Metapが開発・運営するMMORPG『元素騎士オンライン』(PC/Google Play/iOS)。
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今回は、ブロックチェーンシステムを採用したMMORPGの運営を行うウインライトの代表取締役社長である藤本氏のインタビューをお届けします。
ユーザーが自分たちで作り出す世界を実現させるゲーム
――改めて、『元素騎士オンライン』がどんなゲームなのか教えてください。
長らく愛されているMMORPG『エレメンタルナイツ』が、作品のベースにあります。2010年頃にガラケーからスマートフォンへの移行が始まり、そのなかでグローバル展開がしやすくなったんです。
そこで『エレメンタルナイツ』の中国語版『元素騎士ONLINE』を展開し、台湾でGame Star Awardもいただき、3年ほどで終了にはなりましたが、多くのゲーマーが遊んだことがある有名タイトルになりました。
そこから発展し、よりユーザーが自分たちで作り出す世界を実現させるゲームにしようと考えて、『元素騎士オンライン』の企画がスタートしました。
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実は元素という言葉は、中国語でメタバースの意味があるんです。元素は科学的にいろいろものを形成する要素でもあり、仮想世界を創造していくコンセプトにぴったりな言葉です。
また2017年くらいからブロックチェーンでNFT(Non-Fungible Token)が登場し、データが盗まれず、自分のものだと証明出来るようになりました。自分が作った世界を販売したり、冒険したり、皆で世界を作っていくことを「DAO(ダオ)」と呼ばれる分散型自立組織で実現することを目指したんです。
3年前に「GameFi(ゲームとファイナンスの造語で、ゲーム内で仮想通貨を獲得し、現実世界の法定通貨に換算可能)」という言葉が出来て、それをいち早く取り組みました。「GameFi」を取り入れたゲームのなかでは、かなり老舗です。
――ブロックチェーンゲームをプレイするには、アカウントのような役目を果たす「仮想通貨ウォレット」が必要になるイメージが強いです。また、そもそもブロックチェーンに詳しくない方も少なくありません。そんな方に向けて、どのようなフォローを行っているのでしょうか?
昨年12月から、「MVウォレット」のテスト運用をスタートしました。MVはメタバースの略で、MVというトークン(暗号資産や証明書、権利などを指す用語)を発行しており、それに合わせて「MVウォレット」と呼んでいます。
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ウォレットが制作する手間がなく、アップルストアでダウンロードすると、自動でウォレットが作成されます。一般的なインターネットサービスのように、Googleやフェイスブックの連携でサインオン出来ますし、ない場合でもメールアドレスを登録すれば利用可能です。そのため誰でも利用でき、普通のRPGユーザーにも遊んでもらいやすくなりました。
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――自動で作成されることで、かなり敷居が低くなりそうです。
またウォレットの大変な部分として、ガス代というものがあります。このガス代とは、ブロックチェーンネットワークの維持と運営にかかるコストをカバーするための手数料だと思ってください。
このガス代はブロックチェーンの基本通貨で支払われるため、取引所でイーサリアムなどを買ってくる必要があるのですが……、もう読んでいて何が何やらと思っている方もいますよね。
そこで、ガス代なし=ガスレスを実現しました。ガス代を誰に払ってもらうかが重要で、本作では広告スポンサーさんに払っていただいています。プレイヤーはガス代をお得に遊べ、スポンサーさんは広告を見てもらえるという、メタバースらしい経済圏を形成することが出来ました。
広告スポンサーさんは、仮想通貨取引所だったり、メタバースに興味のあるドン・キホーテさんだったり、さまざまなです。そのようなwin-winの企業活動が関わっているのも、本作の面白いポイントです。
――広告スポンサーにとっても、ユーザーにとっても、いい関係を作られているんですね。
はい。ウォレットの繋がりで、もう1つ話させていただきたいのですが、NFT(非代替性トークン)も難しいんですよね。NFTとはデジタル資産のことで、RPGなら装備やアイテムをイメージしてもらうとわかりやすいかもしれません。
現実の商品のように、NFTもゲーム内で販売することが出来ます。例えば引退する時に強い装備を売りに出したり、お店屋さんごっこ的に回復効果のあるラーメンを売る人がいたりするわけです。
ブロックチェーンを始めたばかりの方は、NFTを買って、準備を整える必要があります。しかし高性能なNFT装備は、すごく高くて、なかなか買えません。無料で遊べるゲームも多いなか、準備にもお金がかかるのは、敷居が高いです。
そこで、『元素騎士オンライン』では新たなスカラーシップ制度を導入しました。スカラーシップとは、NFT装備の持ち主であるオーナーから、ほかの人に貸し出すシステムで、借りた装備を身に着けて冒険し、得た報酬がオーナーにも分配されます。ブロックチェーンゲームで、一番伸びた要素です。
またウォレットの大変な部分として、ガス代というものがあります。このガス代とは、ブロックチェーンネットワークの維持と運営にかかるコストをカバーするための手数料だと思ってください。
このガス代はブロックチェーンの基本通貨で支払われるため、取引所でイーサリアムなどを買ってくる必要があるのですが……、もう読んでいて何が何やらと思っている方もいますよね。
そこで、ガス代なし=ガスレスを実現しました。ガス代を誰に払ってもらうかが重要で、本作では広告スポンサーさんに払っていただいています。プレイヤーはガス代をお得に遊べ、スポンサーさんは広告を見てもらえるという、メタバースらしい経済圏を形成することが出来ました。
広告スポンサーさんは、仮想通貨取引所だったり、メタバースに興味のあるドン・キホーテさんだったり、さまざまなです。そのようなwin-winの企業活動が関わっているのも、本作の面白いポイントです。
――広告スポンサーにとっても、ユーザーにとっても、いい関係を作られているんですね。
はい。ウォレットの繋がりで、もう1つ話させていただきたいのですが、NFT(非代替性トークン)も難しいんですよね。NFTとはデジタル資産のことで、RPGなら装備やアイテムをイメージしてもらうとわかりやすいかもしれません。
現実の商品のように、NFTもゲーム内で販売することが出来ます。例えば引退する時に強い装備を売りに出したり、お店屋さんごっこ的に回復効果のあるラーメンを売る人がいたりするわけです。
ブロックチェーンを始めたばかりの方は、NFTを買って、準備を整える必要があります。しかし高性能なNFT装備は、すごく高くて、なかなか買えません。無料で遊べるゲームも多いなか、準備にもお金がかかるのは、敷居が高いです。
そこで、『元素騎士オンライン』では新たなスカラーシップ制度を導入しました。スカラーシップとは、NFT装備の持ち主であるオーナーから、ほかの人に貸し出すシステムで、借りた装備を身に着けて冒険し、得た報酬がオーナーにも分配されます。ブロックチェーンゲームで、一番伸びた要素です。
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――そのシステムなら、確かに初心者でもNFT装備を利用しやすそうです。
便利な反面、オーナーと借りる側でトラブルも多いんです。貸したのに逃げられたとか、借りた人間がまったく冒険しなかったとか……。いい意味で言えばビジネスの1つになっていましたが、面白いはずのゲームが作業になったり、殺伐としたりする原因にもなります。
『エレメンタルナイツ』から生まれた本作としては、そんな殺伐とした空気や作業になるような環境は作りたくありません。
そこで、オーナーと借り主が顔を合わせずに済む新たなスカラーシップ制度を作りました。エスクロー方式(第三者委託の1つ)というのですが、一度運営側でNTF装備をお預かりし、ゲーム内にある強くなりたい人用のボタンを押すと、約1回の狩り分の15分だけ借りて自動で返却されます。NTF装備を購入する投資家さんにレンタルビジネスに参入してもらうことで、より無料で遊びやすい環境を作っています。
便利な反面、オーナーと借りる側でトラブルも多いんです。貸したのに逃げられたとか、借りた人間がまったく冒険しなかったとか……。いい意味で言えばビジネスの1つになっていましたが、面白いはずのゲームが作業になったり、殺伐としたりする原因にもなります。
『エレメンタルナイツ』から生まれた本作としては、そんな殺伐とした空気や作業になるような環境は作りたくありません。
そこで、オーナーと借り主が顔を合わせずに済む新たなスカラーシップ制度を作りました。エスクロー方式(第三者委託の1つ)というのですが、一度運営側でNTF装備をお預かりし、ゲーム内にある強くなりたい人用のボタンを押すと、約1回の狩り分の15分だけ借りて自動で返却されます。NTF装備を購入する投資家さんにレンタルビジネスに参入してもらうことで、より無料で遊びやすい環境を作っています。
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日本はゲーム大国ですが、投資に対する学校教育はそれほど盛んではありません。『元素騎士オンライン』はゲームではありますが、現実世界と同じような経済圏を作りたいという思いがあります。それを出来るだけ優しく、わかりやすくシステムでサポートしていきたいと考えています。
――お話を聞いていて、小説やアニメの初心者冒険者サポート施設のようなことを、運営サイドがシステムでフォローしているんだなと思いました。
ゲーム系異世界転生ものの、ゲームマスターをやっている感じですね(笑)。経済活動のある世界を1つ作っている状態なんですが、世の中って万物のいろいろなことが絡み合って成立しているため、「これ1つ作ればOK」とはならないんです。
それでも出来ることを増やしていくのが大切ですし、皆さんから届く要望は、長い年月をかけてでも、1つ1つ叶えていきたいです。
ユーザーのアイデアが経済活動につながる世界
――具体的には、プレイヤーはどんな遊び方をされているのでしょうか?
ギルド同士がルールを決めてPVPをしたり、オンラインオフ会をうちのお店でやりませんかと「Virtual Land(仮想土地)」のようなものを作っていたり、さまざまな遊び方をしてくださっています。マップとしては、彦根城とコラボしたような特別な場所には公開できませんが、作れはします。
自分で漫画を描いたり、グッズを作っているクリエイターさんが、NTF装備を作っていたりしますね。
デジタルという想像の世界でアイテムを販売するというのは、現実とは違った面白さがあり、そこを楽しんでいただいています。
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――ご自身のメタバースにおける経済活動で、印象の残っていることはありますか?
ほかの作品なのですが、5、6年前に赤いバックが40万で売れたことがあります。私が若い頃に持つことがステータスだったブランドバックよりも、高い価格で売れたことが衝撃的でした。リアルでバックを持つことと同じように、メタバースのコミュニティ内で赤いバックを持つことに価値を見出す人もいるのだと知りました。
確かに私もリアルで遊ぶよりも、ゲーム内で過ごす時間の方が多いです。リアルとは違うコミュニティの生活を、どのように作っていくか、長期的に取り組んでいきたいです。
――確かに40万より規模は小さいですが、自分の服よりもゲームのアバターやスキンにお金をかけている気がします(笑)。クリエイティブ活動が活発な世界において、定期的に開催されるオシャレ装備のコンテスト「UGC(ユーザー生成コンテンツ)コンテスト」はかなり注目度が高そうですね。
そうですね。第1回、第2回に関しては、UGCを活性化させるのも大きな目的でした。始めた当初である1年半前は、ちょうど生成AIが来たかなという時期で、まだChatGPTが有名にはなってはいないタイミングでした。
これまで3Dは難しく、専門技術があるプロが作るコンテンツというイメージがあったと思います。それをUGCツールを利用すれば、誰でも作れるというところまで、ハードルを下げたんです。エディターの会社さんと協力し、絵を描けばポコッと3Dになるようにしたり、白のTシャツに写真を貼ったり出来るようにしました。自分たちでデザインしたロゴを張り付けてギルドTシャツにしている方もいれば、逆に本気で3Dで作り込んでいる方もいます。
そんな環境の中、コンテストを開きました。コンテストは技術力を競うものではなく、親しみやすさ、イイねを押したくなる感じを評価しました。また一方的な審査ではなく、SNSでの投票やPV数など、ユーザー自身が選べる仕組みにしたのもこだわったところです。
――第3回は、ドン・キホーテと組んだ初の企業協賛型でした。
完全なスポンサーになっていただき、UGCでドン・キホーテグッズを作ってくださいという内容です。非売品の「ドBOX」が商品でもらえたり、賞金も用意されていました。
ドン・キホーテさんはメタバースに積極的で、このコンテストのように、企業側ではなく、ユーザー側からアイデアが出ることをすごく評価してくださいました。有名アーティストを採用したCMをされたときも、我々の世界にいろいろなグッズを提供したり、イベントをしたりしています。
ほかの作品なのですが、5、6年前に赤いバックが40万で売れたことがあります。私が若い頃に持つことがステータスだったブランドバックよりも、高い価格で売れたことが衝撃的でした。リアルでバックを持つことと同じように、メタバースのコミュニティ内で赤いバックを持つことに価値を見出す人もいるのだと知りました。
確かに私もリアルで遊ぶよりも、ゲーム内で過ごす時間の方が多いです。リアルとは違うコミュニティの生活を、どのように作っていくか、長期的に取り組んでいきたいです。
――確かに40万より規模は小さいですが、自分の服よりもゲームのアバターやスキンにお金をかけている気がします(笑)。クリエイティブ活動が活発な世界において、定期的に開催されるオシャレ装備のコンテスト「UGC(ユーザー生成コンテンツ)コンテスト」はかなり注目度が高そうですね。
そうですね。第1回、第2回に関しては、UGCを活性化させるのも大きな目的でした。始めた当初である1年半前は、ちょうど生成AIが来たかなという時期で、まだChatGPTが有名にはなってはいないタイミングでした。
これまで3Dは難しく、専門技術があるプロが作るコンテンツというイメージがあったと思います。それをUGCツールを利用すれば、誰でも作れるというところまで、ハードルを下げたんです。エディターの会社さんと協力し、絵を描けばポコッと3Dになるようにしたり、白のTシャツに写真を貼ったり出来るようにしました。自分たちでデザインしたロゴを張り付けてギルドTシャツにしている方もいれば、逆に本気で3Dで作り込んでいる方もいます。
そんな環境の中、コンテストを開きました。コンテストは技術力を競うものではなく、親しみやすさ、イイねを押したくなる感じを評価しました。また一方的な審査ではなく、SNSでの投票やPV数など、ユーザー自身が選べる仕組みにしたのもこだわったところです。
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――第3回は、ドン・キホーテと組んだ初の企業協賛型でした。
完全なスポンサーになっていただき、UGCでドン・キホーテグッズを作ってくださいという内容です。非売品の「ドBOX」が商品でもらえたり、賞金も用意されていました。
ドン・キホーテさんはメタバースに積極的で、このコンテストのように、企業側ではなく、ユーザー側からアイデアが出ることをすごく評価してくださいました。有名アーティストを採用したCMをされたときも、我々の世界にいろいろなグッズを提供したり、イベントをしたりしています。
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――今後も、コラボ型などのコンテストは計画されているのでしょうか?
UGCの幅が、かなり広がってきています。我々としては、今後は企業主導よりも、皆さんが作ったものを売買していただきたいと言う気持ちが強いです。企業が参入することで、ユーザーさんのものが売れにくくなるのはよくないかなと。
そのため、なるべくユーザーさん同時が新しいものを作る方向になるように進めています。
グローバルな経済活動を、手軽に楽しめるサポートをしていきたい
――お話いただける範囲で、今力を入れていることやこれからの展望を教えてください。
経済が円滑にまわるために、投資家さんが支援すると活躍できるものを考えています。経済がまわると3Dで商売できたりすることが、グローバルで広がっていきます。現在はアジア圏を中心に遊ばれているのですが、それ以外の地域も含めて、いろいろ活動しています。
また、日本でステーブルコインの取引が初承認されます。つまり日本で、デジタルドルが使えるようになるんです。メタバースで活動したものを、ワンボタンでデジタルドルに変更し、日本円で変える機能をAIで実装します。あとはゲーム内で貯めたお金を、リアルで預金できたりとか……。どんどん、経済連携していっています。各国ごとのルールや、仮想通貨を現実に持ち込む際の税金問題などをクリアし、リアルワールドと連携できるような取り組みを進めています。難しいところが多いので、出来るだけユーザーも皆さんが簡単に実現していけるようにしたいです。
――最後に、ファンの皆さんにメッセージをお願いします。
まだまだ進化していく途中過程ですので、それも楽しんでいただきたいです。社会的な経済圏を、デジタルで広げていきます。ゲームなのか、ゲームを用いた経済活動なのか、楽しみながら皆さん一緒に作っていきましょう。
――ありがとうございました。