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『この世界は不完全すぎる』第5話感想。冒頭の切ないシーンからの落差がデカすぎる…! ログアウト不可のバグがなくてもレーティング審査が通らずに発売できない説(ネタバレあり)

文:米澤崇史

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 TVアニメ『この世界は不完全すぎる』第5話“潜入”の感想記事をお届けします。

【注意】キービジュアルより先のテキストでは、『この世界は不完全すぎる』第5話の物語に関する記述が多々あります。そのため本編をご覧になってから読むことをオススメします。 [IMAGE]

天然ボケ×2のパーティにツッコミ役が加入して思わず感動


 ハガたちが出会ったNPCの少女・ルゥが命を落としてしまう衝撃ラストが待ち構えていた第4話。第5話は、ルゥの墓前でペンダントを受け取ったアマノが、最後の別れを告げるめちゃくちゃ切ないシーンからスタートしました。


 一方、直後の草むらに隠れて進もうとするハガとニコラの行動のおかしさをアマノが指摘するシーンでは、「ついにツッコミ役が入ってくれた」と謎の感動が。ハガとニコラがどっちもちょっと天然ボケが入っているので、ツッコミ役ができるアマノが加入してくれたのはいろんな意味でパーティバランスが良くなった気がします。

 ニコラとテスラがアマノから「何ができるんだ」と詰められるシーンもありましたが、ニコラはともかくテスラは現状、デバッグストーンを食べたことくらいしかやってないんですよね。

 何ができるかと聞かれて逃げるようにニコラと交代したあたり、本当に何もできないのか、できるけど何らかの事情があって話せないのか、どちらにしてもしばらくテスラは当てにならなさそうな雰囲気でした。


 グリッチを利用して城の中に潜入したあとのシーンでは、事前にこの展開を想定していたハガとアマノの冷静さに対して、一人泣き叫んでいるニコラがかわいかった。ハガとアマノは、城の牢屋に入れられる展開もゲームでよくあるイベントと捉えていると思いますが、ニコラにとっては捕まって牢屋に入れられるなんて前代未聞の大事件なんですよね。

 酒井たちとハガたちがメインクエストと通常ワールドで別々の空間にいて、同じ座標にいても遭遇しないという演出も印象的でした。このあたりは"MMORPGあるある”ネタで、とくにダンジョンなどでは各パーティごとに専用のマップが作成されることも多いので、すんなりと理解できた人も多いのでは。

 ただ、問題はそのダンジョンに入った後。まさか4話で結構なエグい描写を黒塗りなしで表現した本作が、その次の回でモザイクまみれになることを誰が想像できたでしょうか。冒頭が4話の切ない雰囲気で始まっていただけに、後半のギャグ要素強めの展開はなかなかに温度差があってすごい。

 もう海外の国内のレーティングの違いとかそんなレベルの問題ではない気がしますが、ここで書くのは躊躇われそうな何かを楽しそうに振り回しているニコラを見ていると、微笑ましいやら男として申し訳ないやら複雑な気持ちになってきますね……。


 ハガが、こんなものが存在していたら発売できないんじゃないかと気にする一幕もありましたが、この状態になっても発売を気にしているのはデバッガーとしてのプロ意識が相変わらず高すぎますが、そもそもログアウト不可にならなくてもレーティング審査で弾かれて発売できなかった説も出てきました。

 実際のところ、本作の現実世界では、デバッガーがログアウト不可になっているこの事件はどういう扱いになっているのか結構気になるところで、まだまだ分かっていないことが多いなと再認識したエピソードでもありました。



米澤崇史:ロボットアニメとRPG、ギャルゲーを愛するゲームライター。幼少期の勇者シリーズとSDガンダムとの出会いをきっかけに、ロボットアニメにのめり込む。今もっとも欲しいものは、プラモデルとフィギュアを飾るための専用のスペース。

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