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【スパロボY参戦作品紹介】超電磁ロボ コン・バトラーV:『A』でのボルテスとの合体攻撃が超強力だった。『ライディーン』との共演で思い出す、あのゲストメカの再登場にも期待【スーパーロボット大戦Y】

文:米澤崇史

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 『スーパーロボット大戦Y(スパロボY)』に参戦する作品を紹介。連載第12回は『超電磁ロボ コン・バトラーV』について語ります。

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 2025年8月28日にバンダイナムコエンターテインメントから発売予定の、シミュレーションRPG『スーパーロボット大戦』シリーズ最新作となる『スーパーロボット大戦Y』。機体のみのものも含め、21作品が本作に参戦します。


 『スーパーロボット大戦30』から数えると(間にDLCや追加ストーリーはありましたが)、4年弱ぶりのコンシューマ向け『スパロボ』ということで、久しぶりにワクワクしているシリーズファンも多いのではないでしょうか(もちろん筆者もその一人)。

 『スパロボ』でまったく知らない作品に触れる……というのも、勿論立派な楽しみ方の一つではあるんですが、ある程度作品の知識があったり、原作を見たことがあれば、「こんなクロスオーバーを仕込んできたか」みたいな感動を得られたりするのも、『スパロボ』ならではの魅力。

 そこでこの連載では、『スパロボY』に向けての予習・復習を兼ねて、参戦作品についての大まかなあらすじや、『スパロボY』での注目ポイントを紹介していきます。

 なお、核心に触れるようなものは避けますが、
ある程度の作品のネタバレを含む内容となっているので、未視聴の場合はご注意ください。

『超電磁ロボ コン・バトラーV』とは?【スパロボY参戦作品紹介】


 『超電磁ロボ コン・バトラーV』は、1976年から1977年にかけて放送されていたTVアニメ。

 監督は『スパロボY』にも参戦している『勇者ライディーン』の後半部の監督を務めた長浜忠夫さんで、後番組の『超電磁マシーン ボルテスV』『闘将ダイモス』を含む“長浜ロマンロボシリーズ”の第1作としても知られています。

 3万5000年前から地底に潜むキャンベル星人の地上侵攻を予期した南原博士は、5機のメカが合体する巨大ロボ“コン・バトラーV”を建造。

 主人公・葵豹馬をはじめとする全国各地から集められた5人の若者で構成された“バトルチーム”の面々が、コン・バトラーVのパイロットとして、キャンベル星人の侵攻に立ち向かっていく姿が描かれます。


 本作の主役ロボであるコン・バトラーVはアニメ史上初の5機合体の巨大ロボであり、しかもそれを当時の玩具でも実現していたのが革新的だったポイント。

 『コン・バトラーV』よりも前に登場した『ゲッターロボ』は3機合体で、構造上玩具で合体変形が再現できなかったのに対し、コン・バトラーVは玩具での立体化を前提にデザインが作られていたのが大きな違いで、本作が大ヒットしたこともあって、その後の多くのロボットアニメが玩具での再現を前提にデザインされるようになっていきました。


 いわば『コン・バトラーV』は合体ロボというジャンルのフォーマットを確立させたも言え、ロボットアニメの歴史においては『マジンガーZ』や『ゲッターロボ』『機動戦士ガンダム』といった作品に引けを取らない重要な作品となっています。

■『超電磁ロボ コン・バトラーV』を見る

『A』での“超電磁スピンVの字斬り”の強さに惚れた【スパロボY参戦作品紹介】


 そういった経緯もあってか、『スパロボ』シリーズにおける参戦回数もかなり多め。初参戦したスーパーファミコン用ソフト『第3次スーパーロボット大戦』以降、ほぼレギュラーといってもいい頻度での参戦を果たしています。

 実は、マジンガー、ゲッター、ガンダムのいわゆる御三家シリーズ以外のロボット作品の中では、最も『スパロボ』の参戦回数が多いのが『コン・バトラーV』となっており、『スパロボ』シリーズには欠かせない作品と言えます。

 そのため『スパロボ』での思い出も多いんですが、個人的に印象深いのは、ボルテスとの合体攻撃“超電磁スピンVの字斬り”が強力だったゲームボーイアドバンス用ソフトの『スーパーロボット大戦A』(2001年)でしょうか。

 一応、ボルテスとの合体攻撃が初めて登場したのは同年発売の『スーパーロボット大戦α for Dreamcast』が僅かに早いんですが、自分はDC版の『スパロボα』をプレイしたのはもっと後だったのもあって、コン・バトラーとボルテスの合体攻撃を見たのは『スパロボA』が初めてだったんですね。


 『スパロボ』シリーズにおけるコン・バトラーといえば、スーパーロボットの中でも燃費が悪めで、装甲もそこまで厚くはないので、普段の使い勝手はそこまで良くはないのですが、必殺技の"超電磁スピン”の攻撃力はずば抜けており、精神コマンドも豊富で、優秀なボスキラーという位置づけになることが多いユニット。

 そんな、ただでさえ一撃必殺型のロマンユニットというイメージがあったところに、さらに強力な必殺武器が追加されたインパクトは大きかったですね。

 『スパロボA』はHPが一定以下になると撤退するボスが多く登場したのもあって、撤退するボスを倒す時は、超電磁スピンVの字斬りに援護攻撃をあわせる……というのが自分の中での基本戦術になっていました。

 また、『スパロボA』はサポートメカとして、一木金太と一木知恵が操縦するロボ“ケロット”が登場した貴重な『スパロボ』でもありました。

 このケロットも修理・補給装置を両方搭載している上に、金太はかく乱、知恵は脱力・補給という強力なサポート系精神コマンドを習得したのもあって、めちゃくちゃ役立ってくれましたね。

 あとはシステム面でも、『スパロボA』における敵パイロットのレベルは自軍の平均レベルに応じて決まるので、5人乗りのコン・バトラーを育てておくと自軍の平均レベルが上がり、出現する敵のレベルも高くなるという仕様がありました。

 当然敵は強くなるのですが、入手経験値が増える分自軍のレベルアップの速度が上がり、精神コマンドを早く習得できたり、使える精神ポイントが増えるなど、全体的にはメリットの方が大きかったので、システム的にもコン・バトラーが愛されていた『スパロボ』でしたね。

『IMPACT』ぶりに登場するガルーダはどう扱われる?【スパロボY参戦作品紹介】


 『コン・バトラーV』は参戦回数は多いものの、ストーリーが再現されることはそれほど多くない作品でもあるので、『スパロボY』での扱いも気になるところ。

 6月に公開されたショートPVでは、物語前半のライバルである大将軍ガルーダの登場が確定。アプリの『スーパーロボット大戦DD』を除くと、ガルーダが登場したのは『スーパーロボット大戦IMPACT』(2002年)が最後になるので、めちゃくちゃ久しぶりの『スパロボ』への登場になります。


 ただ、ストーリー再現があるのかは未知数でしょうか。

 まず『スパロボY』公式サイトの参戦作品のあらすじ紹介で、『コン・バトラーV』は原作のラストまで解説が行われているのに加えて(ストーリー再現がありそうな作品は途中までしか語られていません)、同じく公式サイトの“ストーリー”の項目で、すでに『スパロボY』の地球が異星からの侵略を一度乗り越えていることが語られています。

 これがキャンベル星人の地球侵略を指しているとするなら、『コン・バトラーV』のストーリーは終了しているということになります。一応、『銀河機攻隊 マジェスティックプリンス』のウルガルとか、『マクロス』シリーズのゼントラーディのことを指している可能性もありますが……。

 原作終了後だとしてもガルーダは復活してもおかしくはないキャラクターなので、ガルーダだけが復活して敵として登場する……みたいなパターンは結構ありえるんじゃないかなと。


 クロスオーバー的なところでちょっと期待しているのは、長浜監督繋がりもある『勇者ライディーン』との絡み。

 両者が初参戦した『第3次スーパーロボット大戦』では、『コン・バトラーV』に登場したゲストロボ“ガルガンチュア”に、『ライディーン』のコープランダー隊のメンバーが乗ることになるという、かなり思い切ったクロスオーバーが行われたことがありました。

 さらにそれだけではなく、この時にアニメの中に登場しておらず、設定も存在しなかったガルガンチュアの後継機“パンタグリュエル”を『スパロボ』オリジナルメカとして登場させるなど(こちらにもコープランダー隊が乗れます)、かなり挑戦的なことをやっています。

 さすがに今の時代だと上記のようなクロスオーバーは難しいと思うのですが、せっかくの『ライディーン』との久々の共演なので、ガルガンチュアを『スパロボ』に再登場させた上で、コープランダー隊の面々が何かしらのコメントをする(「昔乗ってたような気がする」的な)絡みが見れたりしないかな……と、妄想したりもしています。

 ちょっと刺さる層が狭すぎるネタですが、妄想するだけならタダですからね! ああいった『スパロボ』ならではのクロスオーバーが、また見れると良いなと思っています。

『スパロボY』参戦作品紹介バックナンバー(第9回~第11回)


米澤崇史:ロボットアニメとRPG、ギャルゲーを愛するゲームライター。幼少期の勇者シリーズとSDガンダムとの出会いをきっかけに、ロボットアニメにのめり込む。今もっとも欲しいものは、プラモデルとフィギュアを飾るための専用のスペース。

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