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実は守護神に救われていた!? 海水浴場で溺れた経験を言い当てる陰陽師【怖い話してもいいですか?】

文:電撃オンライン

公開日時:

 ホラーゲームの開発を行う株式会社FORCESの仁平孝佳氏が体験または聞いたオカルトエピソードをお届けするコラム“怖い話してもいいですか?”。

 今回は守護神によって救われていた話をお届けします。

[IMAGE]※場所や人物を特定できないよう、エピソード内にあえて脚色をくわえている場合があります。

実は守護神によって救われていた!? 守護神にまつわる話が凄すぎる!

仁平
「守護霊と守護神って、誰にでもいるものなんですか?」

 いつもとは違う店でコーヒーを飲みながら、ふと気になっていたことを聞いてみた。

陰陽師
「守護霊はいますが、守護神は神棚になれる資質のある人にしか降りてきません。」

 神棚になれる資質……世の中にはいろんな資質があるものだ。

陰陽師
「仁平さんには守護神がいますよ。」

仁平
「ええ!?」

やばい、それはかっこいい。

陰陽師
「大学生の時に、海で溺れ死にそうになりましたよね?」

仁平
「はい」

 思い出すと、本当に奇跡としか言いようのない出来事だった。

 僕は海沿いにある大学に通っていたのだが、3年生の夏、高校時代の友人たちと海水浴に出かけた。

 久しぶりの海にはしゃいで、普段なら絶対に行かない沖まで泳いでしまったのだ。

 そろそろ戻ろうと砂浜に向かって泳ぎ始めたが、信じられないほど進まない。おそらく離岸流に巻き込まれていたのだろう。

 遠くの砂浜にいる友人たちに向かって必死で叫んだが、距離がありすぎるうえ、波の音にかき消されて届かない。

 そこへ、サーフボードに乗ったサーファーがすぐ近くまでやって来た。 どう考えても助けを求めるべきだったのに、恥ずかしさから言い出せなかった。今思えば、あまりにも愚かな選択だった。

 その後も一向に砂浜へ戻れず、泳げど泳げど、むしろ沖へ流されているようにさえ感じた。 体力の限界が近づき、明確な“死”が頭をよぎった。人生で二度目の走馬灯が駆け巡る。

 それでも、まだ現実を受け入れきれない。

「こんなにも簡単に人は死ぬのか」
「いや、絶対に死にたくない」

 その思いが弾け、ほとんど動かなくなっていた体を死に物狂いで動かした。気づいた時、僕は砂浜に倒れていた。おそらく気を失っていたのだろう。

 友人たちが駆け寄り、声をかけてくれていたが、視界も耳もぼやけ、フラフラと立ち上がるのがやっとだった。

陰陽師
「その時に助けに来てくれたのが守護神です。」

仁平
「助けに来た!?」

陰陽師
「はい。その後も何度か助けてくれています。」

 正直、身に覚えがある。

仁平
「でも、助けに来たってどういうことですか? 普段はどこかの神社にいる神様ってことですか?」

陰陽師
「そうです」

仁平
「だとしたら、お礼を言いに行きたいです。どこの神社ですか?」

 すると、陰陽師はニコニコしながら言った。

陰陽師
「いずれ分かりますよ」

 そんなやりとりがあったことをすっかり忘れた頃の夏休み、僕は家族と共に実家に帰省していた。

 夕飯を早々に終え、一人で居間でくつろいでいると、妻がダイニングキッチンからやって来て言った。

「今、お義母さんから聞いたんだけど、この近くに神社があって、新しく子供が生まれたり結婚したりしたら挨拶に行くんだって」

 初耳だった。そんな風習があったこともだが、そもそも近くに神社なんてあっただろうか?

仁平
「どこの神社?」

「二階からも見えるくらい近いみたいよ。明日行く?」

 翌日、僕は妻とともにその神社へ向かった。

「なんかお腹痛いから、やっぱり私はやめとく」

 急に妻がそう言い出し、僕は一人で鳥居をくぐった。小さな鳥居で、頭をぶつけそうになった。

 その先には石段があり、登ると小さな境内が現れた。

 決して立派とは言えないが、誰かが手入れしているのか、清潔で整った印象を受けた。二礼二拍手をし、手を合わせたその瞬間──分かってしまった。

 としか言いようのない感覚が降りてきた。ここだ、この神様だ。

 あの日の「いずれ分かる」という言葉が、鮮明に記憶の中に蘇る。そして、そのまま……不思議というか、異様というか、涙が溢れ、止まらなくなった。

 ただただ、感謝の気持ちだった。

仁平
「ということがありまして」

 数カ月後、陰陽師と会う機会があり、そのことを報告した。

陰陽師
「それは良かったですね」

仁平
「でも、おかしなことがあって、その時のことを妻に話したら覚えてないって言うんですよ」

「ウチの親に聞いたって言ってたよ?」と念を押しても、妻は「そんな話してないよ」と首をかしげるばかり。

 すると、陰陽師はいつもの笑顔で言った。

陰陽師
「言わされたんですねぇ。仁平さんだけが呼ばれたってことです」

 なにそれ、怖いけどカッコいい。

仁平
「あ、ちなみにあなたにも守護神はいるんですか?」

陰陽師
「いますよ。大きな龍と、小さい龍と、阿修羅と、他合わせて全部で8体ですね」

 そんなポ◯モンみたいに……。

陰陽師
「大きな龍は、サイズで言うと顔だけで畳2畳分くらいあります。結構扱いが大変だったんですよ。すぐオバケ食べようとするんで」

 ますますポ◯モンみたいじゃないか。

陰陽師
「僕は武者修行でホラースポットによく行くんですけど、そういうところに行くと、この龍が食わせろって言ってくるんですよ。あ、仁平さんも今度修行しに行きましょう」

 飯に行くくらいのノリでサラッと言うんだよなぁ。ものすごく乗りたくない誘いだけど、同じくらい興味もある。

仁平
「修行かぁ……行きたくねー」

 ああ、これはいつか行くことになるんだろうなぁと理解しつつ、ボソッと言葉に出ていました。

【株式会社FORCES】発売・開発中のゲームタイトル

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