来たる2026年7月12日、大手町三井ホールにて『聖剣伝説』シリーズの35周年を記念した伊藤賢治氏のコンサート「KENJI ITO CONCERT -gentle echo meets "聖剣伝説"-」が開催される。

本公演にはスクウェア(現スクウェア・エニックス)時代から伊藤氏と交流のあった、当時プログラマーだった村田琢(むらたたく)氏がトークゲストとして呼ばれ、村田氏の長女である村田優歌(ゆうか)さんがMCを、双子の妹である村田彩歌(あやか)さんはキーボードを、村田春歌(はるか)さんはヴァイオリンを担当している。

インタビューの第一部では、親子二代に渡って紡がれる『聖剣伝説』のステージについて、伊藤賢治氏、村田彩歌さん、村田春歌さんにお話を伺った。その模様はこちらをチェックしていただきたい。
第二部の前編では、伊藤賢治氏と『聖剣伝説』の関わりや、キャリアのスタート、当時の楽曲制作などについて、存分に語っていただいた。
――改めて、2026年は伊藤賢治さんは作曲家活動35周年として色々やられているかと思いますが、今回の節目について思うところや、シリーズに対するメッセージをいただけますでしょうか。
伊藤
正確には2026年の3月1日をもって36周年に突入したんですけれども、おかげさまで2月の35周年ライブでは良い結果に終わることができて、本当に嬉しく思っています。
その上で「こういうこともやっていきたいな」というのも見えてはきているので、やれる範囲でやっていけたらなと思います。
――色々なところで語られてるとは思いますが、なぜスクウェアに入社してゲーム音楽を目指したのでしょうか?
その上で「こういうこともやっていきたいな」というのも見えてはきているので、やれる範囲でやっていけたらなと思います。
――色々なところで語られてるとは思いますが、なぜスクウェアに入社してゲーム音楽を目指したのでしょうか?
伊藤
そもそも、当時はスクウェアという会社の存在すら知らなかったんです。5、6社くらい受けてことごとく落っこちまくって(笑)。「自分にはどうも音楽の才能がないらしいから、あと3つくらい受けて、それで落っこちたらもうこの道は完全に諦めよう」と思って送った1社が当時のスクウェアだったんです。
「ファミ通」の記事を見ていたら期待の新作という中綴じのページの一つに『ファイナルファンタジーIII』の最新画像があったんですね。他のメーカーの画像と比べてもとても綺麗で「ドラクエ(ドラゴンクエスト)に近いけど、でもドラクエとは違う物語があるんだ……ここへ送ってみるかな」と思ったんです。そこで初めて植松伸夫さんとお会いして、色々お話をしました。
「ファミ通」の記事を見ていたら期待の新作という中綴じのページの一つに『ファイナルファンタジーIII』の最新画像があったんですね。他のメーカーの画像と比べてもとても綺麗で「ドラクエ(ドラゴンクエスト)に近いけど、でもドラクエとは違う物語があるんだ……ここへ送ってみるかな」と思ったんです。そこで初めて植松伸夫さんとお会いして、色々お話をしました。

『聖剣伝説』に対する思い/ファンのすすり泣きから力を貰う
――就職をされて『聖剣伝説』に出会うわけですが、伊藤さんの中で『聖剣伝説』はどういう作品なのでしょうか。
伊藤
『聖剣伝説』はソロデビューさせてもらったということで、自分にとって本当の意味でのスタートです。
『Sa・Ga2 秘宝伝説』は植松さんが担当していて、自分はあくまでお手伝いという感覚でした。『ロマンシング サ・ガ』は自分としても長くやっているシリーズで、育ててもらった作品という意識があります。そういう意味で自分について一人立ちさせてもらった意識があるのが『聖剣伝説』なんです。
『Sa・Ga2 秘宝伝説』は植松さんが担当していて、自分はあくまでお手伝いという感覚でした。『ロマンシング サ・ガ』は自分としても長くやっているシリーズで、育ててもらった作品という意識があります。そういう意味で自分について一人立ちさせてもらった意識があるのが『聖剣伝説』なんです。
しかも、その初代『聖剣伝説』(ゲームボーイ版)ってストーリーはシンプルなんですけれども、悲劇なので感情移入しやすいんですね。で、やっぱり泣けるんですよ。
今でも自分がいろんなスタイルで『聖剣伝説』の音楽のコンサートをやるんですけれども、もうオープニングからすすり泣きが聞こえるんです。
当時遊んでくださったファンがそこに集まってくれて、当時を思い出してくれているんだなと。それがもっと相乗効果になって、僕もグッと腕に力を入れながら弾いたりするんです。いまだにそういう関係でいさせてくれるというのは、幸せなタイトルだと思います。
――初代『聖剣伝説』はどんな順番で楽曲を作られていったのでしょうか?
当時遊んでくださったファンがそこに集まってくれて、当時を思い出してくれているんだなと。それがもっと相乗効果になって、僕もグッと腕に力を入れながら弾いたりするんです。いまだにそういう関係でいさせてくれるというのは、幸せなタイトルだと思います。
――初代『聖剣伝説』はどんな順番で楽曲を作られていったのでしょうか?
伊藤
最初はダンジョンからですね。テーマ曲や、フィールド曲、メインテーマである「Rising Sun」は、その後で作りました。ようやく少し固まってきて、自分の中でもメロディの核ができてきたところに、あの曲ができたんです。
「Rising Sun」は本来ただのオープニングテーマだったんです。本来、ラスボスを倒して、お母さんが出てきて「あなたが今度はこの世界を守る番だ」とヒロインに言って、主人公と別れる時に、別の新曲が流れるはずだったんです。「その別れのシーンの曲を作ってくれ」と頼まれていまして。
「Rising Sun」は本来ただのオープニングテーマだったんです。本来、ラスボスを倒して、お母さんが出てきて「あなたが今度はこの世界を守る番だ」とヒロインに言って、主人公と別れる時に、別の新曲が流れるはずだったんです。「その別れのシーンの曲を作ってくれ」と頼まれていまして。

でも、そこで自分がふと思ったのが、当時まだオープニングでしか使われていなかった「Rising Sun」をここで流してみたらいいんじゃないかと。そうすることによって、今までのいろいろな旅のことを振り返ることができるから、と。
それが結果的にすごく良かったらしくて。単なるオープニング曲から、メインテーマへと昇華できたなと思っています。
――ファン視点でも、あの場面で使われることによって、単なるオープニング曲とは全然意味合いが変わったと感じます。音楽を作る側からもそうした提案ができる開発現場だったんですね。
伊藤
そうですね。当時は開発に10人もいませんでしたから、他の部署やチームに「今どうなってるの?」って色々確認したりして、そういう意味では、「みんなで作った」という意識はまさに大きいですよね。

スクウェアでの楽曲制作と、アレンジアルバムの思い出
――ゲームボーイというと、音源的な制約等々もあって制作は大変だったと思います。そのあたりの思い出はありますか?
伊藤
当時はまず曲を作って、パソコンにデータを入力して、そこからコンバートするという作業でしたから、実質2曲分の労力がかかるんですね。それに対するタイムスケジュールを組むのがなかなか大変で……「この曲はスッといったから、この分の時間で次に行けるかな」と思ったら意外にうまくいかなかったり……やり始めの頃は難しかったですね。『ロマンシング サ・ガ』以降はコツを掴んだんですけれども。

――スクウェア系のゲームは早い段階でアレンジアルバムも出されていましたよね。アレンジアルバムを手掛けた際の思い出などはありますか?
伊藤
当時はまだゲームボーイの音をそのままCDアルバムにするゲーム自体も少なったので、サウンドトラックが出るだけでもうれしかったですね。
そこからさらにアレンジバージョンも作れることになったんですが、当時のゲーム業界はバブル時代だったこともあり、かなり好きなことをやらせてもらえることになったんですよね。
なので、会社から「イトケン、誰とやりたいんだ?」と聞かれた時に、「ぜひ、服部隆之さんとやらせてください」と言ってみたら……通っちゃったんです(笑)。自分はさだまさしさんのファンで、服部隆之さんが編曲を担当されているアルバムも好きで、ぜひ一緒に音楽をやりたかったんですけど、まさかOKが出るとは思わなかったので、とにかくうれしかったですめ。
――音楽はやはり対面で色々なことをやることも多いと思うので、そういうご縁が色々なところで繋がっているんですね。
そこからさらにアレンジバージョンも作れることになったんですが、当時のゲーム業界はバブル時代だったこともあり、かなり好きなことをやらせてもらえることになったんですよね。
なので、会社から「イトケン、誰とやりたいんだ?」と聞かれた時に、「ぜひ、服部隆之さんとやらせてください」と言ってみたら……通っちゃったんです(笑)。自分はさだまさしさんのファンで、服部隆之さんが編曲を担当されているアルバムも好きで、ぜひ一緒に音楽をやりたかったんですけど、まさかOKが出るとは思わなかったので、とにかくうれしかったですめ。
――音楽はやはり対面で色々なことをやることも多いと思うので、そういうご縁が色々なところで繋がっているんですね。
伊藤
そうですね。レコーディングで来ていただいたスタジオミュージシャンの方ともご縁ができて、名前を覚えてもらって。その中で、自分が「今年こういうライブをやりたいな」と思ったら、その人のところに行って「連絡先を教えてくれませんか?」と自分の方から聞きに行ったりして。それが後々いろいろ繋がっていくというのは、もちろんありますね。
――一番思い出深い楽曲、あるいは作るのが大変だった曲はありますか?
――一番思い出深い楽曲、あるいは作るのが大変だった曲はありますか?
伊藤
やっぱりラストバトルの曲「最後の決戦」ですね。イントロでかなり高い音域のシーケンス的なフレーズになるんですけれども、ゲームボーイというハードの特性上、当時はスピーカーが1つで、イヤホンにつなげるとステレオになるという技術でしたから、ほぼみんなイヤホンで聴くじゃないですか。
すると音が共鳴しちゃってノイズっぽく聞こえるんですけれども、それが逆に迫力があるような感じに捉えられて……会社の宣伝部のスタッフに言われたのが「これよく作ったな。普通ここまでの高音域で勝負しないよ」と褒められましたね。
すると音が共鳴しちゃってノイズっぽく聞こえるんですけれども、それが逆に迫力があるような感じに捉えられて……会社の宣伝部のスタッフに言われたのが「これよく作ったな。普通ここまでの高音域で勝負しないよ」と褒められましたね。
伊藤賢治氏にとって『聖剣伝説』とは、単なる出世作ではなく、自らの足で歩み始めた「本当の意味でのスタート」であり、ファンと感情を分かち合いながら歩み続けた幸福なタイトルであったようだ。
第二部の後半では、再び村田彩歌さん、春歌さんも交えて、来たるコンサートに懸ける思いについて深掘りしていく。
KENJI ITO CONCERT -gentle echo meets "聖剣伝説"-7月12日(日)大手町三井ホールにて開催!
先日、作曲家生活35周年ライブを行った作曲家・伊藤賢治氏。
代表作品でもある、ゲーム『聖剣伝説 〜ファイナルファンタジー外伝〜』(株式会社スクウェア・エニックス)も発売35周年記念ということにちなみ、『聖剣伝説』シリーズ楽曲”のみ”を演奏するKENJI ITO CONCERT -gentle echo meets "聖剣伝説"の実施が決定しました!
伊藤賢治氏の楽曲のほか、菊田裕樹氏、下村陽子氏の楽曲も演奏予定です。ぜひお越しください。
日時:2026年7月12日(日)16:00開場/17:00開演
会場:大手町三井ホール(東京都千代田区大手町1-2-1 Otemachi One 3F)
チケット
■S席:¥10,000 (税抜)前方エリア 座席指定
■A席:¥8,500 (税抜)後方エリア 座席指定
※別途1ドリンク代\600が必要
teketにて5月18日(月)18:00より、チケット販売開始!
代表作品でもある、ゲーム『聖剣伝説 〜ファイナルファンタジー外伝〜』(株式会社スクウェア・エニックス)も発売35周年記念ということにちなみ、『聖剣伝説』シリーズ楽曲”のみ”を演奏するKENJI ITO CONCERT -gentle echo meets "聖剣伝説"の実施が決定しました!
伊藤賢治氏の楽曲のほか、菊田裕樹氏、下村陽子氏の楽曲も演奏予定です。ぜひお越しください。
日時:2026年7月12日(日)16:00開場/17:00開演
会場:大手町三井ホール(東京都千代田区大手町1-2-1 Otemachi One 3F)
チケット
■S席:¥10,000 (税抜)前方エリア 座席指定
■A席:¥8,500 (税抜)後方エリア 座席指定
※別途1ドリンク代\600が必要
teketにて5月18日(月)18:00より、チケット販売開始!
■出演者
伊藤 賢治(Key.)
森 空青(Gt.)
池尻 晴乃介(Ba.)
岡島 俊治(Dr.)
土屋 玲子(Vn.)
池田 公洋(Mp.)
村田 彩歌(Key.)
村田 春歌(Vn.)
■MC
村田 優歌
■SPトークゲスト
菊田 裕樹
村田 琢
●主催:gentle echo
●制作:Flow Life MEGANE
伊藤 賢治(Key.)
森 空青(Gt.)
池尻 晴乃介(Ba.)
岡島 俊治(Dr.)
土屋 玲子(Vn.)
池田 公洋(Mp.)
村田 彩歌(Key.)
村田 春歌(Vn.)
■MC
村田 優歌
■SPトークゲスト
菊田 裕樹
村田 琢
●主催:gentle echo
●制作:Flow Life MEGANE


