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『キングダム』第6期11話感想。飛信隊が前線に到着。“必殺の別働隊”として大活躍と思いきや…まさかの展開が衝撃的!

文:タダツグ

公開日時:

 TVアニメ『キングダム』第6シリーズ11話“必殺の別働隊”の感想をお届けします。

【注意】キービジュアルより先のテキストでは、『キングダム』第6シリーズ11話の物語に関する記述が多々あります。そのため本編をご覧になってから読むことをオススメします。[IMAGE]

サブタイトルに秘められた罠……こんなの誰もが騙される【キングダム】

 右翼も左翼も激戦が続く朱海平原の戦い。混迷する戦局を打破するため、秦軍の総大将・王翦(おうせん)が指示を出したのは我らが飛信隊でした。作戦内容は「別働隊として左翼へ赴き、一気に趙の将軍・紀彗(きすい)を撃破せよ」というもの。なるほど、今回のサブタイトルは“必殺の別働隊”ということだし、これは主人公の信がいよいよ大活躍ってことですな!

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▲TVアニメ『キングダム』公式サイトより。

 そう思っていました。とても素直にそう思っていたのですが……これ、狙いすましたミスリードでしたね。

 王翦の策を実行し、麻鉱(まこう)の軍勢、そして蒙恬(もうてん)の楽華隊とも連携して紀彗を討ち取る寸前まで追い詰めた信。こりゃいきなりの大金星だなと僕がTVの前でほくそ笑んでいたところに、趙軍側にもまさかの別働隊が登場し、形成は一気に趙軍優勢へと逆転してしまいました。

 う、うそだろ? もちろん秦軍を応援していたこちらとしては、背中に冷や水をぶっかけられた気分!

 しかも趙軍の別働隊の指揮を執るのは、あちらの総大将である李牧(りぼく)本人。マジで衝撃的な展開過ぎて、ワケが分からないよ! 麻鉱将軍が武器を手にする暇もなく、あっさり李牧自らに討たれるこの数分間は、本気で理解が追い付かない局面でした。

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▲TVアニメ『キングダム』公式サイトより。

 鮮やかな奇襲の手口にも驚きましたけど。少し冷静になってこの文章を書いている今となっては、胸のなかに“戦闘中に矛を部下に預けて油断していた麻鉱将軍も悪いよな”って思いがふつふつと……ね(苦笑)。戦場の最前線で油断していたのなら、そりゃ討たれても文句は言えないでしょう。少なくとも、信が王騎将軍の矛を誰かに渡して戦場に立つ姿とか想像もできないですから。

 “王翦軍で最強の攻撃力を誇る”と、常在戦場の気概で出陣しておきながら、大きな失態を犯した麻鉱将軍。このまま負けたら敗因は麻鉱にありってなりそうで残念な退場でした。もっと頑張ってほしかっただけにね……。

 逆にいえば、電光石火の奇襲を仕掛けてきた李牧の策が、それだけあっぱれってことなのかもしれません。地の利は趙軍にあり、馬の俊敏さも秦軍より優れているわけですから。信たちには見つけられない抜け道を使ってきた可能性もありますし、あらためて怖い男ですね李牧ってやつは。

 さておき、左翼の指揮官を失ったことで一気に瓦解していく秦軍。将が討たれた瞬間に形成逆転というのは『キングダム』のお約束というか、むしろ今まで信と飛信隊が成してきたことなわけですが。今回はこれを相手側の李牧にやられた形であり、なかなか胸に刺さるものがあります。ここから巻き返せるのか? ホントかなり衝撃的なAパートでした。

左翼の巻き返しは成るのか? 鍵を握るのは蒙恬の策【キングダム】

 麻鉱の死で動揺する秦軍を尻目に、急いで中央の本陣へと帰っていく李牧。個人的にはこの判断がちょっと早計な気もしたんですが、皆さんにはどう映りましたかね。総大将が本陣を空っぽにしすぎると、気づいた王翦に出し抜かれる可能性があるので、迅速に撤退せざるをえない事情はあるんでしょうけど……。

 それにしたって、左翼にはまだ信も蒙恬も健在ですから。すでに左翼の戦いは決したと李牧が確信しているのなら、これが綻びになりそうな気がしています。

 というか、そうなってほしいわけですよ! 僕が信や蒙恬に肩入れしているからこその願望かもしれませんが(苦笑)。なんとかひと泡吹かせてほしい。じゃないとあっという間にやられた麻鉱将軍の立つ瀬がないし。

 実際のところ、これは負け惜しみではなく本当に李牧も焦ってるのかもなって思う側面はあるんですよ。なんといっても李牧、王翦たちがここまで攻め入ってくることすら予想できていなかったわけですから、策に詰めの甘さが残っていて不思議じゃないんですよね。

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▲TVアニメ『キングダム』公式サイトより。

 たとえば今回の別働隊というカードの切り方。李牧本人が「別働隊による奇襲は、私がこのような策を執ることを知らない相手には通用する(=2度目はない)」と明言している必殺の策なのに、左翼の麻鉱に使うのはちょっともったいなかった気もします。なんなら本陣の王翦に仕掛けられていたほうが怖かったですからね。

 秦軍は兵糧に不安があるわけで、電撃戦よりも耐久戦のほうが脅威になるのも間違いないところ。それなのに初日から切り札を繰り出すのは早計というか、ここらへんのチグハグさに李牧の焦りが透けて見える気がします。つけ入るスキはちゃんとありそうなんですよね。

 まあすべては“ここから左翼が巻き返せるか否か”にかかっているともいえそうですが(汗)。

 そんななかで頼もしさを覚えたのが、絶望の状況下で「まだ左翼は立て直せる」と断言した蒙恬の言葉でした。あの王翦すら一目を置いている蒙恬だけに、ただの空元気や強がりには思えない説得力を感じるんですよね。でも、いったいどんな策が……? 

 と、めっちゃ気になるところでこの11話は終了。これだけ盛り上げておいて「続きは次回!」って、ヒキとして完璧すぎですよ! 李牧こそ去ったとはいえ、まだ紀彗や馬呈(ばてい)といった猛者は残っていますし、簡単にはひっくり返せないとわかってはいますが……ガチでどうなることやら。

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▲TVアニメ『キングダム』公式サイトより。

 これは待つのは長い一週間になりそうだと少しヤキモキしつつ。なんとか蒙恬、そして信に踏ん張ってほしい気持ちでいっぱいです。それでは今回はこのへんで!

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