電撃オンライン

【犬山たまき対談バトル】佃煮のりおさんが涙とともに湊あくあさんに贈った金言。後悔、敬意、そして愛情にあふれる「卒業おめでとう」

文:電撃オンライン

公開日時:

 漫画家・佃煮のりおさんがプロデュースするバーチャルYouTuber事務所“のりプロ”所属の犬山たまきさん。自身のチャンネルで“犬山たまき対談バトル”という企画を継続されており、8月21日夜は卒業を控えるホロライブ2期生の湊あくあさんを招待しての“最後の対談”が行われました。
[IMAGE]
 「あくあとはデビュー当時からのお付き合い」と犬山さんが言うように、あくあさんは2018年に行われた「僕(犬山さん)の初配信にコメントしてくれた唯一のVTuber」。

 あくあさんは元々漫画家としての佃煮のりおさんの大ファン。デビュー配信に駆け付けたのも「のりお先生がVTuberになると聞いたから」。代表作『ひめゴト』のキャラクターのイラストを待ち受けにしていたほどで、そのことを告げられた犬山さん(のりお先生?)は、「リップサービスだろう」と思ったそうですが、証拠写真を見せられて「マジでビビった」そうです。

 「のりお先生がニコニコ生放送かなんかやってて、観たら『女の人?』みたいな。『えっ』みたいになって、顔見たら『めっちゃ綺麗な人やん』ってなって、そっからのりお先生が好きです」(あくあさん)

 この話を聞くと、「のりお先生の顔が好きじゃなかったら、ファンになってくれてなさそう」(犬山さん)という疑問も少し湧きますが、とにかく二人はそれからずっと仲良し。

 当時はホロライブも夜明け前の時期。犬山さんも「ホロライブの2期生の湊あくあさん、だれ? みたいな。すごく見た目が可愛らしくて、声も萌え声、歌が上手。……だれ?」という感じだったそうですが、結果として急速に大きくなっていくホロライブを外から見守るような立ち位置になっていきました。
▲2020年当時の対談を観ると、そうした空気感が窺えます

 犬山さんは、あくあさんの卒業が発表されると、「1時間以内に」(犬山さん)コラボ依頼の連絡を入れたそうです。

 「外部の僕がしゃしゃって来て、あくあの最後の貴重な時間を取るのはと、もちろん考えたんですけど」と前置きしつつも、特別な思い入れがあるだけに、その迷いも振り切っての誘いだったようです。「それでもさすがに今回は断られるかなと思っていた」と言いますが、実際はすぐに「やろー」という快諾の返事が来たそうです。

 いつもコラボの準備をしっかりとされる犬山さんなので、「あくあとのディスコードのやりとりを最初からさかのぼった」上で、当時に思いを馳せたそうです。

 「あくあ、マジ良いヤツ。『たまきちゃん、登録者2万人おめでとうございます』。『5万人いってすごいですね!』とか毎回送ってきていて、『ファンの方だな』と」(犬山さん)

 一方、6年前は「僕らは若かった」とあらためて感じたそうで、「昔の僕たちのチャットのノリ、痛かったよ、ちゃんと。僕たちの使っている語彙が痛かった。ベッドで転がってたよ、朝方に」と笑って振り返ります。

 「あくあも尖ったナイフ時代があったように、のりお先生も僕も若かったんだ」

 一方、あくあさんは当時を振り返り、こう言います。

 「ずっと『あくあは凄いぞ』みたいに、昔から今も言ってくれるイメージがあって、すごく変わらない。嬉しい。『あくあ凄い』ってずっと」

 これを受けて犬山さんは「プロ意識高くて賢くて。みんなからすると、ボケててダメなやつみたいな感じかもしれないけど、あくあは強いよ。強い女性って感じがする。芯があるしね」との評を返していました。

 その後はあくあさんの代表曲『あくあ色パレット』の制作秘話や、“星川サラ号泣事件”といったエピソード、あくあさんがゲームのトレーニングに凄まじい情熱で励む様子に驚いたことなどを明かしつつ、2022年に行われたライブに、あくあさんを招待したときの話も振り返りました。
 「3Dで2人でも3人でも立てて良かった」と率直に振り返ります。ここで言う“3人”とは、共通の友人である神楽めあさんのこと。大切な思い出になったようです。
[IMAGE]

 その後は“のりお先生”にバトンタッチ。あくあさんが休止していた時期に「あくあが元気ないから」(のりお先生)と朝まで連れ回した話も披露。「大学生ノリみたいなのやったことなくて、うれしかった。ドキドキした」(あくあさん)という思い出端に花が咲きます。

 神楽めあさんと“ホロスターズ”の夕刻ロベルさんによるユニット“ロベルないとめあ”の企画を考えようぜとなったとき、目を輝かせて企画を出してくるあくあさんを観て、「ショボショボしてて大丈夫か?と思ったけど、この子やっぱ配信が好きなんだな」と安心したそうです。

 そして、たまき先生からあくあさんへ「ファンアート」として、プレゼントが贈られます。
 泣きながら書いたという“あくあ色”の背景に彩られたファンアートを受け取ったあくあさんは本当に嬉しそうに、こう語ります。

 「ホントにのりお先生のイラストずっと好きで、中学生くらいから。マジでうれしい。地元のただ1人の友達に自慢しないといけない。佃煮のりお先生に書いてもらったヤバいって言わないといけない」

 そう語ったあくあさんは、こんな話をしました。

 「人間がこわくて。ホントにこわくて。でも、仲間みたいな、のりお先生みたいな個人勢の人(当時)や、外部の所属の人とも関わって、人の温かさに触れて。本当に人間不信から入って……。温かくなって、弱くなってしまった。でも、人間としては、人間味はできたのかな、昔より。人間になったのかな」

 たまき先生は西尾維新さんの『物語シリーズ』に喩えて「人間強度」が低下したことを指摘しつつ、「手負いの獣みたいな感じだったから、ずっと。それで言うと、人間らしくなったというか大人になったな」と語りかけます。

 「のりお先生はずっと見てきてくれたんだもんね」と笑うあくあさんに対し、急速に大きくなっていったホロライブに対して感じていた思いなども吐露したのりお先生は、「邪魔したくなかったの。スターダムに駆け上がっていくときに。連絡するのもちょっと控えていた」と言います。段々と涙声になっていくと、こう続けました。

 「『大丈夫だな』と思ってた。何が『大丈夫だな』と思っていたかといえば、卒業なんてするメリットないから、卒業するなんて思ってなかった。だって一生安泰じゃん、ホロライブにいれば。働くのなんて大変だよ。わたし、メリット・デメリットでしか物事を考えられないバケモノだからさ。『辞めるわけねえ』と思ってた。辞めるメリットないから『大丈夫だな』と思ってた。いい事務所じゃん、ホロライブ」

 ディスコードのチャットログを振り返り、あくあさんが悩んでいた時期には朝まで話を聞いたこともあれば、電話してほしいと言われてそれに応じた記憶も蘇ってきたそうで、「なんで私、声かけてあげられなかったんだ」と、この2年間の薄まっていた関係を後悔したことを明かしました。

 「めでたいんだよ、卒業って。物語が完結するってことだから、おめでとうだし、お疲れさまだし、ありがとうなんだよ」

 そう語ったのりお先生は、「それとは別の感情として、寂しいよね。湊あくあが完結するのは、めでたいけど寂しいわ」と、1人の“湊あくあファン”としての真情も吐露されました。
[IMAGE]

 「このチャンネルと一緒に(“湊あくあ”を)未来へ連れて行きたい。いろんなVTuberさんと出ているチャンネルだからこそできる。連れて行くよ、あくあ。未来に。一緒に行こう、10年目までやるぞ。フリーレンくらい長生きするから。『勇者あくあってのがいてな』って、ホロライブ100期生くらいの子に話すよ」

 そう言ってきたのりお先生に対し、あくあさんは「回りくどいことは言いません。“生きろ!”」とギアスをかけてあげていました。「ゼロレクイエムだったか、今日は」と笑ったのりお先生は、「卒業終わったらカニ行こう。カニでしょ!」と、のりおガニ宣言で応じ、和気あいあいとした雰囲気に戻っていきました。

 最後に「のりお先生と出会えて本当に良かった。ありがとう」と言うあくあさん。

「あくあがいなかったら、こんなに活動続かなかった。おめでとう、卒業。あくあがしっかり、“あくあ”という連載の最終回を迎えられたことを私は嬉しく思っています」「あくあ卒業、おめでとう!」

 のりお先生の真に迫る言葉で、対談は閉幕。いつもキッチリまとめてくる予定の1時間を超えていたこと、「泣くつもりなんてなかった」という発言からも、大きな感情が揺さぶられる対談でした。

 これでもかなり端折って紹介した形なので、圧倒的に濃い中身の対談を、ぜひ動画でもご視聴ください。パイオニアとしてVTuberの新時代をたくましく切り開いた二人による最後の対談。当然、一見の価値ありです。

関連記事

VTuberの皆さま。告知、インタビュー、企画など記事化します!


 自薦・他薦を問わず、VTuberに関する記事化や取材希望がありましたら、注意事項を確認のうえ、下記の受付フォームバナーからお送りください。

注意事項

  • 1投稿につきおひとりのVTuberのみとなります。なお、同一内容の重複投稿はおやめください。
  • 自薦・他薦を問いませんが、他者に成りすましての投稿はおやめください。
  • 第三者の権利を侵害する内容および公序良俗に反する内容など、株式会社KADOKAWA Game Linkage(以下、当社といいます)で不適切と判断した内容が含まれる場合は投稿をお受けできません。
  • 投稿に際し発生する通信料などは、お客様のご負担となります。
  • 投稿いただいた情報は、編集部で精査のうえ、公開の可否を判断いたします。お送りいただいたものが、必ずしも公開されるわけではありません。
  • 掲載可否についての個別のお問い合わせにはお答えできません。
  • 自薦での掲載要望について、本人確認をさせていただく場合があります。 掲載が決定した場合のみ、「kgl-dengeki-vtuber@ml.kadokawa.jp(PCメール)」からお送りメールでお知らせいたします。あらかじめメールの受信ができるよう設定してください(送信先は、日本国内に限ります)。
  • 本企画は、当社が主催しています。
  • システムなどのやむを得ない事情により、本企画を予告なく変更・中止させていただく場合があります。
  • 投稿に際しご提供いただいた個人情報は、当社のプライバシーポリシーの定めるところにより取り扱わせていただきます。

    本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります