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ジェムマッチローグライト『ANTHEM#9』レビュー。シンプルながら奥深すぎて無限に時間が溶ける。色合わせのパズルで敵を攻撃しているだけで気持ちいい!【電撃インディー#1258】

文:米澤崇史

公開日時:

 電撃オンラインが注目するインディーゲームを紹介する電撃インディー。今回は、2026年2月5日にリリースされたジェムマッチローグライト『ANTHEM#9』のレビューをお届けします。

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 なお、電撃オンラインは、尖っていてオリジナリティがあったり、作り手が作りたいゲームを形にしていたりと、インディースピリットを感じるゲームをインディーゲームと呼び、愛を持ってプッシュしていきます!

ジェムの色を合わせてスキルを発動。怒涛のコンボが気持ちよすぎる【ANTHEM#9】


 本作は、いわゆる『Slay the Spire』に代表される、“デッキ構築型のローグライト”の流れを汲んだゲームです。

 各ミッション内には複数のルートが用意されていて、敵を倒したりイベントを発生させたりしながら、最奥にいるボスを倒すとミッションクリアになります。

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 “デッキ構築型ローグライト”と聞くと、流行っているのは知ってるけどストイックでコアなユーザー向け……と思われるかもしれませんが、本作はその中でもかなりとっつきやすく、めちゃくちゃ爽快感があります。

 そのポイントとなるのが、ジェムマッチという本作独自の要素。シンプルながらこのルールの完成度が非常に高いです。

 本作で敵に攻撃をするには、ターン開始時に配られるジェムを消費してスキルを発動させます。

 このスキルを発動するのに必要なのが、スキルごとに必要な色のジェムを指定の順番通りに並べることです。

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 例えば出したいスキル1の消費ジェムが“青・赤”、スキル2の消費ジェムが“緑・青”なら、“青赤緑青”の順番でジェムを使えば、スキル1と2が発動します。

 スキルが成立するときは、スキル下に表示される次に必要なジェムが点灯し、何を置けば成立するかのガイドを出してくれます。またそのターンに発動できるのは、現在のスキルデッキに編成されている3種のみなので、「このスキルはこの色の組み合わせで発動して…」といちいち覚えておく必要はありません。個人的に麻雀とかポーカーとか、たくさんある役を覚えるのが苦手なタイプなので、ガイドの存在はめちゃくちゃありがたかったです。

 またこのとき、同じ色のジェムはスキル間で共有することも可能で、例えば上記の“青赤緑青”の例であれば、順番を入れ替えて“緑青赤”とジェムを並べると、スキル2と1が両方発動し、先程の例よりも青のジェムを一個節約できます。

 これを複数行うことで、1ターンの間にものすごい数のコンボを繰り出すことができます。スキルには、HPとST(スタミナに相当)のそれぞれへのダメージ値が設定されていて、敵のSTを削るごとに敵の行動をキャンセルできるので、うまくコンボが決まったターンは一方的な攻撃ができます。

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 スキル名が一斉に表示され、敵に叩き込まれる演出も合わさって本当に気持ちよくて、この瞬間は脳汁が出まくります……!

 キャラクター自身にはほぼアニメーションさせずにこれだけ気持ちいい演出が実現しているのって本当にすごくて、一つの新しい発明なんじゃないかと感じたほどでした。

スキルデッキを編集したり、ブレスの編成に悩んだり……やればやるほど感じる奥深さ【ANTHEM#9】


 スキルデッキは、ミッション中に別のスキルに差し替えたり消費ジェムの色を変えたりといった編集が可能です。

 例えばスキルデッキを“青赤赤”のスキル1、“青赤”のスキル2、“赤赤”のスキル3に設定していたとすると、“青赤赤”を並べるだけで3種のスキルが全部発動するのでかなり効率が良いです。

 ただ、そのターン内に配られるジェムの色はランダムなので、上記の場合ならジェムが緑に偏ってしまったときにほとんどスキルが使えなくなってしまうんですね。

 3つとも極力ジェムは被らせたいんですが、どの色のジェムが配られてもある程度コンボが成立するようにバランスも考える必要があります。これがなかなか難しいです。

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 ステージを進めていくと、新しいスキルを習得できるようになるんですが、どれだけスキル自体が強くてもジェムがうまく組み合わないとかえって弱くなってしまうこともあり、この判断でかなり頭を悩ませることになります。

 なお、本作では事前にスキルデッキの編成はできないので、ミッションごとに毎回組み直すことになります。なので毎回アドリブでジェムの組み合わせのバランスを考える必要があり、ルール自体はシンプルなんですがかなり奥が深いです。

 ある程度「こう編成すればいい」というパターンがわかってきても、ランダムでそれを引き当てないと意味がなかったり、計算通りにいかない歯がゆさみたいなのも面白さになっています。

 ……と、なんだかちょっと難しそうに感じてきた方もいるかもしれませんが、本作ではイージーモードがあるので初心者でも安心。

 本作では通常2つのスキルデッキを交互に入れ替えながら戦うのですが、イージーモードでは敵の強さだけではなく使用デッキが一つになるのでかなり思考をシンプルにしてゲームを進められます(デッキの数が減ると、本当に一気に楽になります)。

 ジェムマッチの制限時間も伸びるので、まずはイージーモードで慣らしからノーマル、ハードと挑戦していくのが個人的にオススメです。

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 また、ジェムと並んで重要なのが、“ブレス”というボーナス効果です。

 ジェムと一緒に毎ターン選出され、3種類の中から1つ選択し、その効果を得られる仕組みで、ステージを進めると新しいブレスを獲得できます。このあたりはカードデッキに近い仕組みで、どんどんブレスの総数が増えていきます。

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 注意するべきなのは、各ブレスの効果は同じバトル中に1回までしか使用できないこと。

 所持しているブレスをすべて使い切ってしまうとバトルが終わるまで選択できないので、序盤から調子に乗って使いまくるとそのバトルの終盤が地獄になったりします。ブレスは使わずに温存することも可能なので、そのターンの敵の行動を見て、ブレスを使う必要があるのかという判断も生まれてきます。

 最奥にいるボスに勝つには、このブレスの構成がかなり重要です。スキルデッキと噛み合うブレス効果を選択できていれば、劇的に与えるダメージが変わってきます。

プレイ感も戦術もガラリと変わる3人の主人公【ANTHEM#9】


 本作には、3人の主人公が存在していて、APを消費して使える固有の能力をもっています。

 主人公の一人であるルービットなら、“ジェムトレード”というジェムの色を変換する能力をもっていて、所持するAPの数が許すまで使えます。

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 またこのルービット、最初に公開された主人公ながら、毒によるダメージを得意とする性能なのが面白いところ。状態異常特化というと一見難しそうに聞こえますが、毒に特化したスキルデッキやブレスを選んでおくと、尋常ではない毒ダメージを入れられます。見た目のコンボ数以上に高いダメージが出せるのが楽しいです。

 そして何よりも固有能力のジェムトレードが使いやすい。ジェムの融通が効くので長いコンボも決めやすく、本作の最大の特徴でもある“色合わせ”の気持ちよさを体験しやすいので、まずはルービットのミッションを一通りプレイするのが個人的にはオススメです。

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 唯一の男性主人公であるファニーは、“ダブルジェム”という連結したジェムが配られ、APを使って“ジェムブレイク”を行うとダブルジェムを2つのジェムに分割し、“虹色の弾丸”というバフ効果を得られます。

 ただ、ダブルジェムが来るかどうかは運次第で、引きによってはそもそもAPの使い道がないこともあったり、ギャンブラーというキャラクター設定もあってか、3人の中でもっともランダム性が強めな印象を受けました。

 ダブルジェムの出現率や獲得ジェム数に関わる“運”や“集中”という独自のパラメータも持っていて、ブレスでパラメータを上げることで、ダブルジェムを発生させやすくすることもできます。

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 ベニはジェムを消費して攻撃力アップやシールド、回復効果を獲得できる“ジェムチャージ”という特性をもつ、一風変わったキャラです。

 ジェムを消費するので他の二人のような長いコンボは入れにくいのですが、バフを重ねて高威力の一撃を放ったり、シールドと回復効果で長期戦を挑んだりと、できることの幅が広いのが特徴です。どのバフが使えるかは、チャージスロットに何がくるかで変わるので多少のランダム性はありますが、比較的狙った行動が取りやすく、RPGのコマンドバトルっぽさを感じつつ遊べました。

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 なお、各主人公の違いはAPを使った固有のアクションだけではなく、ブレスの内容やミッション(ステージ)の内容もすべて違うので、プレイ感から戦略性まで本当にガラッと変わります。

 1キャラである程度攻略が確立されてきても、また新しい攻略法を探っていかないといけないので、何回も新鮮な感覚でプレイできます。

 ノーマル以上だと難易度が上がってくるので、最終ボスに負けてしまうこともたまにあるのですが、負けたとしても楽しかったと感じながらプレイできました。

 というのも、本作には「最奥のボスを倒す」という最終目的だけじゃなく、各バトルごとに“効率よくジェムをあわせるパズルを解く”(結果、コンボで大ダメージが与えられる)という小さい目標が達成されるので、その時点でも結構満足を得られるんですよね。

 コンボのところでも触れましたが、オシャレかつテンポが気持ちいい演出の小気味良さもあわさって、“敵を攻撃してるだけでも楽しい”という珍しい体験ができたゲームでした。

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 なお、本作の発売を記念して、2月11日~28日にかけて、最大コンボダメージを競う“コンボダメージチャレンジ”が開催されます。

 最も高いダメージを出した上位1~3位の方に、『ANTHEM#9』のデザインを施したトロフィーがプレゼントされるとのこと。参加には
集英社ゲームズ公式Xアカウントのフォローが必要となります。応募レギュレーションについての詳細は、集英社ゲームズの公式Xアカウントをご確認ください。

 電撃オンラインでは、本作の開発者であるkoeda氏と、パブリッシングを担当した集英社ゲームズの森田航プロデューサーへのインタビューも掲載中です。こちらもあわせてご一読ください。

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製品概要


■ タイトル 『ANTHEM#9』
■ 対応機種 Steam
■ 発売日 2026年2月5日(木)
■ ジャンル ジェムマッチローグライト
■ プレイ⼈数 1⼈
■ 対応言語 日本語/英語/韓国語/中国語(繁体字・簡体字)
■ 発売 集英社ゲームズ
■ 開発 koeda

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