからいくらでもあるでしょうから、とくに五条くんにとっては良かったんじゃないかと思います。今回のプリクラ、絶対大切に保管しそう。

 今更過去を思い出して赤面したり、五条くんからもらったぬいぐるみを抱きしめたり、最後に不憫に扱われたりと、時に格好良く、時に可愛いいろんな喜多川さんも見られて満足度の高い回でした。

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米澤崇史:ロボットアニメとRPG、ギャルゲーを愛するゲームライター。幼少期の勇者シリーズとSDガンダムとの出会いをきっかけに、ロボットアニメにのめり込む。今もっとも欲しいものは、プラモデルとフィギュアを飾るための専用のスペース。

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