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『ディシディア デュエルム FF』開発秘話。“現代の東京”という大胆な設定と、ユーザーの声に寄り添う“爆速”運営の裏側に迫る【プロデューサーインタビュー:前編】

文:スズタク

公開日時:

最終更新:

 スクウェア・エニックスから配信中の『ディシディア デュエルム ファイナルファンタジー(以下、ディシディア デュエルム)』。その開発者インタビューを掲載します。

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 配信から1カ月がたち、日々アツイ対戦が繰り広げられる『ディシディア デュエルム』。電撃オンラインでは、プロデューサーの松本直也さんのインタビューを2本にわたってお届けします。

 インタビュー前半では、本作の運営方針や開発の原点などを深く掘り下げていきます!

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とにかくスピード感を持ってユーザーの声に寄り添う【ディシディア デュエルム FF:インタビュー】


――先月3月24日の配信開始から1カ月がたちましたが、今の率直なご心境はいかがでしょうか?

松本直也氏
(以下、敬称略) 多くの方に遊んでいただけていることを、日々ありがたく感じています。

 本作は対戦ゲームが好きな方はもちろん、これまでFFシリーズを主に1人で楽しんできた方や、対戦ゲームにあまり触れてこなかった方にも遊んでいただきたい、という思いで制作してきました。

 実際に「思ったより遊びやすい」「自分でも楽しめそう」といった声もいただいており、幅広い方に楽しんでいただけていることをとても嬉しく思っています。


 また、『ディシディア デュエルム』はキャラクターにかなり力を入れていますが、そこに対しても皆さまから多くの反響をいただいており、開発チームがこだわってきた部分を受け取っていただけたことは、大きな励みになっています。

――プレイヤー目線でも、本作はユーザーから好意的に受け止められている印象があります。

松本
ありがたい限りです。一方で、ご不満な点をご指摘いただくことも多いです。そうしたご意見も真摯に受け止め、とにかくスピード感を持って対応し、できる限りプレイヤーの皆さまに寄り添う姿勢を貫いていこうと思っています。

 SNSやお問い合わせだけでなく、ゲーム内データやプレイ傾向も参考にして課題解決に取り組んでいます。

 勝率などのプレイヤーデータもちゃんと見て、早めに行ったほうがいい改善については、話し合いからすぐに修正を入れて告知をするという、スピード感を意識しています。

――昨年のCBT(クローズドβテスト)からの改善で大きかったのが、シーズンポイントが手に入りやすくなった点です。これのおかげでストーリーを見やすくなったのは好印象でした。

松本
CBTでは「ランクバトルで勝てないとストーリーを見られない」というご意見を多くいただきました。

 本作は、バトルだけでなくストーリーやキャラクターとの再会も大きな魅力だと考えていますので、そこは早急に見直すべき点だと受け止めました。

 そのため、カジュアルバトルやソロ向けのチャレンジバトルでもシーズンポイントを獲得できるよう調整し、より多くの方が物語を追いやすい形へ変更しました。

 バトルで負けてもポイントがある程度たまる仕組みに変えたので、ストーリーの追いやすさはかなり改善されたかと思います。

――ユーザーからさまざまな意見が届いていると思いますが、現状そのなかで一番課題だと感じているのはどんな点ですか?

松本
リリース当初はキャラクターの専用アビリティが手に入りづらいという部分が、意見としては一番多くいただいています。

 現在は特別な封印クリスタルを用意して獲得しやすくなるよう調整はしておりますが、まだ課題は残っており、引き続きより良い形が何かを模索しております。

 我々としてはやはりバトルをたくさんプレイしてほしい、という思いがあるので、バトルを繰り返し楽しみながら、アビリティ獲得を含めキャラクター育成も進んでいく、その両立を目指しています。

異説×現代。『ディシディアFF』に“自分の知る世界観”を混ぜて強烈な引きを生み出す


――あらためてのお話になりますが、本作『ディシディア デュエルム』を立ち上げた、そもそもの経緯を軽く教えていただけますか。

松本
僕はもともと対戦ゲームが好きで、何かしら対戦ゲームでプロジェクト化したいと思っていました。

 世の中に対戦ゲームはあふれている状況ですが、スマートフォンに最適化した、カジュアルで遊びやすい形の対戦ゲームには、まだ挑戦の余地があるんじゃないかと思い、検討し始めたのがきっかけです。


 それからいろいろと調査するなかで、NHN PlayArtさんがカジュアルを突き詰めたような対戦ゲームで実績を持たれていたので、お声がけすることにしました。

――『ディシディアFF』というIPには、どのように繋がっていったのでしょうか?

松本
ゲームシステムの方向性を固めていくなかで、これをスクウェア・エニックスの何かのIPと掛け合わせたいと思い、野村(クリエイティブプロデューサーの野村哲也氏)に相談をしたんですね。

 そこでいろいろな議論があったんですけど、最終的に『ディシディアFF』に落ち着きました。

 僕自身『FF』も『ディシディアFF』も大好きですし、このカジュアルな対戦ゲームとの相性もいいと思ったので、そのまま立ち上げに向かったという経緯になります。

――リリース直前の特別映像では、北瀬佳範さんや野村哲也さんが『ディシディアFF』の思い出を語っていましたね。

松本
あのクリエイターインタビューでも感じられると思いますが、『ディシディア デュエルム』は歴代『FF』を手掛けた方々の厚い協力をいただきながら制作しています。


――現代の東京が舞台という設定もインパクトがありました。

松本
まず、強力な“引き”になるだろうと確信しました。『FF』を知らない人には“自分の知っている世界観”ということで入りやすくなりますし、『FF』ファンに対しては“現代”というものすごく強烈で新鮮な驚きを与えることができるだろうと。

 『FF』は長く続いているシリーズで、シリーズごとに壮大で魅力的な世界観がありますが、それらを知らないと入りづらい作品にはしたくありませんでした。

 現代という共通イメージを入口にすることで、『FF』経験者の方にも未経験の方にも楽しんでいただけるのではないかと考えております。

――ストーリーのなかでクラウドが教習所に行っていたり、カインがクッキーのおいしいお店を知っていたりと、みんな現代になじんでいるのがおもしろかったです。

松本
そのあたりは『ディシディア デュエルム』の見どころで、ウチでしか絶対見られないストーリーが用意できる、というのを示した形です(笑)。

 本作ならではの組み合わせや、これまでにない日常の一面を描けることは、大きな魅力のひとつだと思っています。キャラクターたちの新しい表情を楽しんでいただけたら嬉しいです。

複雑な要素を削ぎ落とし、誰でもわかりやすく遊べるシステムを目指す


――『ディシディアFF』シリーズもさまざまな作品が出ていますが、今作ならではのこだわったポイントはどこでしょうか?

松本
システム面では、“とにかくスマホで誰でも楽しめる、カジュアルに遊べる対戦ゲーム”を強く意識しました。

 今回の『ディシディアFF』は誰でもわかりやすく直感的に遊べるというところを突き詰めています。

 開発初期段階では従来のブレイブシステムを踏襲したり、MPの概念があったりしたのですが、スマートフォンで気軽に楽しめる体験を優先し、複雑な部分は引き算していく形で今のシステムに落ち着きました。


――グラフィック面は、セルルックがとくに目を引きます。

松本
ビジュアル面では、これまでのFFにはあまりなかったルックの引きで、新しい魅力をお届けしたい、という思いがありました。その中で、野村の発案もあり、セルルック表現に挑戦しています。

 従来のリアル寄りな表現とは異なるアプローチなので、かなり新鮮に映ったのではないかと思います。現代衣装とセルルックという2つのインパクトで、今までにないビジュアルの引きを作る、というのがこだわりポイントのひとつです。

 モーションも細部までこだわって制作しておりますので、ぜひ注目していただけると嬉しいです。

 オリジナル版や過去の『ディシディアFF』で印象的なモーションなど、どの動きを採用すれば一番よろこんでいただけるか、という点をこだわり抜いています。


――PvP(対人戦)がメインではなく、3対3でボスを倒すというルールも、これまでの『ディシディアFF』とは異なる点ですね。

松本
これも“誰でも遊びやすい対戦ゲーム”を考えたときに辿り着いたルールです。プレイヤー同士の殴り合いが必須でそれが中心のバトルになると、対戦ゲームに慣れていない方にとっては、少しハードルが高く感じられる場合もある、と思いまして。

 社内でテストをするなかでも、人によっては他人に殴られる行為自体が精神的にキツイという声もありました。それならば、と試しにPvP要素を取り払って、3対3で先にボスを倒すバトルも作ってみたのですが、それはそれで物足りなさがあったんですね。

 やはり駆け引きの多さはPvPが混ざることで一気に膨れ上がると感じました。


 3対3をしつつも勝利の目的をボス討伐にすることで、どんなプレイスタイルのプレイヤーでも勝利に貢献できる道を用意してあげたかったんです。

 サポートしたい人、敵を撃破したい人、場をかき乱したい人……。それぞれのプレイスタイルで活躍できる余地を持たせることで、幅広い方に楽しんでいただけるゲームを目指しました。

――ちなみに松本さん自身は、元から対戦ゲームが好きだったのでしょうか?

松本
コンシューマやモバイル関係なく、僕は対戦ゲーム好きですね。このプロジェクトを立ち上げてからも、あらためて多くの作品に触れ、何が面白さにつながっているのかを学ばせていただきました。

 対戦ゲームの魅力は、毎回まったく違う体験になるところだと思っています。相手の行動、味方との連携、その時々の判断によって、同じ試合展開は二度と起こりません。そうした予測できない面白さこそが、対戦ゲームならではの魅力だと感じています。

さまざまなお話を聞くことができたため、記事全体がかなりのボリュームに。今後のアップデートに関することや、キャラクター追加についてもうかがったインタビュー後半は近日お届け予定です!

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