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『紅の錬金術士と白の守護者 ~レスレリアーナのアトリエ~』先行レビュー システム編:感覚的に正解を導ける調合、コマンド入力で一手一手先を読む戦闘、手軽で遊びやすい採取が楽しい。『レスレリ』とは違うベクトルの仕上がりに好感触!

文:編集O

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 9月26日にNintendo Switch、PlayStation 5、PlayStation 4、PC(Steam)でコーエーテクモゲームスが発売する『紅の錬金術士と白の守護者 ~レスレリアーナのアトリエ~(以下、『紅白レスレリ』)。

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 タイトルに『レスレリアーナ』とあるように、本作はスマートフォン&PC(Steam)で現在サービス展開中の『レスレリアーナのアトリエ ~忘れられた錬金術と極夜の解放者~(以下、『レスレリ』)』と、世界観を共有しつつも、新主人公、新ストーリーが楽しめる作品となっています。

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 システム周りはベースに『レスレリ』がありつつも、運営タイトルからコンシューマに合わせた形に再構築が行われ、『レスレリ』をプレイ中の人も新しい体験を楽しむことができます。そこで電撃オンラインでは、物語&キャラクター、ゲームシステムに分割する形で先行レビューをお届け。

 物語とキャラクターに続いて、こちらではシステムについて語りたいと思います。なお、プレイ範囲は物語の中盤となる第8章まででプレイ環境はPC版です。

調合は基本こそシンプルだがやり込み度はバツグン。あれこれ試行錯誤していたら時間が溶けた!【紅白レスレリ先行レビュー】


 いろいろと語る前にまずは本作の大目的をおさらい。リアスとスレイは災害により一度は住人がいなくなった故郷・ハルフェンの町を復興することになります。そのためには錬金術で立ちはだかる問題に対処し、ヤドリギ堂を経営しての資金稼ぎが欠かせません。

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 そしてその過程で『アトリエ』シリーズのゲームループである調合、戦闘、採取の要素が絡んでくるのです。というわけで、まずはゲームループの3要素から概要解説&プレイしてみての手触りをお伝えしましょう。

 本作の調合は素材が持つギフトカラーをつなげると、素材の特性を調合アイテムに引き継ぐことができる、視覚で判断しやすいギフトカラー調合になります。

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 ギフトカラーがつながらずとも対応素材を投入すれば調合自体は完成しますが、つなげないとほぼ価値のないものになってしまうので、ここは是が非でもこだわりたいポイントなのです。

 ただし、素材によってはどうしてもギフトカラーがつながらない場合があり、そんなときに役立つのが活性素材の投入です。カラーチェンジ効果を持つ素材があり、それを使うと無理やり素材のギフトカラーを換えることが可能に。これを利用しないと引き継ぎにくい特性も多いので、活性素材集めも探索では重要になるんです。

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 また、レシピが載っている参考書をショップなどで購入して習得するという流れは、これまでのシリーズと共通ですが、本作ではレシピ派生という要素が追加されました。

 通常ならばレシピの参考書を手に入れないと調合できないアイテムを、派生に必要なアイテムをアレンジ素材として投入できればレシピが変化。参考書を持っていなくても新しいアイテムが調合できるようになるのです。

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 なお、派生に必要なアイテムは派生図から確認できるので、ヒントもなしにやみくもに探すことはないのでご安心を(笑)。個人的にはどうやってレシピ派生を達成できるか、素材をやりくりしながら考えるのが楽しかったですね。

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 調合は『アトリエ』シリーズに欠かせないアイテム複製もあるし、一度完成したアイテムはガイストコアを使って強化することもできるなど、作り終えてからもさらに高みを目指せるシステムが用意され、アトリエにこもる時間が長くなったなと実感。まあ、錬金術士としてはこれが正しい姿ですよね!

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6人フルにパーティメンバーが揃うと前衛と後衛が一体となる戦闘がグッとおもしろくなる!【紅白レスレリ先行レビュー】


 キャラクターや敵の素早さ順に行動が回ってくるタイムラインコマンドバトルを採用している本作。フィールドを徘徊する魔物と接触すると戦闘がはじまります。そして通常攻撃、スキル、アイテムの3種類の攻撃を、相手の弱点を確認しながら使い分けていくことになります。

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 『レスレリ』もタイムラインを考えながら戦うスタイルを採用していますが、そちらと大きく違うのはTPが溜まっていると後衛も攻撃に参加することができるマルチアクションがあること。最大で5ゲージまで溜めることができ、これを使うことで前衛+後衛2人までが一度に攻撃できるのです。

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 たとえば魔物をブレイクさせて相手の動きを止め、弱点を関係なしにダメージが通るようにしてから、前衛と後衛で一気にダメージを狙うという戦略が立てられます。もちろん、ブレイクを狙うためにマルチアクションを利用するのもありで、この「いつ使うべきか」という戦略性と、狙い通りに決まったときの爽快感にハマりました。

 また、TPはインタラプトと呼ばれる後衛の行動予約にも使え、敵の厳しい攻撃に割り込ませることが可能です。アイテムのみと制限がありますが、強力な攻撃アイテムが用意できているならば、狙う価値はありますよ。なお、これらTPを使う要素はパーティメンバーが6人フルに揃った時点で、おもしろさが100%体感できるのでお楽しみに。

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 これ以外にも戦闘の要素がいくつかありますが、プレイしていて重要だと感じたのが、敵の攻撃を受ける直前にガードすることで発動するジャストガード。成功すればダメージの軽減に加えて、状態異常の無効化やHPがゼロになっても1で耐えるといったメリットがあるんです。

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 ガチガチのアクションゲームだと判定がシビアなことが多いですが、本作はそこまでではないのでしっかり狙いましょう。たぶん、このジャストガードをマスターしないと、第6章のボス戦は苦労すると思いますので(笑)。

調合の素材の入手手段は採取地だがランダム生成の亜空の道が便利【紅白レスレリ先行レビュー】


 調合に使う素材はハルフェン周辺にある採取地に出かけて採取します。採取地はひとつのエリアの広さはそこまで大きくはなく、採取地ごとに採取物や出現する魔物が決まっているのが特徴です。

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 エリア内にはファストトラベルに登録される箇所があるので、探索は基本的にこれらを解放すること意識しながら行うのが基本です。ちなみに、時間経過で昼夜が入れ替わると出現する魔物が変化します。

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 採取地にはワイヤーアクションを行って崖上に登ったり、槍破砕で特殊な壁を壊したりしないと進めない場所があります。ワイヤーアクションならばワイヤーの色に応じたアンタジェムの調合、槍破砕は壁の色に対応したガイストコアを入手することで道が拓けるのです。

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 いろいろな探索地を冒険してみた感想ですが、サイズ感は狭すぎず広すぎず、素材集めや魔物を倒す目的もサクサクこなしやすいなと。宝箱やワイヤーアクションなどのギミックもいいアクセントになっていますし。

 また、採取地の風景はそれぞれ個性的なデザインになっており、新しいエリアに足を踏み入れる際は「次はどんな場所だろう」とワクワク感も味わえました。

 そして本作で登場するもう1つの採取ポイントが、ガイストコアで開く亜空の道です。ここの特徴はランダム生成型のダンジョンで、それぞれに中級・上級・特異という難易度が設定されていること。

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 物語で新しいガイストコアを手に入れたら必ず立ち寄る場所で、レベル上げや素材の採取のために、ヤドリギ堂で雇える妖精さんとも出会えます。

 こちらは鍵で通行可能になる封印された通路や、特定の魔物を倒さないと部屋から移動できない閉じ込め区画などのギミックがあり、ローグライク系の雰囲気を感じましたね。

 しかも、ボスを倒すと装備品の星珠が宝箱から入手でき、これがランダムでランクが変わるので、いいものを目指して通い詰めるといったハクスラ的な要素もお気に入りです。大体5フロアほど進めばボスにたどり着くボリューム感も遊びやすかったかな。

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ストーリー進行に関わるハルフェンの町の復興はゲームサイクルを進めれば自然と達成【紅白レスレリ先行レビュー】


 本作は町の復興度が物語の進行条件にもなります。町は商業区、居住区、工業区、自然区、農園区と別れており、それぞれ資金と素材を投資することでレベルがアップする流れです。

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 復興というキーワードだけ聞くと、自分の手でどこに建物を置くといった指示を出すなど、シミュレーション要素が強いのかなと思われるかもしれません。ですが、本作は復興に必要な素材やお金を用意し、窓口で投資を実行すれば町が発展して復興が進むという、非常にシンプルな内容になっています。

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 しかも、素材は採取や戦闘で、お金は調合したアイテムや素材をヤドギリ堂で販売することで貯めることができ、調合・戦闘・採取という『アトリエ』シリーズで鉄板のゲームループをこなしていれば、自然と復興条件を満たせる導線になっています。

 なので、町の復興がハードルになって物語が進められない、というようなジレンマを感じることはなかったし、自分はこれくらいライトでいいかなと感じました。やはり調合、戦闘、採取という要素を楽しむのが『アトリエ』シリーズの醍醐味だと思っているので。

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妖精さんと協力して最高売り上げを目指せ! ヤドギリ堂の運営もライトながら高みを目指す楽しさあり【紅白レスレリ先行レビュー】


 そして町の復興と並んで本作ならではのシステムが、リアスの祖父が経営していたヤドリギ堂でのショップ販売。こちらは素材や調合したアイテムを商品棚に並べたら、妖精さんに話しかけて販売を行います。

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 経営シミュレーションゲームのように、時間の経過で自動的に販売が更新されるのではなく、商品棚に商品を補充して任意のタイミングで行うので、「このタイミングでちょっとお金を稼ぐか」というように、頭を切り換えられます。

 復興と同じようにこちらの比重が重いと、プレイヤーが一度に考えるべきことが増えすぎて混乱しがちなので、こちらもこれくらいがちょうどいいなと感じました。お金をシビアに稼ぐのはけっこうストレスだし、どうせ悩むならば調合に時間を割きたいですよね(笑)。

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 このとき雇っている妖精さんを接客、掃除、仕入れのいずれかに配置することで、売り上げの金額が上がる形になっています。妖精さんは先述した亜空の道でスカウトできるのですが、いかに高い能力の妖精さんをスカウトできるかという要素も、なにげにハクスラ的な楽しみ方ができてよかったです。

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 なお、商品棚にアイテムを並べる際はギフトカラーと呼ばれる、素材やアイテムに付けられている色をつなげることで、販売価格が上がる仕様となっています。1つずつ吟味してもいいのですが、個人的にはオートをガンガン利用するのがオススメかなと。ギフトカラーもつなげるように置いてくれますしね。もし売りたくないアイテムが棚に並んだらはずしておきましょう。

 というわけで、こちらはシステムを掘り下げてレビューをお届けしました。調合に使う素材にカラーが付いているなど、『レスレリ』のエッセンスを抽出している部分がありますが、ほぼ別物といって差し支えないくらい生まれ変わっています。

 よって『レスレリ』をプレイ中の人でも、きっと『アトリエ』シリーズ最新作として新鮮な気持ちでプレイできること間違いなしです。もちろん、『レスレリ』をプレイしたことがなくてもまったく問題ありませんのでご安心を。

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