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『ドラクエスマグロ』リリース直前。ゲーム内容や制作秘話を開発チーム&DQ生みの親 堀井雄二氏に聞いてみた【ドラゴンクエストスマッシュグロウ:インタビュー】

文:スズタク

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 スクウェア・エニックスから4月21日(火)サービス開始予定のiOS/Android向けローグライトRPG『ドラゴンクエストスマッシュグロウ』。その開発者インタビューを掲載します。


 事前登録が始まり、ファンの期待が大いに高まる『ドラゴンクエストスマッシュグロウ(DQスマグロ)』。電撃オンラインでは、ゼネラルディレクターの堀井雄二さんと開発スタッフのインタビューを3本にわたってお届けします。

 インタビュー前編では、本作が誕生したきっかけや、『スマッシュグロウ』というタイトルに込められた秘話などを公開!

▲本作のゼネラルディレクターである堀井雄二さん。「ドラゴンクエスト」シリーズの生みの親です。
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タイトルの名付け親は堀井さん。知っている単語と知らない単語を合わせて“引っかかり”を生む【ドラゴンクエストスマッシュグロウ:インタビュー】


――まずは、ゲームの概要についてご説明いただけますでしょうか?

開発スタッフ(以下、開発) はい、『ドラゴンクエストスマッシュグロウ』は、まものの群れをぶっとばす、爽快感ぶっちぎりな冒険が楽しめる「ドラゴンクエスト」の新作スマホゲームです。

 スマホ縦持ち・指一本のシンプル操作のアクションバトルと、ダンジョン挑戦ごとにランダムに獲得する「冒険スキル」によって、「脳汁感あふれる」プレイが楽しめる、ローグライトRPGの「ドラゴンクエスト」となります。

 カジュアルに楽しめる一方で、やりこみ要素の豊富なRPGでもあり、ストーリーを読み進めながら世界を冒険し、転職や装備編成で3人のキャラクターをカスタマイズして自分なりのパーティを作り上げ、強力なボスやダンジョンに挑んでいったり、リアルタイム通信のマルチプレイに参加して、最大4人のプレイヤーで協力バトルに挑戦することもできます。

 「ドラゴンクエスト」のスマホRPGとして、安心してお楽しみいただけると思います。

 もう間もなくのグローバル同時配信を目指して準備中で、今現在、各プラットフォームで事前登録受付中です。


――開発のスタート地点について教えてください。数あるジャンルのなかでアクションゲームとして、そして世界同時展開を見据えたタイトルとして企画されたきっかけは何だったのでしょうか?

堀井雄二氏(以下、敬称略) きっかけとしては、最初に開発チームのほうから「スマホで世界を目指したい」という相談があったんですよね。

 スマホって画面を直接タッチして遊ぶから、コマンドをポチポチ選ぶより、指で直感的に動かすアクションのほうが、理屈抜きでわかりやすいんじゃないかと思いまして。「じゃあ、シンプルに操作できるアクションでやってみたらいいんじゃない?」とGOサインを出して、そこから動き出したんです。

開発 最近は「DQ」シリーズのコンソール(家庭用ゲーム機)向けのタイトルが海外でも広く展開されていて、堀井さん自身が海外のイベントなどに出演されていることもあり、世界中に「DQ」ファンの方がたくさんいらっしゃいます。

 ただ、スマホ向けタイトルに関しては、日本と海外で同時配信するというケースがこれまでなかなかなかったんです。そこを一緒に実現できたら素晴らしいんじゃないかと堀井さんとお話しして、このプロジェクトが始まりました。

――タイトルの『スマッシュグロウ』という言葉には、どのような意味や想いが込められているのでしょうか?

堀井 初めは開発チームが『ドラゴンクエストスマッシュ』というタイトルをつけていたんですが、なんか物足りなさを感じていたみたいでして。

 それで僕のところに相談にきたので、ローグライト的な成長要素があると聞いていたので「じゃあ“グロウ(成長)”という言葉をつけたら?」と提案したんです。


 初代『ドラゴンクエスト』のときも、当時“ドラゴン”はみんな知っているけど“クエスト”という言葉はあまり馴染みがありませんでした。その「なんだろう?」という引っかかりが大事なんですよね。

 2つとも知られてない単語だとやっぱりわからないし、逆に2つとも知ってる単語だと神秘性がない。知ってる単語と知らない単語を合わせるっていうのが僕のいつものやり方で、今回もネーミングさせてもらいました。

 『スマッシュグロウ』も、“スマッシュ”は分かるけど“グロウ”って何だろう……と印象に残るでしょう?

開発 堀井さんの言うとおり、私たちもローグライトというジャンルをどうわかりやすくユーザーのみなさんに伝えようか悩んでいたので、“グロウ”という言葉を提案していただいたことで、ゲームの魅力がすごく伝わりやすくなったと感じています。

 “スマッシュ”は指1本の簡単操作で敵をぶっ飛ばす爽快感、“グロウ”はステージに挑むたびに一時的なパワーアップを重ねていくローグライトの遊びを指しています。

――では、本作のタイトルの名付け親は堀井さんなのですね。

開発 はい、間違いなく!

――略称が『スマグロ』になることは最初から想定されていましたか?

堀井 開発のみんなは『スマグロ』という響きがちょっと強いかな、と心配していたみたいです(笑)。

開発 ただ、実際に口に出してみると言いやすいですし、一度聞いたら忘れられない名前になったので、これでいこうとすんなり決まりました。

 タイトルが決定してから、敵をぶっ飛ばすスマッシュの演出だったり、冒険スキルを得るためのアイテムを“グロウ結晶”と名付けるなど、ゲーム内の企画もどんどん膨らんでいきましたね。

ゼネラルディレクターとして“ゲームの入口”を重点的に監修【ドラゴンクエストスマッシュグロウ:インタビュー】


――堀井さんはゼネラルディレクターという立場ですが、具体的にどのような形で開発に関わられているのでしょうか?

堀井 基本的にはチームがある程度ゲームの形になったものを持ってきたタイミングで、僕が実際にプレイしながらああだこうだ言うのが大体の役割です(笑)。

開発 「DQ」って毎回システムが違うので、チームもどうしたらより「DQ」らしくなるかで悩むことが多く、堀井さんには何度も相談に乗っていただきました。

 たとえば、モンスターが落とす装備アイテムの“メモリ”やプレイヤーがゲーム冒頭で受け取って冒険の記録を付けていく特別な書物の“冒険の書S”などの名付け親も堀井さんです。冒険の書Sは、当初“大冒険の書”という名称でした。


 そうした堀井節をいただくたびに、ゲームがどんどん「DQ」らしくなっていくのを感じました。

堀井 「DQ」ってやっぱりシンプルなソフトでどれだけ魅せるか、みたいなところがあるので。

――「DQ」シリーズのスマホゲームは現在も『ウォーク』や『タクト』がサービス中ですが、そのなかで『スマグロ』はどのような新しい挑戦を目指していますか?

開発 これまでどおりRPGとしての楽しさを維持しつつも、バトルシステムを新たに作り上げることに注力しました。触って楽しい、指で動かす直感的な気持ちよさを提供するというのは、とくにチャレンジした部分です。

 操作感自体はすごくカンタンなんですが、そこにパーティ編成や装備変更、戦闘中のキャラクター切り替えコマンドなどを入れたことで、奥深い戦略性が生まれたと思っています。

 ちょっとした空き時間に、もう一回だけちょっと触ってみようかなと思えるようなゲームに仕上がったんじゃないかと思っています。

――開発中の印象深いエピソードはありますか?

堀井 序盤のゲーム設計については、けっこうやり取りしましたね。ローグライトって普通はスキルを選ぶときに3択が多いんですが、最初は2択でいいんじゃないかという話をしました。
開発 実際に、一番最初にユーザーのみなさんが触れる部分を重点的にプレイしていただき、ご相談しました。

 開発側としては、ついいろんなスキルを最初から見せたくなってしまうんですが、堀井さんから「いきなりいろいろ選ばせるんじゃなくて、まずは選ぶ楽しさを覚えてもらって、触りながら自然に覚えていく調整がいい」と指摘されたのを覚えています。

 自分たちは毎日作っているからこそ慣れてしまって気づけない部分を、的確にアドバイスしていただきました。

堀井 まあ、要は入口ですよね。ゲームの入口はやっぱり肝心なので。

 ゲームって、うまくできているとプレイヤーは“うまくできている”ことにすら気づかないんですよ。普通だと思って素直に遊べちゃう。その“自然にできる”という状態に持っていくのが一番大事なんですよね。

――縦画面のゲームにすることは最初から決まっていたのでしょうか?

堀井 そうですね。スマホゲームはやっぱり手軽に遊べることが大事かなと。画面を横にするだけで、ちょっとめんどくさいなと思っちゃう人が多いので、そこは最初から縦持ちがいいと言っていたんです。

開発 画面の縦持ち固定は最初から決まっていたことでした。

 キャラクターの背後にカメラがグッと迫るような視点のほうが見栄えはいいんですが、それだと状況が分かりづらくなってしまいます。そのため、少しカメラを引いて視界を広く保つように調整しました。

堀井 映像の派手さよりも遊びやすさを優先して視界を広く作ってあるので、すごく「DQ」らしくてプレイしやすいと思いますよ。

――実際に堀井さんが『DQスマグロ』を遊んでみていかがでしたか?

堀井 「DQ」のユーザーさんって、アクションが得意な人はそこまで多くないと思うんですよね。

 そういう人でも操作がカンタンなのですぐに遊べますし、触ってるうちにすごい技を出しちゃったりしてうれしくなる作りになっています。このあたりはうまくできているんじゃないかと思うので、ぜひ遊んでみてほしいです。

 あと、モンスターも作り込んであって動きが凝ってますね。それを見てるだけでも楽しい気分になってきます。

開発 3Dアクションでこんなにモンスターがぴょこぴょこ動いてる「DQ」アプリは少ないかなと思うので、そういった部分にも注目してみてください!

――インタビュー中編へ続く。

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