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『鬼滅の刃 柱稽古編』6話感想。“友達”になった炭治郎と玄弥の関係性が尊い…炭治郎が思い出したあの名言に思わず涙腺が緩んだ(ネタバレあり)

文:米澤崇史

公開日時:

 2024年6月16日(日)に放送された、『鬼滅の刃 柱稽古編』第6話“鬼殺隊最強”の感想をお届けします。

【注意】キービジュアルより先のテキストでは、『鬼滅の刃 柱稽古編』第6話の物語に関する記述が多々あります。そのため本編をご覧になってから読むことをオススメします [IMAGE]

鬼殺隊最強の柱・悲鳴嶼行冥の柱稽古は意外にもオーソドックスな修行スタイル

 岩柱・悲鳴嶼行冥による最後の柱稽古まで、ついに辿り着いた炭治郎。

 岩柱の稽古は、滝に打たれたり丸太をかついだり、これぞ“修行”としてイメージするような基礎的な内容で、これが最後の最後に出てくるのはちょっと意外性があります。火炙りは危険なため免除する優しさを見せながらも、気絶した善逸を叩き起こすために真冬の水の中に浸けるという容赦のなさには笑ってしまいました。

 そして炭治郎たちと何かと縁がある、先輩隊士の村田が再登場。鬼殺隊の中でもいわゆる“普通の人”として戦闘での活躍シーンは控えめな村田ですが、10日も前に最後の柱稽古まで辿り着き、なんだかんだ滝の稽古も突破しているあたり、隊士の中ではかなりの実力者であることが分かります。

 普段比較対象にされるのが、炭治郎や柱みたいな化け物クラスの存在ばかりなので目立ちにくいですが、村田も初登場時から着実に実力を上げてきていると思われます。

 炭治郎の仲間・猪之助も久しぶりに登場しましたが、野生の本能的な部分で悲鳴嶼が鬼殺隊一の実力者であることを見抜いていました。

 炭治郎も同意見のようで、義勇に天元、無一郎、甘露寺といった柱の実力をよく知っている炭治郎が「匂いが全然違う」と断言するほどなので、悲鳴嶼の実力はそれほどずば抜けてるということでしょうか。産屋敷以外の人の言うことをあまり聞かなさそうな不死川や伊黒も、悲鳴嶼については一目置いているような様子もありましたね。

 一方、無惨が新たに“上弦の肆”となった鳴女の能力を使って、鬼殺隊の本部と禰豆子の居場所を探している描写も。禰豆子は鱗滝左近次の元に預けられているのでともかく、これだけ多くの隊士が出入りしている鬼殺隊本部の場所が無惨に割れるのはもはや時間の問題となりそう。

 不死川と伊黒が今を「嵐の前の静けさ」と表現しているシーンもありましたが、まさに今その静けさが終わり、嵐がじわじわと近づきつつあるのがよく分かります。

炭治郎の中で今も生き続ける煉獄杏寿郎の言葉

 炭治郎が皆に食事を振る舞う場面も印象的でした。意外と今まであまり描かれなかったシーンもあり、腕前を褒められてドヤ顔をする炭治郎はちょっと新鮮。おそらく母の葵枝が不在の時は、炭治郎が弟たちに食事を用意してあげていたでしょうから、料理に慣れているのは非常に納得がいきますし、見ていて焼きおにぎりが猛烈に食べたくなったのは絶対に自分だけではないハズ……!

 今の柱に継子がほとんどいない理由については、今の柱は歴代と比べても突出した強さをもっている存在であるが故に、一般の隊士と柱との実力差が開きすぎて、育成がうまくいっていないのもあるのでしょうか(それを考えると、カナヲをいう継子をしっかりと育成しているしのぶの優秀さが改めて分かります)。

 そして最後の稽古となる大岩押しに挑もうとする中、様子を見に来た玄弥と炭治郎の落ち着いた雰囲気の会話がすごく良い……!

 『刀鍛冶の里編』での玄弥は基本炭治郎を敵視していましたから、アドバイスを送りながら炭治郎が無理をしすぎないか心配し、「お前にならできるよ」と優しく励ます今の姿は、あの頃と比べるととんでもないギャップがあります。善逸や猪之助とはまた違う距離感で、今の二人がしっかりと"友達”という関係性で接していることがとてもよく伝わってきました。

 そんな玄弥からのアドバイスを受けて、炭治郎が自身の感情を昂らせるための言葉として、煉獄杏寿郎が残した「心を燃やせ」を思い浮かべるのは、ちょっと涙腺に来ました。

 鬼に殺されてしまった家族や自分たちを守って命を燃やし尽くした煉獄の最期は炭治郎にとって、何もできなかった自分への悔しさや憤り、鬼に対する怒りといった、いろんな感情がこみ上げてくるものなんでしょう。煉獄が最後に残したあの言葉は、今も炭治郎の心を燃やす"炎”として存在し続けていると考えると、めちゃくちゃ熱いです。

 それにしても悲鳴嶼、他の柱よりはまだ教えるのが上手そうなイメージがあった……のですが、脱落者がガンガン出ていてもとくに何もせず、炭治郎も玄弥が戻ってくるまで何の手応えをまったく得られていなかったあたり、玄弥の言っていた通り教えるのが苦手なのは本当なのでしょう。

 炭治郎がクリアしたのでこれをヒントに状況が変わってきそうですが、下手するとこのまま時間切れになっていた可能性もあり、今回玄弥はかなりいい仕事をしてくれたんじゃないかと思います。

 これでとうとう全ての柱稽古が終わった形となり、『柱稽古編』もいよいよクライマックスに。残す第7話・第8話共に、拡大枠での放送が発表されており、最後までたっぷりと『鬼滅の刃』の物語を堪能できそうです。



米澤崇史:ロボットアニメとRPG、ギャルゲーを愛するゲームライター。幼少期の勇者シリーズとSDガンダムとの出会いをきっかけに、ロボットアニメにのめり込む。今もっとも欲しいものは、プラモデルとフィギュアを飾るための専用のスペース。

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