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【幻想水滸伝】グレミオのシチューにオデッサとの別れ、そしてぼっちゃんとあの人の一騎打ちを思い出す…。名曲と名場面で振り返る、オデッサ、グレミオ、テオ・マクドール、テッドとぼっちゃんの物語

文:編集O

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 5月5日に東京・すみだトリフォニーホールで開催されたオーケストラコンサート“Symphonic Poem from 幻想水滸伝 Remaster”。本公演はグランドフィルハーモニック東京が管弦楽を担当し、3月6日に発売された『幻想水滸伝 I&II HDリマスター 門の紋章戦争 / デュナン統一戦争』と、新作モバイル向けアプリ『幻想水滸伝 STAR LEAP』の楽曲がひと足先に演奏されました。

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▲会場は開場の1時間前から行列ができるほどで、約1800席ある大ホールは満員に。物販にも長蛇の列ができていました。
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▲会場入り口には開催を祝うフラワースタンドが展示。

 公演はタイトルごとにセクションで分けられ、“連作交響詩”というスタイルでゲームの冒頭からエンディングまでの印象的なシーンをつなぐ映像とともに演奏。楽曲によってはピアノ、ビブラホーン、尺八、琴のソロパートがあり、聴きごたえがある内容となっていました。

 本記事では第一部の『幻想水滸伝I』の演奏から、特に印象に残った楽曲をピックアップしてレポートします。

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【幻想水滸伝I】ソウルイーターの紋章を受け継いだぼっちゃんの過酷な人生を音楽と映像で振り返るオーケストラコンサート

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 第一部はシリーズの原点たる『幻想水滸伝I』で、オデッサ、グレミオ、テオ・マクドール、テッドとぼっちゃん(主人公)とパートごと作品の重要人物名が題名につけられているのがポイントです。ゲームではとくに章仕立ての区分けはありませんが、リマスター版をクリアしたうえでこのセットリストを見た方は、きっと「ですよね!」と大きくうなずかれたのではないでしょうか。

 主人公の父であり、赤月帝国の帝国五将軍である“百戦百勝のテオ・マクドール”で構成されたパートがあるところも、ニクい構成ですよね。選曲も素晴らしいです。

 楽曲は来場者が手拍子で参加したグレッグミンスターの『美しき黄金の都』、冒険に出かける気分を高揚させるフィールド曲の『大草原の小さなキャラ』など明るいものがありますが、非業の死を遂げる人物が多い物語だけに『悲しみのテーマ』や『失われた日々』など、涙を誘うようなシリアスめな楽曲が多く使われていたなと、あらためてコンサートを通して実感しました。

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 なかでも個人的に聴きごたえがあった楽曲は、一騎打ちのシーンに使われる『一触即発』です。一騎打ちは作中で何度か発生しますが、キャラクターの生死を分ける重要シーンだけにいずれも記憶に残っている方は多いはず。


 オリジナル版をプレイした当時、「なんだか違うシステムのバトルが出てきた!?」と驚かされたクワンダロスマンとの戦いや、しっかりパーンのレベルを上げておかないと勝つことが難しいテオとの一度目の戦い、そして親子が互いの譲れないものをかけて刃を交えることとなってしまった、二度目のテオとの(ぼっちゃんの視点だと父親との最初で最後の戦いですが)一騎打ち……。

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 攻略情報も何もない中でやると、「この台詞、どう動こうか……」「やばい、間違えた!」「次はこうかな?」というハラハラ感があったんですよね。とくにパーンとテオとの一騎打ちでは、負けるとパーンが死亡するので、なおさら緊張感があったのを覚えています。オーケストラであらためて聴いていると、そんなドキドキ感を思い出しました。

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 ちなみに、第一部だけの演出ではありませんが、一部の楽曲では演奏のバックに風切り音が流されており、「どちらも引けず、戦わなくてはいけない」というやるせない感情を揺さぶる演出もグッときました。

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 そしてもうひとつはずせないのが、戦争イベントで流れる『出陣のテーマ』です。こちらも一騎打ち同様にガラッと遊び方が変わり、しかも戦局によっては仲間が死亡するなど緊迫感があるんですよね。

 当時は攻略関連の知識がなく、何度もも仲間を死なせてしまったので、ある意味トラウマな曲でもありますが、オーケストラの演奏ではトランペットで高揚感を煽るようなフレーズがホールによく響き、「戦意高揚にピッタリな曲だな」と印象が変わって、好きな曲になりました。

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【幻想水滸伝I】グレミオのシチューやオデッサとの別れ…壮大なネタバレも含めて、思い出に残る名場面もすごかった!


 聴きごたえのあるオーケストラとあわせて、大型スクリーンで流されたプレイ映像も今回のコンサートの見どころでした。映像と連動するような演奏演出も多く、例えば戦闘→勝利時のジングル曲といった自然な流れでの演奏は、まるで大画面で実際にゲームを遊んでいるようなシンクロ感を受けることに。
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 ストーリー的にも、キャラごとにまとめられている構成ではありつつも、ほぼオープニングからエンディングまでの物語を追体験できるような映像&楽曲構成となっており、なつかしの名場面も次から次へと投影され、耳(音楽)からも目(ゲーム画面)からも『幻想水滸伝』の思い出を刺激されます。『幻想水滸伝 I&II HDリマスター 門の紋章戦争 / デュナン統一戦争』で遊びなおした時にも感じましたが、主人公が親友のテッドから“27の真の紋章”のひとつである“生と死を司る紋章”ことソウルイーターの紋章を託される場面なども、発売当時と違って『幻想水滸伝IV』を遊んだ後に見直すと、いろいろと思うところが増えたりしますし、名場面をあらためて見直すことって本当に大事ですよね。

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 シチューをつくるグレミオに対する複数パターンのいたずら選択肢をちゃんと見せてくれたり、オデッサとの別れに関連したフリックのシーンもしっかりと見せてくれたり……。ソニエール監獄でのミルイヒによる人食い胞子のシーンも、オーケストラによる荘厳な演奏で演出されることでいっそう心に刻まれました。
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 そしてもちろん、あの条件を満たして108星がそろうハッピーなルートも映像で追体験させてくれるという神演出。このあたりは、ネタバレどんとこいの濃いファンが集うであろうオーケストラコンサートならではの出し惜しみのない非常によい演出で、とても効果的だったと思います。

 なお、
オンラインショップでは演奏楽曲の解説や『幻想水滸伝 STAR LEAP』制作陣へのスペシャルインタビューを収録した公演パンフレット、イベントビジュアルを使用したグッズなどが販売中です。

 パンフレットはファングッズとしても価値が高い内容なので、来場できなかった方もぜひ手に入れてほしいです。

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<Symphonic Poem from 幻想水滸伝 Remaster 出演者(敬称略)>
松村秀明/指揮者
東野美紀/スペシャルゲスト
山本和哉/演出
庄司燦/編曲
湖東ひとみ/編曲
グランドフィルハーモニック東京/管弦楽

第一部 連作交響詩「門の紋章戦争」

<セットリスト>
第1曲:プロローグ
諸行無常の響き
王宮の調べ
帝国よ永遠に
美しき黄金の都
メインテーマアレンジ~ギター編
飛べ!ブラック
黒い森
最強の敵
感動のテーマ

第2曲:オデッサ
大草原の小さなキャラ
遥かなる山
魔物たちとの対決
ロックロックランド
緊迫のテーマ~アンサンブル編
悲しみのテーマ~アンサンブル編
神秘の森
絶望のテーマ
激突!
Gate
一触即発

第3曲:グレミオ
ひとときのやすらぎ
ナルシーのテーマ
ゴージャス・スカーレティシア
悲しみのテーマ~ギター編
ここだけの話
緊迫のテーマ~アンサンブル編
一触即発

第4曲:テオ・マクドール
踊る少女
緊迫のテーマ~アンサンブル編
一触即発
悲しみのテーマ~ギター編
集いし戦士たち
緊迫のテーマ~インパクト編
パッサカリア
蒼い海、青い空

終曲:テッドとぼっちゃん
失われた日々
メインテーマアレンジ~ギター編
Penpe
緊迫のテーマ~インパクト編
彼方の星
悲しみのテーマ~アンサンブル編
出陣のテーマ
感動のテーマ
幻想の世界へ
最強の敵
緊迫のテーマ~Tama-dator
Avertuneiro Antes Lance Mao~戦いは終わった~

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