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「僕の龍を行かせました」…1度は言ってみたいセリフでおばけ退治をする陰陽師が凄すぎる【怖い話してもいいですか?】

文:電撃オンライン

公開日時:

 ホラーゲームの開発を行う株式会社FORCESの仁平孝佳氏が体験または聞いたオカルトエピソードをお届けするコラム“怖い話してもいいですか?”。

 今回は仁平氏の地元にまつわる“龍の穴”の話をお届けします。

[IMAGE]※場所や人物を特定できないよう、エピソード内にあえて脚色をくわえている場合があります。

龍を使って地元の調査とお化け退治!


 僕の実家はのどかな村です。

 周りを山に囲まれ、あるのは田んぼと畑とゴルフ場、高校生までの思い出が詰まった場所です。

 僕は実家も家族も大好きですが、地元を包む空気には言い知れない暗さのようなものがあって、そこだけは好きになれませんでした。

 家の中にいても何か暗い。

 窓から見える外の景色も何だか暗い。

 トイレに行くのも風呂に入るのも常に怖かったし、とにかく何か暗かったという印象なんです。

 集落の真ん中にある道を進む途中にかなり大きなお地蔵様が鎮座しています。立ち上がったら2メートル近くあるかもしれません。

陰陽師
「仁平さん! なんですかあれ!」

 そのお地蔵様を見た陰陽師が珍しく興奮気味に言いました。

仁平
「え、なにか変ですか?」
陰陽師
「変ですよ! あんな大きなお地蔵様なかなか見ません」

 生まれる前からあるものだから、それが当たり前に思っていましたが、確かにこんなに大きなお地蔵様は他であまり見たことがない。

陰陽師
「昔、ここは戦場か何かだったのかもしれません、沢山人が亡くなったんでしょうね」

 いきなり陰陽師を連れて実家に帰ったら親が驚くし心配すると思うので、そこはスルーして近くのお墓で車を停めました。

 このお墓は集落の直ぐ裏にある小山にあり、集落の様子が眺められる位置にあります。

 お墓の周りもどこまでも田んぼに囲まれていて、青々とした絨毯のような夏の稲が続いています。僕の好きな田舎の景色の一つです。

 車を降り、辺りを眺めつつ陰陽師が言いました。

陰陽師
「大小いろんなお化けが沢山いますね、何だか暗い雰囲気なのはそれのせいです」

 暗い雰囲気だって話はしていないはず…。

陰陽師
「さて、帰りましょうか」
仁平
「え、何もしないんですか?」
陰陽師
「もうしました。仁平さんの御実家がこの土地の中心にあるので、そこに大きな穴を開けて僕の龍を行かせました」

 何それ凄い。今ウチの実家の庭にデカい穴空いてて、そこに龍が飛び込んでいったってこと…?

陰陽師
「1週間くらい掛けて僕の龍がこの辺りの調査とお化け退治をしてくれますので、もう安心です」

 僕の龍って自分も言ってみたい。

 ……1週間後のいつもの喫茶店。

陰陽師
「あの後、地中に開けた穴から光の柱を立てました。あの周辺の悪いお化け全部、その光の柱に乗って空に消えました」

 ウチの実家の庭にデカい穴と天まで続く光の柱が立ってたそうです。RPGの終盤みたいですね。

陰陽師
「昔、あそこで何か沢山の命が落とされるようなことがあったようです。あのお地蔵様はそのためでしょう」
陰陽師
「他にも、集落を囲むように神社がありました。でもその内の一つは荒れ果てて、おそらくもう神様はいませんね」

 あの辺に神社があったなんて初耳です。

陰陽師
「次にご実家に帰る機会があったら意識して見てみてください。雰囲気が変わっていますから」

 そんな風に言われたら、何も変わっていなくても変わったように感じてしまうじゃないか。

 しかし、数ヶ月後のゴールデンウィークで帰省した際。たまたま久しぶりに来ていた妹が言うんです。

「私、子供の頃自分の家っていうか、この辺が怖かったんだよね。なんか暗くて、カーテンとか開けられなかった」
仁平
「え?」
「でもさ、今日久しぶりに帰ってきたら明るいんだよね。なんか居心地良くなったよね」

 妹は陰陽師の回し者なのかと思うくらい、綺麗すぎる一連の流れでした。

 これ以上の詳細は控えさせていただきますが、この後、実家に住む家族たちに立て続けに幸運なことが起きていったんです。

 陰陽師に言わせれば、幸運が起きたのではなく、むしろ今までが邪魔されていたのだという話ですが。

 後から知ることになるのですが、あの土地では昔、家一軒を残して全てが焼失するほどの大火事がありました。

 それを神の怒りと考えた住民たちが、土地を囲むようにして神社を建てたのだそうです。

 父がまだ子供の頃には毎年三つの神社を巡る祭りが行われていたのですが、人が減っていく中で、いつの頃からか無くなってしまったのだとか。

 実はこの3つの神社の内の1社は僕にとってとても縁深いものなのですが、それはまた別のお話で。

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