電撃オンライン

『Exoborne』制作陣インタビュー。世界設定からマッチングシステムまで、新作オープンワールド脱出シューターの気になるところが丸わかり【TGS2025】

文:キック一郎

公開日時:

 2025年9月25~28日に開催される“東京ゲームショウ2025(以下、TGS2025)”。Level Infiniteブース(ホール2 S03)では、スウェーデンのゲームスタジオSharkmobが開発した新作オープンワールド脱出シューター『Exoborne(エグゾボーン)』の試遊版が出展されています。

 そんなTGS2025では、海外から来日したSharkmobの制作陣が会場を来訪しており、スタジオのCMCO兼共同創設者であるマーティン・ハルトバーグ氏にインタビューをする機会をいただけました。『Exoborne』の話を細かく聞けたので、本記事でお届けします。

[IMAGE]
▲マーティン・ハルトバーグ氏。

2036年のアメリカで“リボーン”たちが過酷な戦いに身を投じる。それが『Exoborne』の物語【TGS2025】

――まずは本作の概要と世界設定について教えてください。

ハルトバーグ氏
本作は、自然災害によって荒廃した2036年のアメリカにある架空の地域で脱出をかけて戦うオープンワールド脱出シューターです。プレイヤーは、神経系インプラントとして体内にも接続した外骨格の“Exo-Rig”をまとい、絶えず変化し続ける過酷な気候の中で、敵勢力や他プレイヤーと資源をめぐって争うことになります。

 その世界で“Exo-Rig”を装備した人々は、“リボーン(再誕者)”と呼ばれています。タイトルの“Exoborne”には、“Exo-Rig”に人間が“borne(運ぶ)”されるという意味を込めているため、直接的に意味が同じわけではありませんが、言葉遊びとして共通した音韻を使っている部分もあります。

[IMAGE]

参考映像:『Exoborne』開発陣トーク01

 ゲーム概要や、物語のアウトラインを確認できる映像です。日本語字幕をオンにしてご覧いただければ、より理解できるかと思います。

――リボーンは通常の人間とは異なる存在なのでしょうか?

ハルトバーグ氏
リボーンは元々、リバース社という企業によって“Exo-Rig”のインプラント手術を受けた後、リバース社に反旗をひるがえした人々の通称です。

 神経系と接続する手術なので危険度が高く、術後に生き残って非凡な力を発揮するリボーンたちは貴重な存在です。しかしリバース社は、人道に背くような企業なので、多くのリボーンたちが会社を抜けて独自の道に走りました。

 プレイヤーが操作する主人公は、荒廃したアメリカを安定させるために奔走しています。その一方で、ゲーム内で敵として登場する、CPUキャラクターのMOBのリボーンは、リバース社から抜けつつも、アメリカや世界のために動くのではなく、独自の目的を持って主人公と敵対しています。

 また、フィールド内でマッチングした他チームのプレイヤーすべてが敵となり得る本作では、攻撃してくるプレイヤーは、こういった設定の中で“裏切ったリボーン”として扱っています。

――なるほど。物語とゲーム内のプレイヤー選択に齟齬がないように世界設定が練られているわけですね。

ハルトバーグ氏
はい。さらに設定の中で核を成す自然災害もゲームシステムに直結しています。本作では、3人1チームの組み合わせで広大なマップに降り立ち、味方プレイヤーと協力しながらアイテムを集めて特定地点からの脱出を目指します。

 その際、フィールド上では本当にランダムな確率で自然災害や気候変動が発生します。竜巻、豪雨、霧など、災害や気候によってまったく異なるシステム上の効果があり、竜巻ならプレイヤーへのダメージ、雨なら足音が消えてプレイヤー間の索敵方法が変化し、霧ではスコープで遠距離狙撃をやりにくくなります。

 そのうえ複合的な災害も発生します。たとえば、山火事や噴火のような火が関係する災害や場所と竜巻が重なると火災旋風となり、通常の竜巻以上に被害が増加し、火炎耐性が高い装備でダメージを減らしやすくなります。

参考映像:『Exoborne』開発陣トーク02

 本作における気候要素について言及している開発陣トーク映像です。

――今回インタビューにあたってLevel Infiniteブース(ホール2 S03)で本作を試遊しましたが、遠くから竜巻を発見したくらいで、あまり気候の変化に接する機会がないように感じました。

ハルトバーグ氏
本作の災害や気候変動は、ランダム性を非常に高く設定しています。たとえば、ワンマッチ中にずっと災害に出くわし続けるセッションがあれば、一切出くわさないセッションも起きるように調整してあるので、プレイをくり返せば、さまざまな気候のシチュエーションを体験いただけると思います。

ガチガチ過ぎない脱出シューター【Exoborne】

――各セッションのシステムについてもお聞かせください。

ハルトバーグ氏
プレイヤーは自由に装備を組み、バッグ、アイテム、アーマーなどを持ち込めますが、死んだときにはロストします。ただ、“Exo-Rig”は、キャラクターのロールと直結しているため、失われることはありません。

[IMAGE]

――特定のフレンドとプレイすることはできますか?

ハルトバーグ氏
はい、フレンドをパーティに招待してプレイできます。また、ソロでプレイして他2人のプレイヤーとチームを組むこともできます。

――基本的なシステムは、一般的な脱出シューター作品と共通しているわけですね。

ハルトバーグ氏
はい。所属勢力のようなものもないので、2人の味方プレイヤー以外はすべてが敵になりえるというスリリングなセッションを楽しむことができます。

――そうなると負けてロストをくり返して持ち物がなくなってしまったとき、どう立て直せばいいか悩むプレイヤーも多いかもしれません。他の脱出シューター作品では、救済措置として、手持ちの装備と関係なくアイテム収集に向かえる出撃方法があったりしますが、本作ではいかがでしょうか。

ハルトバーグ氏
本作では、出撃方法は1種類のみで、負けたときにリスクがない出撃方法はありません。敗北時には1セッションの参加で消費する1,000クレジットの損失と装備品のロストが発生しますが、出撃方法の中のひとつとして所持品を持たずに参加することもできます。

 また、フィールドが広大でミッションやMOBの発生地点が多く設けられているため、敵プレイヤーを避けて弱いMOBと戦い、ローリスクローリターンの立ち回りを選ぶことも可能です。

 基本的にMOB戦のウェイトが大きく、複数のセッションで上級者に連続で倒され続けるようなことは起きにくいうえに、負けが続いてもリカバリーしやすい設計となっています。

――それを聞いて安心しました。ちなみにこのジャンルでおなじみのロストしない少量のバッグ枠は本作に登場しますか?

ハルトバーグ氏
はい、実装します。初期が2マス、ストーリーの進行に応じて4マスまで増やせます。

――ということは課金せずとも枠が増やせるということですか?

ハルトバーグ氏
そうですね。現状はこの枠に課金が絡む予定はありません。

――それは嬉しいですね。ちなみに、バトルパスのようなものはあるのでしょうか?

ハルトバーグ氏
ええ。現状はバトルパスを実装するかどうか検討中となります。詳細などは決まったら今後発表する見込みです。

――マップの数はどれくらいありますか?

ハルトバーグ氏
3つのマップを開発しています。ひとつは自然地形も楽しめる非常に広大なマップ、ふたつ目は面積が減って建造物の密度が増した市街地マップ、3つ目はアリーナのような戦闘特化のマップです。

――マッチングについてはいかがでしょうか?

ハルトバーグ氏
ひとつのマップがマッチングルームとして生成された際、そこに多くのプレイヤーがランダムで割り当てられる仕組みを取っています。開始人数がそろい、マップが生成されてから始まる形式ではないので、ほとんどマッチングの待ち時間なくプレイできます。

――各マップの最大プレイヤー人数はどれくらいですか?

ハルトバーグ氏
本作では、マップ上のプレイヤー数がわからない臨場感やリアルさもゲーム性として捉えていますので、最大人数は公表しない予定です。

――本作では長期間プレイテストが行われていますが、ユーザーの意見を受けて変えた部分はありますか?

ハルトバーグ氏
プレイテストに応じて、UIUX、バランス調整、バグ修正、ナラティブの追加、“Exo-Rig”のシステム調整など、おもに5種類の調整を続けてきましたが、どれもユーザーの意見によって大きく変化しました。

 まずUI面で大きな調整点としては、ロードアウト、バッグ、スタッシュの3つが同時に表示されていなかったので、そこを表示できるようにしました。“Exo-Rig”は進化方法を見直して、よりユーザーが自分の“Exo-Rig”に愛着を持ってもらえるように調整しています。

――ナラティブの追加とは何を指していますか?

ハルトバーグ氏
ユーザーからの声として、ゲーム内のことを教えてくれるナビゲーターがほしいという意見が多かったので、新たにハンドラーというキャラクターを作成して追加しました。

――最後に読者へのメッセージをお願いします。

ハルトバーグ氏
現在も絶賛プレイテスト中なので、ぜひご参加いただけるとうれしいです。皆さまのご意見とご感想をお待ちしております。

[IMAGE]
▲本作についていろいろと話してくれたマーティン・ハルトバーグ氏。最後はキービジュアルとおそろいで1枚。

本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります