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『Fate/strange Fake』7話感想。フィリアから感じるあの女神の面影。変わらぬアルケイデスのイアソンへの激重感情が良すぎた(ネタバレあり)

文:米澤崇史

公開日時:

 放送中のアニメ『Fate/strange Fake』第7話“神は黄昏より舞い戻り”の感想記事をお届けします。

【注意】キービジュアルより先のテキストでは、『Fate/strange Fake』7話の物語に関する記述が多々あります。そのため本編をご覧になってから読むことをオススメします。[IMAGE]

ボルザークってもしかして……?【Fate/strange Fake】


 6話ではセイバーとアヤカの関係が大きく進展し、ようやく聖杯戦争コンビらしい雰囲気が出てきました。

 そこからの7話でしたが、再び時系列が戻っての別視点に。6話のアヤカたちの話も、シグマの視点で進んでいたのを一度戻して……という流れだったんですよね。ここまで一つ一つの陣営を丁寧に掘り下げていくのって、さすが成田良悟作品だな……と改めて思わされます。

 今回の主役とも言えるのが、真のバーサーカーのマスターであるハルリ・ボルザーク。自分自身が魔術師でありながら、家族を奪った魔術社会への復讐のために聖杯戦争に参加した……という背景は今回の中でも見えてきました。


 面白いのは、こういう復讐のために参加する場合、手段を選ばないようになりがちですが、ハルリに関しては人間としての善良さのような面を失っていないように見えるところ。

 バズディロットを相手にしているとき、相手が明らかに自分を殺そうとしているにも関わらず、バーサーカーに対して最後までバズディロットを殺せとは命令しなかったんですよね(その直前に言われたことを気にしていたのかもしれませんが)。

 家族を殺した仇の魔術師ではなく、工房のような魔術師が作り上げたものや仕組みの方に憎悪を向けているというのは、なかなか見ないタイプです。聖杯戦争に参加したとはいえ、今のところはかなり善人寄りに見えますが、こういうキャラって、ちょっとしたきっかけで一気にダークサイドに転げ落ちちゃったりもするのが恐ろしいところ。

 またボルザークという名前、何か聞き覚えがあるかも……と思っていたら、『Zero』に登場して、ナタリアを切嗣が殺さざるを得なくする事態を引き起こしたオッド・ボルザークの家系らしいんですよね(言われてみると、両親が殺されたシーンに蜂のような使い魔が飛んでいます)。

 ハルリ自身はやはり善人寄りの存在なのかと思いながらも、あの一族なら排除されるのも仕方ないかも……と思ってしまうところがあります。

 そしてそのハルリの命を救った恩人として登場したのがフィリア。

 アヤカの回想でも登場していた、アインツベルンのホムンクルスと思わしき人物でしたが……あくまでもホムンクルスは器で、どうやら何らかの存在が憑依して、完全に身体を乗っ取った状態にあるようです。神の器になるために用意されていたかのような話がでたとき「それはそうだよね……」と苦い顔になったのは自分だけではないハズ。

 しかし今回の問題はその中身。一応7話では“女神”であることは明かされつつも、その正体は伏せられたままではあったんですが……『FGO』プレイヤーとしては、あの傲慢不遜な態度に赤い瞳には、一人めちゃくちゃ思い当たる存在がいます。


 とくに途中から赤いドレスのような衣装を纏ってからは、なんか見えるんですよね。遠坂……“あかいあくま”の影が……(演じているのは牧野由依さんですが、どことなくイントネーションとかの喋りも似ているように感じます)。

 本人によるとサーヴァントではないらしいですが、アルケイデスの矢を無効化していたり、『FGO』でもお馴染みの魔猪を難なく蹴散らしていたり、戦闘力はかなり高そう。

 なぜハルリを助けたのかは不明なままですが、思考が魔術師になったら生かす価値がない、と言っていたあたり、魔術師や魔術への敵愾心のようなものを持っているのでしょうか。人間のことは好きだと言っていましたが、こと魔術師においては例外で、魔術師でありながら魔術を憎むハルリの矛盾を、人間らしい点として評価しているのかな……というのが今のところの自分の推測です。

 アインツベルンの意向が反映されているのかどうかもまだ明かされておらず、元々乗っ取らせるために用意していたホムンクルスなのか、それとも後から自称・女神がアインツベルンの計画に乗っかったのかも気になるところです。

クラスが変わってもイアソンへの激重感情は変わっていなかった【Fate/strange Fake】


 今回個人的に一番テンションが上がったのが、アルケイデスとバズディロットのやり取りでした。

 5話の感想でも、ヘラクレスが泥に呑まれて変質してしまう際、イアソンの台詞が脳裏に響いたのが最高だったんですが、今回はアベンジャーになったあとでも、イアソンへの激重感情はそのままであることが判明した形に。

 バズディロットのイアソン評を概ね正しいと認めつつも、アルゴー号に乗ってない人間がそれを口にするのは許さないと、明確な怒りを見せています。アルケイデスが復讐を誓っているのは神に対してなので、どこまでも人間らしい存在であるイアソンへの感情が変わっていないのは納得。


 ただきっとアルケイデスだけじゃなく、イアソンの悪口を言われたらアルゴー号に乗っていたメンバーは全員似たような反応をするんじゃないかなと、『FGO』第2部5章をクリアしてからは個人的には思っています。どう考えても人間的にはアレなのに、何故か好きになってしまうのがイアソンの魅力なんですよね……!

 地雷の話題を踏んでしまったときのバズディロットの対応も良くて、アルケイデスを無理矢理抑えつけようとするのではなく、その怒りが正当なものだとすぐに認めて、「二度と言及しない」と誓うのは、マスターとサーヴァントという関係を維持する上で完璧な対応だったのではないかなと。意外と処世術が高いのかもしれません。

 また、今回はシグマの立ち回りも印象的でした。

 一応はファルデウスの命令に従って動いているものの、雇い主についての情報は明かせないと正直に伝えたり、ファルデウスから疑念を持たれる前からファルデウスの駒として動くことには躊躇いを持っていたように感じます。


 今までシグマは聖杯に何を願うかの答えを出せていませんでしたが、今回絞り出したのが“安眠と安定した食事”というささやかなものだったのが泣けました。

 確かにシグマが見た目通りの年齢であれば、平穏な将来を願うのも分かりますが、フランチェスカによるとシグマの身体はボロボロでもう長くないことが示唆されています。さすがにシグマ自身が自分の身体の状態を理解していないとは思えないので、今よりも長く生きたい、という意思を抱けないようになっているのかなと感じました。

 一方で、ファルデウスに切り捨てられそうになったことを察してすぐに方針を切り替える、ちゃんと自分を守るための行動も取れているのが面白いところ。

 自分の死の運命は受け入れつつも、今すぐ黙って殺されるつもりはない……みたいな感覚なのかと解釈していました。

 「信用しなくていい、利用してくれ」というシグマに対し、リチャードが「信用する」と返すのも良かった。

 このシーンでシグマの握手に応じる前に、リチャードが「なるほど。分かった」と発言しているんですが、これってシグマの言葉に反したわけではなく、シグマという人間が、信用に足る存在だと「分かった」という意味だと思うんですよね。

 その前にファルデウスのことを安易に売らず「話せない」とだけ明かしていたのも、リチャードの信用を得られた要因になっていたのかもしれません。

 フランソワがどんな話をつけて戦いを納めたのかとか、ハルリが召喚したバーサーカーは結局どんな存在なのかとか、椿の元に現れたジェスターは何をしようとしているのかとか、新しい謎も複数出てきており、次回も気になります。

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