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『青春ブタ野郎はサンタクロースの夢を見ない』8話感想。遠慮なくプレゼントをおねだりする麻衣と咲太の関係性がエモかった。咲太がクリスマスを一緒に過ごすのは誰なのか(ネタバレあり)

文:米澤崇史

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 アニメ『青春ブタ野郎はサンタクロースの夢を見ない』8話“秘密と約束”の感想記事をお届けします。

【注意】キービジュアルより先のテキストでは、『青春ブタ野郎はサンタクロースの夢を見ない』8話の物語に関する記述が多々あります。そのため本編をご覧になってから読むことをオススメします。[IMAGE]

あえて咲太に甘える麻衣のかわいらしさ【青春ブタ野郎】


 赤城郁実をメインとした“ナイチンゲール編”も完結となり、今回からは姫路紗良にスポットを当てた“マイスチューデント編”がスタートした『青ブタ』。

 7話のラストでは、向こう側の世界の咲太から、麻衣に危険が迫っており、それに何らかの形で霧島透子が関わっているというメッセージが届くという気になる描写もありました。

 さらに、前回に続いて赤城も登場していましたが、今までの無表情な雰囲気からは一転して穏やかな顔つきに変わっていて、本当の赤城はこういう表情をする娘だったんだな……とちょっと感慨深くなりました。


 以前に霧島透子の連絡先を一瞬チラ見していた咲太ですが、あれだけでしっかりと番号を覚えられていたのはさすが。双葉や麻衣ほどではないでしょうが、基本的に咲太もスペックがかなり高いんですよね。

 ナイチンゲール編でも出てきた“夢見る”現象は今も続いているようで、今回は嘘の書き込みではなく、咲太自身が本当に予知夢を見ることに。

 ナイチンゲール編が始まった時は、赤城の思春期症候群が“夢見る”を引き起こしているんじゃないかと思ったのですが、実際には赤城自身との関係性はまったくなく、未だこの現象がなぜ起こっているのかは不明なまま。やはり霧島透子が関わっているのでしょうか。

 “マイスチューデント編”のメインヒロインともいえる姫路については、やはりちょっとした言動に“魔性”的なものを感じます。

 同じ咲太の担当生徒である山田が、姫路を意識しているような素振りも見られましたが、それを吉和がどこか面白くなさそうに見ていたのも印象的。

 ほぼ咲太の前で勉強しているシーンしか描かれていないので、普段の二人の関係性というのは詳しくは分かりませんが、少なくとも吉和の方は山田のことが少し気になっているのかなという気がします。


 一方、霧島透子に会う約束を取り付けるために麻衣との約束を涙を飲んでキャンセルせざるを得なくなった咲太でしたが、そこから一緒に授業をサボって強引に二人の時間を作るという、ある意味大学生らしさを感じられるシーンも。

 卯月の時もそうでしたが、こういうサボりが許されるのが大学の素晴らしいところで……本当に今すぐにでも戻りたいです。

 ここで良いなと思ったのが、麻衣が誕生日プレゼントを咲太におねだりして買ってもらっていたこと。咲太の苦笑い気味の反応からして、結構いい値段の指輪を選んだと思われるのですが、麻衣の方が咲太より遥かにお金を持っていて、プレゼント代が咲太にとって少なくない負担なのは麻衣も当然知っているはず。


 麻衣にプレゼントを用意するために咲太が事前にお金を貯めていることが分かっていたからこそ、しっかりとそれに甘えたんだろうなと。

 もうそういう遠慮をしない関係性というのもあるでしょうし、何よりも麻衣が純粋に咲太からのプレゼントをもらいたかったから……と考えると、本当にラブラブなカップルだなと思います。

また咲太は麻衣との約束を破ってしまうのか?【青春ブタ野郎】


 サンタ衣装ではない霧島透子の姿もなかなか新鮮で、思っていたより落ち着いた雰囲気の大人の女性みがあり、ちょっと今までのイメージとは違っていましたね。透明人間なのは、絶対にもっと不便な場面もあるだろうとツッコミたくはなりましたが。


 霧島透子が、歌によって一度に不特定多数の人々に思春期症候群を発症させるというやり方をとっていたのも判明。霧島透子の歌は、もうあらゆる登場人物が聞いていることが描写されてきているので、発症の可能性を秘めている人は凄まじい数になっていそうです。

 ただ、本人が思春期症候群を発症した理由については、咲太から詰められてもはぐらかしていて、これが2期の物語の鍵を握ってそうな予感がします。

 麻衣とのクリスマスの約束を交わすシーンでは、あまりに咲太のテンションが高すぎて笑いました。今までのシリーズを通して、あそこまで咲太が喜んだのは初めて見た気がします。

 おそらく、それだけ麻衣が普段から忙しくて、咲太と会う時間がないからこそだと思うのですが、自分と過ごす時間がクリスマスプレゼントだと言い切れる麻衣の自信もすごいですよね。


 しかし、その後咲太が見た予知夢は、よりにもよってクリスマスを麻衣ではなく姫路と過ごすというもの。

 あれだけ喜んでいた咲太がキャンセルするとなると、よほどのことが起こったのだと思われますが、実際今回も麻衣との誕生日の予定をキャンセルしていたので、どうしても必要であれば咲太ならやりそうだな……というのが正直なところ。


 逆に言うと、それだけのっぴきならない事情や、未だ全貌がまったく見えない姫路の思春期症候群は何なのか。

 そもそも、姫路はなぜ知り合ったばかりの咲太にこんなに興味をもっているのかなど、気になることがまだまだ多いです。

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米澤崇史:ロボットアニメとRPG、ギャルゲーを愛するゲームライター。幼少期の勇者シリーズとSDガンダムとの出会いをきっかけに、ロボットアニメにのめり込む。今もっとも欲しいものは、プラモデルとフィギュアを飾るための専用のスペース。

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