先行劇場上映版が絶賛公開中の『機動戦士Gundam GQuuuuuuX(ジークアクス)』も、本格的な情報が公開され、SNSでは“緑のおじさん”ことシャリア・ブルがすっかり大人気に。シャリア・ブルは“木星帰りの男”とも呼ばれる人物ですが、実は『ガンダム』シリーズと“木星”は、シャリア・ブル以外にもいろいろな関わりがあります。
そこで、ここでは『ガンダム』シリーズと、最近話題になりつつある“木星”の関わりについて紹介していきます。
※この記事には複数の『ガンダム』作品に関するネタバレが含まれています。
そこで、ここでは『ガンダム』シリーズと、最近話題になりつつある“木星”の関わりについて紹介していきます。
※この記事には複数の『ガンダム』作品に関するネタバレが含まれています。
索引
モビルスーツの動力に欠かせない“ヘリウム3”の産出地【ガンダム×木星】
まず、宇宙世紀シリーズの木星はどんな位置づけかというと、実は木星がなければ、あらゆる物語が成り立たないと言えるほど重要。というのも、木星はモビルスーツの動力である核融合エンジンに必須とされる“ヘリウム3”の産出地であり、これがなければそもそもモビルスーツを作ることができないわけです。ヘリウム3は現実に実在していて、木星の大気に多く含まれ、核融合に適しているとされているところまで本当の話です。
『機動戦士ガンダムNT』で、Ⅱネオ・ジオングに乗ったゾルタン・アッカネンが何かタンクのようなものを使って、連邦の艦隊を壊滅させたシーンを覚えている方もおられると思いますが、あのタンクの中に入っていたのがヘリウム3です。サイコシャードによって、核爆発に近い現象が引き起こされたのだと推測されます。
『機動戦士ガンダムNT』で、Ⅱネオ・ジオングに乗ったゾルタン・アッカネンが何かタンクのようなものを使って、連邦の艦隊を壊滅させたシーンを覚えている方もおられると思いますが、あのタンクの中に入っていたのがヘリウム3です。サイコシャードによって、核爆発に近い現象が引き起こされたのだと推測されます。
このヘリウム3の運搬を担っているのが、シャリア・ブルも所属していた“木星船団公社”と呼ばれる組織。シャリア・ブルが所属していたとされるのもこの木星船団公社で、連邦にもジオンにも属さない中立の組織であるため、シャリア・ブルは船団を抜けてジオンに入隊したのだと思われます。
![[IMAGE]](https://cimg.kgl-systems.io/camion/files/dengeki/32941/aa389b672d19ea50cfdb428740aa8c0c4.jpg?x=1280)
数々の高性能モビルスーツを設計した“天才”パプティマス・シロッコ【ガンダム×木星】
シャリア・ブルと並んで、“木星帰りの男”として知られるのが、『機動戦士Zガンダム』に登場するパプティマス・シロッコ。このシロッコもシャリア・ブルと同じ木星船団公社の出身です。
シロッコ自身は後にティターンズに入隊しているので、シャリア・ブルと同じく木星船団公社を抜けていると思われるのですが、シロッコだけではなく、木星船団公社が所有する輸送艦である“ジュピトリス”ごとティターンズに協力しており、何らかの裏取引が行われた可能性もあります。シロッコのカリスマ性は凄まじいので、木星船団公社の意向に関係なく、完全に艦ごとシロッコの私兵となっていたという線もありえそうですが。
ジュピトリスは"ヘリウム3”輸送のための船ではあるのですが、全長は約2キロにも及ぶ超巨大なサイズを誇り、中にモビルスーツの製造が可能な工廠まで備えています。
シロッコが当初乗っていたメッサーラを始め、パラス・アテネにボリノーク・サマーン、ジ・Oなどがジュピトリス製。製造こそジュピトリスではないものの、ハンブラビやガブスレイも設計にはシロッコが関わっていて、終盤に登場するティターンズの高性能モビルスーツの多くがシロッコによるものになっています。
モビルスーツの操縦とか政治的な立ち回りも十分すごいのですが、とくにモビルスーツの設計に関しては、シロッコは宇宙世紀の歴史においても屈指の天才なんじゃないかと思います。もしあのまま生きていたら、未来でどんなゴツいモビルスーツを作っていたか気になるところ。
シロッコ自身は後にティターンズに入隊しているので、シャリア・ブルと同じく木星船団公社を抜けていると思われるのですが、シロッコだけではなく、木星船団公社が所有する輸送艦である“ジュピトリス”ごとティターンズに協力しており、何らかの裏取引が行われた可能性もあります。シロッコのカリスマ性は凄まじいので、木星船団公社の意向に関係なく、完全に艦ごとシロッコの私兵となっていたという線もありえそうですが。
ジュピトリスは"ヘリウム3”輸送のための船ではあるのですが、全長は約2キロにも及ぶ超巨大なサイズを誇り、中にモビルスーツの製造が可能な工廠まで備えています。
シロッコが当初乗っていたメッサーラを始め、パラス・アテネにボリノーク・サマーン、ジ・Oなどがジュピトリス製。製造こそジュピトリスではないものの、ハンブラビやガブスレイも設計にはシロッコが関わっていて、終盤に登場するティターンズの高性能モビルスーツの多くがシロッコによるものになっています。
モビルスーツの操縦とか政治的な立ち回りも十分すごいのですが、とくにモビルスーツの設計に関しては、シロッコは宇宙世紀の歴史においても屈指の天才なんじゃないかと思います。もしあのまま生きていたら、未来でどんなゴツいモビルスーツを作っていたか気になるところ。
【#今週の新商品情報】
— BANDAI SPIRITS ホビー事業部 (@HobbySite) November 25, 2024
『機動戦士Zガンダム』より、
「HG 1/144 ボリノーク・サマーン」が11月30日(土)発売予定!
可動や展開ギミックなど最新技術を搭載し立体化!
レドームの“発光状態”を表現する頭部パーツが付属!https://t.co/0pM8oqrr90#ガンプラ #Zガンダム pic.twitter.com/yHyYASQwDn
ちなみにジュピトリス、『Z』の中でもとくに有名なシーンであるウェーブライダー突撃のシーンで、船体に突っ込んだジ・Oの爆発に巻き込まれて轟沈してしいます(とくに劇場版の方は、跡形すら残っていないレベルで爆発してます)。
さすがに地球と木星間を行き来していたのはシロッコのジュピトリス一隻ではないとは思いますが、作るのにとんでもない金と資源が必要そうな船でもあるので、木星船団公社としてはジュピトリスが失われたのはかなり手痛かっただろうな……とも想像できます。
![[IMAGE]](https://cimg.kgl-systems.io/camion/files/dengeki/32941/a3377e616e1a41e8897c006a78faffd75.jpg?x=1280)
なおシロッコについては、U.C.0085年時点なら24歳ということになり、歴史が変わったなら『ジークアクス』にも出てきてもおかしくないくらいの年齢ではあるんですが、鶴巻和哉監督がパンフレットのインタビューで、『ジークアクス』の時代をU.C.0085に設定した要因の一つとして「シロッコが帰ってきてしまうから」といった趣旨の発言をされていたくらいなので、登場の望みは薄そう。
同じ“木星帰りの男”同士、シャリア・ブルとの絡みを見てみたかったのは正直なところですが。
『クロスボーン・ガンダム』の"木星帝国”で、ついに木星の内情が明らかに【ガンダム×木星】
やはり、木星といって欠かせないのが『機動戦士クロスボーン・ガンダム』の“木星帝国”でしょう。『ガンダム』シリーズにおける木星というと、この木星帝国が一番有名なのではないかと思います。
『クロスボーン・ガンダム』をいわゆる宇宙世紀の正史としてどこまで含むかは判断が難しいところですが、やはり“木星”を語る上では外せない……というところで紹介をさせてください。
『クロスボーン・ガンダム』をいわゆる宇宙世紀の正史としてどこまで含むかは判断が難しいところですが、やはり“木星”を語る上では外せない……というところで紹介をさせてください。
![[IMAGE]](https://cimg.kgl-systems.io/camion/files/dengeki/32941/a779b927afe2cf20ded6edb0a2adf4db5.jpg?x=1280)
この木星帝国、表向きには“木星公社”として地球からの留学生を受け入れたり、ヘリウム3を提供したりと地球にとっての良き隣人なのですが、それは表向きの顔。その実態は、地球への復讐心に支配されたクラックス・ドゥガチを頂点とする軍事国家である“木星帝国"であり、地球への侵攻の機会を伺っていました。木星の環境の過酷さもあり、水や食料、さらには空気に至るまで徹底した管理が行われています。
木星は、『ガンダム』シリーズにそれまでも何度か存在が仄めかされるような形で関わっていたものの、直接舞台になることはなかったのですが、『クロスボーン・ガンダム』では主に木星圏が舞台となり、クロスボーン・バンガードと木星帝国との戦いが描かれることになります。
重力下での運用をあまり想定していないからか、モビルスーツのデザインがかなり個性的なのも特徴です(ディキトゥスの立体化はかなり驚かされました)。
「HG 1/144 ディキトゥス (光のカリスト専用機)」が本日13時~プレミアムバンダイで予約受付開始!
— BANDAI SPIRITS ホビー事業部 (@HobbySite) May 13, 2020
ディキトゥスの異形なフォルムを完全新規造形で再現!装甲表面の質感はグロスインジェクション成形により艶感を演出。差替えによりMA形態への変形も再現★ https://t.co/ROqHonGR4z pic.twitter.com/W8Su3G9Hug
また、めちゃくちゃややこしいのですが、シャリア・ブルやシロッコが所属していたのは“木星船団公社”、木星帝国の表の顔は“木星公社”で、それぞれ別の組織です。“木星船団公社”が地球と木星を行き来する運送業者的な存在であるのに対して、“木星公社”(木星帝国)は木星内の人々の生活を管理する自治体のような存在と解釈するのがわかりやすいのかなと。
少し時代が飛びますが、『機動戦士Vガンダム』のザンスカール帝国の宰相であるフォンセ・カガチも木星船団公社の出身とされ、『クロスボーン・ガンダム』にも登場しており、異なる組織に属しているにも関わらずドゥガチに重用され、カガチもドゥガチを尊敬していたという関係性が明らかになっています。
しかしシロッコといいドゥガチといいカガチといい、木星にいくとやたらと過激思想に染まる傾向があるのは偶然なんでしょうか……? そういう意味では、人間としてまともな良識を持ち合わせていたシャリア・ブルは、ある意味異端な存在です。
ちなみに宇宙世紀以外でも木星が関わってくることがあり、『機動戦士ガンダム00』で、ガンダムの動力炉であるGNドライヴ(太陽炉)が製造されたのも木星。木星の高重力化環境が製造に必要だったというのが理由ですが、メタ的に推測すると「核融合炉を作るのに木星の存在が欠かせない」という、宇宙世紀の設定のオマージュも含まれていたのではないかと思います。
『機動戦士ガンダムSEED』の本編よりも前に、地球外生命体の化石“エヴィデンス01”を、ファーストコーディネイターのジョージ・グレンが発見したのも木星と、本当にいろんな『ガンダム』作品に木星が影響しています。
これから『ガンダム』シリーズを見直したり、新たに見られる際には、頭の片隅に木星の存在を意識しておくと、より世界観を理解できるかもしれません。
米澤崇史:ロボットアニメとRPG、ギャルゲーを愛するゲームライター。幼少期の勇者シリーズとSDガンダムとの出会いをきっかけに、ロボットアニメにのめり込む。今もっとも欲しいものは、プラモデルとフィギュアを飾るための専用のスペース。