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不器用で優しい若き組長代行・ショウが愛しい! 信じるべきは誰か…抗争劇にもぐんぐん引き込まれる『ROAD59 摩天楼モノクロ抗争』発売前プレイレポート

文:電撃オンライン

公開日時:

 Nintendo Switch/Steamで9月25日発売予定の『ROAD59 -新時代任侠特区- 摩天楼モノクロ抗争』は、裏社会と警察組織、そして伝奇的要素が交錯する“新時代の任侠ビジュアルノベルゲーム”です。

 舞台は東京湾に浮かぶ眠らない摩天楼・天海区。ここでは“ジンギ”と呼ばれる特殊な力を持つ任侠者たちが、生き残りをかけた抗争を繰り広げています。

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▲狛浪組。中央から氷室静、左が氷室ショウ、日向汐音。右が氷室涼香、黒鉄一臣、奥に帆阪仁と続く。
 本作の主人公は、狛浪組の若き組長代行・氷室ショウ。

 望まぬまま組長の座に立たされた彼は、黒条組や春雲組といった勢力との戦いの渦に飲み込まれることとなります。

 そんなショウを支えるのは厳しい姉・氷室静や元気な妹・氷室涼香、頼れる兄貴分の一臣、優しさで励ます仁、そして理解者である幼なじみ・日向汐音ら狛浪組の家族のような絆。

 今回は、序盤から中盤までをプレイした感想をお届け。ネタバレも含まれますので、ご注意ください。

■『ROAD59 -新時代任侠特区- 摩天楼モノクロ抗争』OP映像

 なお、新キャラクター門崎彗の描き下ろしB2タペストリーと、氷室ショウ、日向汐音、氷室静、氷室涼香、帆阪仁、黒鉄一臣のイラストを使用した2L判ブロマイド6種セットが同梱されるファミ通DXパックも発売されます。

ショバ代すら回収できない組長代行【ROAD59】


 物語冒頭から、ショウの不器用さは全開! 姉に言いつけられて、イヤイヤながら仕事をしている感が満載です。

 しかもショバ代を回収しに行ったはずが、ラーメン屋の店主においしいつけ麺を振る舞われ、あっさり心を許してしまいます。

 「こんなに優しい子が組長代行で大丈夫……?」とツッコミつつも、まんまと言いくるめられてしまうショウの姿に思わず笑ってしまう日常パートでした。

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▲スーツに着られている就活生の如く、貫禄が無いショウ。
 あまりにもお人好しすぎるショウに、同行していた汐音や涼香には「しっかりして」と諌められ、静からも「ほんまに大丈夫なんか、アンタ」と雷が落ちる始末。

 任侠ものの主人公なのに、どこまでも人を信じてしまう。組長としては頼りない、しかしその優しさには愛しさが感じられ、プレイヤーとしては複雑な気持ちになります。

 しかも後から判明したのは、そのラーメン屋のおっちゃんが、地下で賭博に手を出していたという事実。

 
……つけ麺を味わってる場合じゃなかったんやで、ショウ!

黒条組との一触即発とショウの優しさ【ROAD59】


 街中で黒条組の彩愛と蓮花に遭遇し、一触即発の空気に。柊姉妹にさんざん狛浪組を馬鹿にされてもキレず、ギリギリまで耐えるショウですが、ついに銃を手にします。

 その時の
「カタギに迷惑かけんなや」という一言。

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▲どんなときも他者を大事にするショウ。こういうところが良き!
 彼は自分のためではなく“誰かを守るため”に戦うんです。

 だからこそ、組長としては頼りないショウを「応援したい」と感じてしまうのだと思います。

 幸いこの場は一臣が助けてくれましたが、ショウは戦闘で怪我を負ってしまいます。

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▲舞台版から引き続き、ショウの決め台詞となっています。
 事務所に帰り、静に不甲斐なさを叱責され「俺は組長ちゃう……」と小さな声でつぶやくショウ。守ってあげたいオーラ全開で胸がぎゅっとなりました。

シリアスと笑いのジェットコースター【ROAD59】


 自分の不甲斐なさに落ち込むショウを励ますために一臣が連れ出したバーで「天海区の地下にはどんな願いも叶えてくれるヤマタノオロチの首が眠っている」という不穏なうわさを耳にするショウ。

 もしも願いが何でも叶うとしたら? という問いかけに、彼の答えは「平凡で平穏な暮らし」。

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▲いつでも控えめなショウです。
 もうね、ここがショウなんです。大それた野望じゃなくて、ただ平穏に生きたい。けれど極道の家の跡取りという宿命を背負った彼にとっては、最も難しい願いなのかもしれません。

 仲間とお酒を酌み交わしながら笑うひととき。殺伐とした抗争の渦中にあるからこそ、こういうシーンがいっそう尊く感じました。

 そして『ROAD59』は、とにかく笑いとシリアスの切り替えが激しすぎる!

 なかでも面白かったのは天海区名物“天海饅”。

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▲どんだけ不味いの? 天海饅……。
 食べた人の感想が「スポンジでシュレッダーの紙を包んだような味」って……そんな食べ物ありますか!? これはもはや任侠界のグルメテロ事件!

 さらに追い打ちをかけるように、妹の涼香から「兄ちゃん友達少ないやろ」と容赦のないボッチ認定。

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▲思わず「グサッ!」と容赦無く刺さる涼香のセリフ。友達の数を四捨五入って……!
 シリアスさどころか、完全に“妹に弱いお兄ちゃん”。もう、笑うしかないんです。

 さらには警察の職質での回答選択肢に
“ハイパーホームガーディアン”というなんとも言えない役職名があること。

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▲これはもうニート宣言したも同然?
 「えぇぇ!? この状況で自宅警備員は逮捕されちゃうよぉぉ!」

 このゲーム、殺伐としたヒリツキの間に、独特のシュールギャグが絶妙なバランスで存在します。

 仁義なき抗争とゆるふわ日常ギャグが交錯するビジュアルノベルゲーム、それが天海区、それが『ROAD59』なのです。

 ただ、仁の視線から察するに、ショウが“裏社会の人間”だと勘付かれている雰囲気があって……笑った後にまた背筋がゾクッ。

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▲就活生にしか見えないショウはともかく、仁の雰囲気で一行が極道だという勘が働く新見。
 ほんと、安心させては揺さぶる。この落差がクセになります。

プレイヤーを試す選択肢【ROAD59】


 お金の選択肢も印象的でしたね。1000円、10000円、財布ごと。いずれかを涼香に渡します。

 最近の物価を考えると、1000円じゃ何も買えない。そこで思い切って涼香に10000円を差し出してみたら……めっちゃ喜ばれた!(笑)

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▲昨今の物価高を考えると悩むところ。
 内心は「これ、甘やかしすぎた!?」とドキドキ。ショウの“人に甘い性格”が、いつのまにか私の指先にまで伝染している気がしました。

 楽しいギャグやキャラクターの微笑ましいやりとりに関しての選択肢がある一方で、もちろん任侠物らしい選択を迫られるシーンもあります。

 特に印象的だったのは、狛浪組に対しておきた、とある裏切り事件に「報復するか、情報を集めるか」という大きな分岐。

 プレイヤーのわたしは腹をくくって“報復”に走りたいと思いつつも、ショウが「どうしようかな」と迷う姿をみると、彼の心情が理解できて同調してしまう──これこそショウという人物の魔力なのかもしれません。

 慎重に選ばないと心が持たない──そう感じさせるほど、重く苦しい選択でした。

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組長の俺を殺してからにしろ【ROAD59】


 しかし、ショウの煮え切らない態度に、姐さんはマジギレ。思わずコントローラーを握り直すほどの迫力でした。

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▲すごい剣幕の姐さんです!
 緊迫するシーンの中、ショウはここでついに腹をくくります。

 ずっと「俺は組長ちゃう……」と弱音をもらしていたショウが、覚悟を決めてこのシーンで発した<組長として>の台詞はまさに信義と情のせめぎ合いの中からしぼり出された“魂の叫び”のように響きます。

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▲言う時は言う。けど後悔はする模様……。
 普段は頼りないのに、決めるときは揺るがない──だからこそ、この男を応援したくなるのです。

 ただ、その間にも抗争は積み重なり、ショウが願う「平凡で平穏な日常」はどんどん遠ざかっていきます。

 オロチの力を開放する「鍵となる少女」が天海区に現れたことによって抗争はさらに激化していき、天海区特別警察をも巻き込んでいきます。

 一方、春雲組は静かに刀を鞘に収めたまま、間合いを測っているかのよう。

 そして存在感を増していくのが、天海区に現れた海外マフィアPHOENIXです。

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▲ベネディクト様も不敵に笑います。
 さらに黒条組の内部にも不穏な影が差し込み、「え、黒条からの裏切りって……?」と胃がきゅっとなる展開へ。

 それぞれの思惑が複雑に絡み合い、裏切りと復讐が連鎖していく。

 これこそ『ROAD59』の世界の危うさなのだと感じました。

黒条組の侵攻と加速していく抗争【ROAD59】


 中盤に差しかかると、物語のテンポも一気に加速していきます。

 ついに黒条組による本格的な狛浪組への侵攻がはじまり、それと同時に他の陣営も己の利害と生き残りを賭けて動きはじめ抗争はさらに複雑さを増し、緊迫した空気が広がっていきます。

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▲春雲組は、味方か敵か……。
 「誰を信じたら良いのか分からない」そんな張りつめた状況のなかでも、キャラクターの魅力がどんどん掘り下げられていくのが本作の面白さ。

 妹・涼香の戦闘シーンでは、ジンギによる怪力を使った豪快な戦い方と明るく可愛らしい台詞に不利な状況でも励まされ、姉の静の姐御ぶりには「やっぱり頼もしすぎる!」と拍手したくなりました。

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▲かわいいし頼もしい妹の涼香。
 緊張感の中にこうしたキャラの個性が光るからこそ、シリアスと笑いのバランスが絶妙なんですよね。

 ショウも汐音とまるで少年漫画のような熱いバトル展開をみせますが、この後思いもよらない展開に……。

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▲敵に「タンマ!!」って……。(笑)
 “この先どうなるの!?”と手が止まらない展開が続いていきます。

ここまでの感想:やきもきしながらも、彼を見届けたい【ROAD59】


 振り返ってみると、ショウはやっぱり“自分のためには怒らない人”でした。誰かのためにだけ拳を振るうから、決断が遅くなるし煮え切らない。

 でも、ひとたび覚悟を決めたときの強さは本物で、その落差に何度も胸を掴まれました。

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▲戦うと決めたらかっこいい!
 「もっとしっかりして!」と心配してしまいつつも、「ああもう、この不器用さが愛しいんだよね」と笑ってしまう。気がつけば、プレイヤー自身がショウに魅了されているのです。

 また、「ジンギ」や「オロチの力」といった、舞台やマンガからつながってきた厚い世界観も見逃せません。

 シリーズを知っている人には
「あの要素がここで!」という喜びがあり、初めて触れる人にも、迷いなく飛び込めるほどの奥行きがあります。

 そして何より──氷室ショウ。

 不器用で、やさしくて、常に迷いながらも、決めるときはぶれない。
 
 
わぁぁぁ……もう守りたい! 甘やかしたい!

 任侠の厳しさに揉まれても、彼の人間らしさは消えない。

 彼が苦悩しながらも前に進む姿こそが、プレイヤーにとって最大のご褒美なのかもしれません。

 発売後も、この感情を抱えたまま、氷室ショウの物語を最後まで見届けたいと思います。

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応募券の配布終了迫る! ショウ役の砂川脩弥さんも参加する『ROAD59 摩天楼モノクロ抗争』発売記念トーク&お渡し会が10月4日開催

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 10月4日(土)にAKIHABARAゲーマーズ本店6Fイベントスペースにて、『ROAD59 -新時代任侠特区- 摩天楼モノクロ抗争』出演キャストによる発売記念トーク&お渡し会の開催が決定しました!

 10月4日実施回は“アニキVer.”ということで、ショウ役の砂川脩弥さんをはじめ、仁役の北村 諒さん、一臣役の末野卓磨さん、誓吾役の前田誠二さん、謎のバーテンダー役の白又 敦さんの5名の男性キャストが出演します。

 応募券の配布はゲーマーズ対象店舗とオンラインショップで行われていましたが、オンラインショップは9月7日に締め切られ、現在はゲーマーズ対象店舗でのみ配布中。

 ゲーマーズ対象店舗にて対象商品いずれか1点を予約(全額内金)することで、応募用のシリアルコード付き応募券がもらえます。

 応募券の配布は9月14日(日)までとなっているので、砂川さんらのトーク&お渡し会に参加したいという方は今すぐ対象商品を予約&応募しましょう!

イベント概要


●イベント名:「ROAD59 -新時代任侠特区- 摩天楼モノクロ抗争」発売記念トーク&お渡し会(アニキver.)
●開催日:10月4日(土)
●開演/開場時間
・第1部 開演13:00/開場 12:30(イベント当選者集合時間:12:25)
・第2部 開演15:30/開場 15:00(イベント当選者集合時間:14:55)
●会場:AKIHABARAゲーマーズ本店6Fイベントスペース
●出演キャスト
・氷室ショウ役:砂川脩弥さん
・帆阪 仁役:北村 諒さん
・黒鉄一臣役:末野卓磨さん
・成山誓吾役:前田誠二さん
・謎のバーテンダー役:白又 敦さん
●イベント内容:キャストトーク+お渡し会

■お渡し会特典物

 キャラクターイラスト使用非売品ポストカードをお1人様につき全キャストから各1枚ずつお渡しします。

※お渡し会は1公演につき、お1人様1回のみご参加可能です。

■応募方法

 ゲーマーズ対象店舗にて対象商品いずれか1点を、ご予約(全額内金)頂きましたお客様にシリアルコード付き応募券を1枚お渡し致します。

■応募券配布期間

・ ゲーマーズ店舗配布期間 
2025年9月14日(日)各店閉店時までにご予約(全額内金)いただいた方へ応募券をお渡しいたします

■イベント抽選申し込み応募締切
2025年9月15日(月)23:59まで

 イベントに関する応募方法、抽選申し込み締め切り日時、参加注意事項などの詳細は『ROAD59 -新時代任侠特区- 摩天楼モノクロ抗争』公式サイトの
イベントページをご参照ください。

『ROAD59 -新時代任侠特区- 摩天楼モノクロ抗争』作品概要

ゲームストーリーあらすじ


 東京湾に浮かぶ眠らない摩天楼、天海区では"ジンギ”と呼ばれる人ならざる力を持つ任侠者達が自らの生き残りをかけて血で血を洗う抗争を繰り広げていた。

 狛浪組の跡取りとして産まれた平凡で心優しい主人公、氷室ショウは厳しい姉・静の命令により不本意ながら組長として背負うことになる。

 しかし先代亡き後、勢力が弱まる一方の狛浪組を天海区で存在感を増す黒条組が襲撃する。

 大切な家族を守るため、ショウは裏切りと欲望が渦巻く天海区での抗争の中で、自らの手で“選べない選択”を重ねていくこととなる。

 果たしてショウが自らの選択の果てに手に入れたものとは――――。

キャスト・スタッフ


【CAST】
砂川脩弥/七海ひろき/美波わかな/相羽あいな/北村諒/末野卓磨
井上正大/工藤晴香/岡田夢以
君沢ユウキ/河内美里/前田誠二/白又 敦/鮎川太陽/山本康平
蒼井翔太/渡辺和貴/加藤里保菜
石川由依/津田健次郎/佐々木李子/谷江玲音/小林親弘

【STAFF】
企画・原作:ブシロード
キャラクターデザイン・メイングラフィッカー:ぎどら
開発:ロケットスタジオ

データ


ジャンル:ビジュアルノベルゲーム
対応機種:Nintendo Switch/Steam
プレイ人数:1人
ボイス:パートボイス
対応言語:日本語(英語、繁体字、簡体字の字幕にも対応予定)


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