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『着せ恋』24話(最終話)感想。喜多川さんの告白は成功するのか?

文:米澤崇史

公開日時:

 アニメ『その着せ替え人形は恋をする』第24話(2期12話)“Dear My Dress-Up Darling”の感想記事をお届けします。

【注意】キービジュアルより先のテキストでは、『その着せ替え人形は恋をする』第24話(2期12話)の物語に関する記述が多々あります。そのため本編をご覧になってから読むことをオススメします。[IMAGE]

かわいそうなジュジュ様がかわいい【その着せ替え人形は恋をする】


 早いもので、『着せ恋』2期もついに今回が最終回。五条くんと喜多川さんを見てニヤニヤするのも最後と思うと寂しさが募りますね……。

 最終回では、いよいよ『棺』の合わせ当日が描かれたわけですが、気になるのは、やはり喜多川さんの告白の行方です。必要以上に五条くんを意識しまっていて、不自然に五条くんを避けようとする一幕も。

 更衣室に逃げ込もうとしたあと、サングラスかけているにも関わらず帽子を深く被ろうとしていたのは、そもそも近くに誰もいないのに、それでも恥ずかしさに耐えられずに無意識的にやってしまった……というのが伝わって来るのが良い演出だなと。


 ただ、メイクのためだったとはいえナチュラルに顎クイをやっている五条くんもなかなか罪作りな男です。

 また合わせの面々のコスプレ姿も初めて披露されましたが、やっぱりジュジュ様のクレアはオーラが違うというか、メンバーの中でもひと際目を引きますね。

 アニメなので、実際にはアニメーターの方のさじ加減次第ではあるんですけど、完全に別人のようになっているジュジュ様を見た瞬間「すげぇ」って自然と思ったほどでした。

 ただ、その神秘的な雰囲気に反して、今回のジュジュ様は内心ではひたすらビビりっぱなしでちょっと不憫な感じに。

 怖くてスープを直視できず、喜多川さんにツンデレのテンプレみたいな台詞を言ってしまったり、部屋で体育座りしている姿は、かわいそうだけどかわいかった。

 合わせへの参加を決めた一番の理由は心寿のためだったとしても、前回コスプレの先輩である都から教わったりしている内に、ジュジュ様自身も合わせを楽しみにする気持ちが湧いてきていたんじゃないかという気がします。

推しを前にしたオタクの奇声が完璧すぎた【その着せ替え人形は恋をする】


 そして最終回で明らかになったのが、これまで伏せられていた旭の喜多川さんへの感情の正体。

 周囲の反応からして、おそらくファン的なところなんだろうなと想像はついていたんですが、そのクソデカ感情のスケールが想像の数倍は上を行っていました。


 3人組の中でオタクとして一番重症なのは涼風だと思ってたんですが、もしかすると旭が一番ぶっ飛んでいるかも……と考えが改まったほど。

 今までクールで姉御キャラを通していただけにギャップが凄まじく、とくに「ホントにカワイイィィィ!」という悲鳴のような絶叫をあげるシーンは、推しを前に混乱したオタクが挙げる奇声(?)として完璧すぎて、プロ声優の凄さを実感しました。

 しかし悲鳴を聞いた都が「今のきったねぇ声……」とすぐ思い当たっていたあたり、我々の預かり知らぬところでは、たまにこうなっていたんでしょうね。


 あと、旭のシスターのコスプレがあまりにも似合いすぎていると感じたのは自分だけではないはず。タバコを嗜んで裏社会に精通している、銃の扱いもお手の物なハードボイルドな感じのシスターキャラとして、どっかの作品に出ていてもまったく違和感がなさそうです。

 個人的にいい味を出しているなと感じたのが、撮影後に心寿が泣きじゃくる旭をさすってあげているシーン。

 大の大人が中学生によしよしされている構図と考えると心配になりますが、心寿が中学生とは思えないくらい母性に溢れているのもあって何の違和感もない不思議。

 あと心寿って、結構引っ込み思案で内気そうなイメージもありますが、そこそこ年が離れている涼風たちと一瞬で仲良くなってますし、実はかなりのコミュ強なキャラだよな……と改めて思いました。

覚悟を決めた喜多川さんの告白の行方は…?【その着せ替え人形は恋をする】


 そして最大の見どころとなったのは、やっぱり合わせのあとの五条くんと喜多川さんですよね。

 それまでの旭のエピソードも、喜多川さん自身も早く“推し”だと伝えて欲しかったと、五条くんへの気持ちを後押しするような形で繋がってきたのがアツかったです。


 ただ、最終的に喜多川さんが口にしたのは「ツーショ撮って」で、告白ではなかったわけなんですが、最後の喜多川さんの様子を見ていると単に日和って勇気が出ず、他の言葉で誤魔化したという、ラブコメでよくあるギャグオチとは違うなとも感じました。

 もし言えなかったなら「やってしまった」みたいな表情を喜多川さんが見せたはずで、すぐにツーショットを大喜びで撮っていたあたり、五条くんを最後に呼び止めた時点で、ツーショットのことを切り出そうと決めていたんだろうなと。


 途中で喜多川さんの気持ちが変わったとすると、やはりその直前に五条くんの話を聞いたからだと思っていて、五条くんの純粋なコスプレへの想いを聞いて、まだ今はカップルになるよりも、二人でコスプレを楽しみたい……という想いの方が強くなり、結果ツーショットという形に落ち着いたのかなと思ったりもしました。

 結ばれた二人を見たかった気持ちは強かったですが、まだこの付き合ってそうで付き合ってない二人の距離感が良いんだという気持ちも同じくらいありますし、この先は楽しみとしてとっておこうかなと。

 別れ際にジュジュ様たちが口にしていた「またね」という挨拶が、どこか視聴者に向けた言葉のようにも聞こえますし、またアニメでも会える機会がいつか来るんじゃないかと期待しています。

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米澤崇史:ロボットアニメとRPG、ギャルゲーを愛するゲームライター。幼少期の勇者シリーズとSDガンダムとの出会いをきっかけに、ロボットアニメにのめり込む。今もっとも欲しいものは、プラモデルとフィギュアを飾るための専用のスペース。

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