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『ゼルダ無双 封印戦記』レビュー:『ティアーズ』で語られていない記憶を追体験できる物語。『ゼルダ無双』&『ティアーズ』ガチ勢が語る最新作の魅力

文:シュー

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 コーエーテクモゲームスより11月6日発売予定のNintendo Switch 2 用ソフト『ゼルダ無双 封印戦記』。本作は、2023年に発売された『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』における過去の大戦"封印戦争"を描く物語で、本編では語られなかった詳細を追体験できるタイトルです。

 この記事では、『ゼルダ無双 封印戦記』のレビューを大きなネタバレを伏せながらお届けしていきます。

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『ティアーズ』の過去を描く物語【ゼルダ無双 封印戦記 レビュー】


 ゲーム開始直後。いきなりカットシーンから始まりました。そこにはハイラル王国初代国王のラウル様と王妃ソニア様のお姿が。そして平原に横たわるゼルダの姿。そう、これはまさに『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム(以下、ティアーズ)』におけるイベントの一幕から始まります。

 もうこの時点で『ティアーズ』プレイヤーの僕はテンション爆上がり。『ゼルダの伝説』で無双アクションを楽しめるのが本シリーズの良さなのですが、前作『ゼルダ無双 厄災の黙示録』と同様に本編で語られなかった部分を覗き見れる瞬間も本シリーズの大きな魅力。言うなれば世界観を補完する新たな物語を見れるわけですから!!

 ……まぁこのあたりでいったん平静を取り戻して。そう本作は過去に起きた封印戦争を時系列順に追体験していくのがメインストーリーになります。『ティアーズ』では断片的に描かれたイベントでしたが、内容は飛び飛びでした。その記録と記録の間を繋ぐエピソードが、今回『ゼルダ無双 封印戦記』で語られていくわけです。

 キャラクターは公式サイトでも紹介されているように、ゼルダやラウル様、ソニア様、ミネル様を筆頭にゴロン族やゾーラ族の族長たちが登場し、彼らがどう仲間に加わるかやその想いなども知ることができます。そのなかでも、とくに注目したいのが謎のゴーレムとコログのカラモの2人。

 『ティアーズ』では一切登場しなかったこの2人。もしかしたら歴史の影に隠れたヒーローなのかもしれません。カラモは各地を旅しているお調子者なコログで、その道中で彼は謎のゴーレムと出くわし、声を発さない謎のゴーレムを相棒と称して一緒に旅を続けることになります。

 個人的にこの2人がいいなと思ったのは、カラモの明るさ、そして相棒の謎のゴーレムに振り回されるコメディリリーフな感じです。物語的にはハイラル各地が敵"邪(じゃ)"に侵食されて暗くなっていき、暗雲が立ち込める雰囲気がありますが、そんな中でカラモの明るさ、ギャグシーンに助けられてる印象を受けました。

 謎のゴーレムが突き進んでいくのに対して「俺を置いていかないでくれ~~!」的なことを言って必死に追いかけるカラモの姿。それでも逃げ出さずに一緒に立ち向かう勇気や自信の表れもそうですが、そんな3枚目な姿がとくにお気に入りです。彼らが今後、物語の軸にどう絡んでくるのか。そして最終的に何を残していくのかものすごく気になっています。

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ゾナウギアとシンクストライクによるアクションの拡張【ゼルダ無双 封印戦記 レビュー】


 パワーアップした無双アクションもかなりよい感触です。基本的なアクションの操作方法に大きな変化はありませんが、むしろNintendo Switch 2 専用のため全体的に滑らかになったことでスムーズさが際立つ印象です。相変わらず攻撃中にガードや回避ですぐさま行動をキャンセルできますし、後述の固有技やシンクストライクも派手で楽しいなどなど、アクションのレスポンスがとにかく良いんです。

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 敵の特定の攻撃に対するカウンター要素も健在で、今作では各キャラごとに固有技を習得していき、それを用いて敵の危険な攻撃を打ち破れます。もし対応する属性の固有技を習得していなくても、その場合は対応するゾナウギアで対処可能と選択肢も広く用意されており、序盤だからカウンターできないなんてこともありません。また育っていないキャラを使用してもゾナウギアがあれば、ちゃんと対処できる点はしっかり考えられているなと感じました。

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 『ティアーズ』といえばのゾナウギア。火龍の頭をはじめ、タイマーバクダンやロケット、大砲、扇風機など本編に登場したさまざまなゾナウギアが使用できます。使用にはバッテリーを消費しますが、敵を炎上させたり、凍結させたりしてウィークポイントゲージにダメージを与えられる優れモノ。ちなみに、バッテリーはスペアバッテリーで回復できるほか、フィールド上に落ちているので簡単に充電できます。

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 『ゼルダ無双』におけるウィークポイントゲージを削り切ることは強敵とのバトルで必須の行動。これを必殺技やシンクストライク以外に、ゾナウギアを用いて能動的に出現させる手段が増えているのはゲームスピードの向上にもなっていて、かなりグッド! 凍結させた敵にバクダンを投げつけると大ダメージを与えられたりと、ちょっとしたコンボ要素もあるので、攻略もはかどりそうです!

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 また一部のキャラは強攻撃のアクションにゾナウギアを用いることで攻撃を拡張させる要素もありました。例えばただの回転攻撃にゾナウギアを用いて火を出しながら回転する、などです。アクションによってセットできるゾナウギアはある程度固定ですが、火龍の頭に関しては氷や雷と属性があるため、ここは任意の属性に変更できるようでした。これをうまく使えば、敵を簡単に炎上させることもでき、弱点も突きやすくなるなど、戦略性がかなり広がっています。

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 そして新要素のシンクストライク。これは専用のゲージを消費して近くにいる仲間と繰り出せるもので、必殺技に相当するかなり強力なものです。特定のタッグの仲間によって専用演出もあり、パターンも豊富なので第2の必殺技としてだけでなく、いろいろなキャラの組み合わせをついつい試したくなります! そういうワクワク感もいいですよね。

三層構造の広大なマップ【ゼルダ無双 封印戦記 レビュー】


 マップ上から向かうミッションを選択する形式も変わらず。大きな違いは『ティアーズ』と同様に空、地上、地底の3つのマップが用意されている点です。本編と同じく空にはゴーレムが中心で、地上はボコブリンなどの魔物系。地底にはデグガーマなど出現する敵の傾向もしっかり分かれています。

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 ちなみに地底ではポゥをよく見かけるのですが、専用の取引所でアイテムと交換できるところも再現されてます。なので、本編同様に白い魂を見付けたらつい集めちゃう習性が再燃していますね!

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 マップ上ではアイテムを納品することで各キャラのアクションが増えたり、新しい固有技をひらめいたり、必殺技ゲージが増えたりと、ステータスを向上させるのもいつも通り。嬉しいのは、本作では納品のためにステージを周回した経験が現状ありません。進行通りにミッションをクリアするだけで必要なものがほぼ集まっています。

 またその助けとなるのが、つぶやきチャレンジ。各キャラごとの小さな目標のようなもので「◯◯で必殺技を1回発動する」「1回のバトルで300体撃破する」といった内容をクリアしていくだけで素材やルピーが手に入ります。

 いろいろなキャラを操作して遊びながら、これらの目標を達成していくだけでいいので、"メインを進める前にすべての目標終わってから先に進みたいよ~"という僕のようなタイプのゲーマーでもゲーム進行が止まることなく、かなりストレスフリーで遊べています。

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 そのほか、納品したアイテムに応じて経験値アップや移動速度アップなどのステータスアップを受けられる、ステージ上に設置できる野営地が存在。ゲームを進めると味方拠点に瞬時に移動できるゾナウギアが手に入ったりと利便性がどんどん向上していくので、先に進むのが楽しみになっています。

 各キャラの固有アクションの個性も特徴的です。光の力を使うゼルダやウルトラハンドによる広範囲攻撃が特徴なラウル様をはじめ、ゾナウギアの使用に特化したミネル様。多彩な木の実を投げて属性ダメージを与えられるカラモなど動かしているだけで楽しいキャラばかり! そのほかにも使用キャラは多数登場していますが、ここではまだ伏せておきます。

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 キャラクター同士の協力アクションのシンクストライクをはじめ、ゾナウギアを用いたアクションや三層構造のマップなど『ティアーズ』の要素もたっぷり盛り込まれている本作。『ティアーズ』では語られなかった隠されたハイラルの歴史を、ぜひその目で確かめてみてください。『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』につながる物語がここにあります。

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