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『キングダム』第6期10話感想。楊端和の前に立ちはだかる犬戎族の王・ロゾ……強者のオーラに嫌な予感が止まらない

文:タダツグ

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 TVアニメ『キングダム』第6シリーズ10話“犬戎の末裔”の感想をお届けします。

【注意】キービジュアルより先のテキストでは、『キングダム』第6シリーズ10話の物語に関する記述が多々あります。そのため本編をご覧になってから読むことをオススメします。[IMAGE]

冴えわたる王賁の槍! 馬南慈との一騎打ちの結末は……【キングダム】

 朱海平原の戦いは初日から大激戦。左翼で蒙恬(もうてん)と紀彗(きすい)が火花を散らすなか、右翼では王賁(おうほん)が率いる玉鳳隊が躍動。李牧(りぼく)も認める趙軍の猛者・馬南慈(ばなんじ)軍の猛進撃を食い止め、王賁はそのまま馬南慈との一騎打ちに突入しました。

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▲TVアニメ『キングダム』公式サイトより。

 剛腕を誇る馬南慈が矛を振りかぶる刹那、電光石火の一閃で槍による連撃を繰り出す王賁の雄姿……思わず惚れ惚れしましたよ。歴戦の将である馬南慈ですら「これほどの槍使いは初めてだ」と舌を巻くその戦いぶり……何がカッコいいって“間合いを完全に制している”ところなんですよね。

 相手が攻撃を繰り出す前に、間合いの外から高速で突きを繰り出す。槍という武器の特性を完全に理解し使いこなす王賁の姿には、彼のたゆまぬ努力が垣間見えるようでグッときました。もうそのまま馬南慈を討ってしまえ……と手に汗を握ってしまいましたよ。そうは問屋が卸しませんでしたが。

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▲TVアニメ『キングダム』公式サイトより。

 王賁の完璧な策にまさかの腕力で割って入ってきた馬南慈は、やはり只者ではない印象。パワー偏重の脳筋かと思いきや、戦いの大局をしっかり見極める頭脳も持ち合わせており、存在感は圧倒的です。まだ初日でありながら、右翼の戦いはさらに激しさを増していきそう。王賁の更なる活躍が重要になりそうで見逃せませんね。

楊端和の前に現れたのは犬戎王・ロゾ! 野性と野性が激しくぶつかり合う【キングダム】

 朱海平原の戦いに見入っていたところで、Bパートでは撩陽(りょうよう)方面を攻める楊端和(ようたんわ)と山の民の軍にスポットが当たることに。朱海平原で李牧とやり合う王翦軍、鄴に籠城戦を仕掛ける桓騎(かんき)の軍、そして撩陽を攻める楊端和の軍と、複数の戦場が描かれるこの第6シーズンは、いよいよ壮大な群像劇の様相を呈してきています。単純に胸が躍る! 撩陽は撩陽で、趙軍の舜水樹(しゅんすいじゅ)の動きが気になってましたからね。

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▲TVアニメ『キングダム』公式サイトより。

 とはいえ、楊端和の進軍を止めたのはその舜水樹にあらず。野性味あふれる戦い方で趙軍を脅かしていた山の民たちの前に立ちはだかったのは、同じく大自然の根城にしてきたもう一つの野生の軍・犬戎族(けんじゅうぞく)でした。な、なんじゃこいつら……。

 獣の皮を被り、山の民とも互角以上の戦いを繰り広げる犬戎族たち。彼らを束ねる王の名はロゾ……。一度は舜水樹ですら斬り捨てようとしたこの男、ぶっちゃけかなり強そうなんですよね。身に纏っているオーラがハンパじゃない!

 これは随分メタ的な感想になるのですが、ロゾの声優は立木文彦さんということで……。なんかもう、声を聴いた瞬間に「あ、コイツは超重要キャラだ」ってわかるじゃないですか(苦笑)。楊端和の能力をすぐに見抜き、その戦略や戦闘力を高く評価したところもじつに恐ろしい。ちょっとくらい侮ってくれたほうが虚を突きやすかったんだけど……。

 ちなみにロゾと舜水樹のやり取りを見るに、どうやらこの獣のような男もあの李牧のことはしっかり有能だと認めている様子。馬南慈といい舜水樹といい、このロゾといい、李牧はいったいどれだけの有能な武将を抱えているのか? 意味不明すぎて頭が痛くなりますよ。

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▲TVアニメ『キングダム』公式サイトより。

 楊端和の山の民の軍とロゾの犬戎の軍、実力は拮抗しているように見える撩陽の戦い。こうなると、王翦の策で援軍として山の民の軍に加わった壁(へき)将軍が、かなり重要な役割を果たす予感がします。……まあ今のところは壁のあんちゃん、目立った活躍はしていませんが(笑)。後輩である信たちが次々と華々しい戦果を打ち立てているだけに、そろそろ見せ場がほしいところですからね。ここで男を上げる活躍を期待してしまいます。

 ちなみに、今週もほとんど見せ場がなかった信と飛信隊ですが、王翦の命令で秘かに精鋭部隊が最前線へと送り出される形になったので、来週はしっかりと活躍してくれそう。群像劇も大好きですが、やはりお話の中心には主人公がどっしりと構えていてほしい!
 
 そんな信のターゲットは、黒羊宮の戦いで因縁が生まれている紀彗。いったいどんな戦いが繰り広げられるのか、今からワクワクするというか、マジで期待しちゃいますよね。次回が待ち遠しわけですが……それでは今回はこのへんで!

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