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【スパロボY参戦作品紹介】衝撃の仮面ライダー参戦は一種の先祖返り? DLC1で登場する風都探偵 、ブライガー、ビッグオーについて語る【スーパーロボット大戦Y】

文:米澤崇史

公開日時:

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 『スーパーロボット大戦Y(スパロボY)』に参戦する作品を紹介。連載第19回はDLC①での追加参戦が予定されている『風都探偵 仮面ライダースカルの肖像』『銀河旋風ブライガー』『THE ビッグオー』の3作品について語ります。

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 なお、核心に触れるようなものは避けますが、
ある程度の作品のネタバレを含む内容となっているので、未視聴の場合はご注意ください。

『銀河旋風ブライガー』とは?【スパロボY参戦作品紹介】


 『銀河旋風ブライガー』は、1981年~1982年にかけて放送されていたTVアニメ。

 国際映画社が製作した“J9”の名をもつチームが活躍するロボットアニメシリーズの第1作で、『銀河烈風バクシンガー』『銀河疾風サスライガー』を含む3作が“J9”シリーズとして扱われています。

 “J9”シリーズには、歴史だったり小説だったりいろいろなモチーフがあるのですが、本作のモチーフとなったのは人気時代劇ドラマ“必殺仕事人”シリーズ。

 ブラスター・キッド、エンジェル・お町、飛ばし屋・ボウィー、かみそり・アイザックらを中心とした“コズモレンジャーJ9”は、宇宙に蔓延る悪党を人知れず葬っていく宇宙の仕置き屋。星々を股に掛け、様々な敵と戦う彼らは、やがて、巨大犯罪組織“ヌビア・コネクション”の野望に立ち向かっていくことになります。

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 『スパロボ』に初参戦したのは、プレイステーション用に2001年に発売された『スーパーロボット大戦α外伝』。

 その後、『スパロボGC(XO)』や『スパロボNEO』といった3Dの『スパロボ』には複数回参戦しているのですが、いわゆる2Dでのスタンダードな『スパロボ』への参戦は『α外伝』以来となります。

 『α外伝』も25年近く前のタイトルなので、結構古参のシリーズファンでも、作品の存在は知っていても実際に『スパロボ』でブライガーを見たことは一度もない……という人はかなり多いんじゃないかなと思います。

 『α外伝』では、4人分の精神コマンドに、スーパー系では珍しく強力な射撃武装を多数持ち、変形により移動の融通も効きやすいというバランスのとれた性能をしていました。

 また『ブライガー』といえばオープニング……といっても過言ではないくらい、ハイクオリティなオープニングのアニメーションが有名な作品でもあります。

 オープニング映像を担当しているのは、“金田パース”を始めとした数々の技法で多くのフォロワーを生み出した伝説のアニメーター・金田伊功氏で、今見てもそのクオリティは凄まじいです。

 『α外伝』ではこのオープニングが再現されていて、必殺武器である“ブライソード”の、斬撃のエフェクトを裂くようにしてカットインしてくるブライガーの格好良さは衝撃的でした。当時はまだ『スパロボ』の戦闘アニメにカットインという概念がほとんどなかった頃だったので、尚更印象に残っています。

 『α外伝』だと基本形態であるブライガーからブライスター・ブライサンダーへの変形も再現されていたんですが、『スパロボY』ではどうなるか気になるところ。

 ブライサンダーは移動時の演出、ブライスターは武装の演出の一部としての登場になるのかな……と予想しています。

■『銀河旋風ブライガー』を見る

『THE ビッグオー』とは?【スパロボY参戦作品紹介】


 『THE ビッグオー』は、1999年~2000年にかけて第1期、2003年に第2期が放送されたTVアニメ。

 記憶を失った人々の街“パラダイムシティ”を舞台に、“ネゴシエイター”ロジャー・スミスが、アンドロイドの少女R・ドロシー・ウェインライトと共に、様々なトラブルを解決する作品。

 ロジャーは交渉人ではあるのですが、時には交渉が不可能な相手にあたることもあり、その際には巨大ロボであるメガデウス・ビッグオーを用いて力技で解決することもあります。

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 アメコミテイストな雰囲気や、ミステリアスな伏線が海外を中心に人気を呼び、当初は予定されていなかった、“パラダイムシティ”の真実が明らかになる2期が作られることになったという経緯をもつ作品でもあります。

 『スパロボ』シリーズへの初参戦はゲームボーイアドバンス用ソフト『スーパーロボット大戦D』(2003年)ですが、『スパロボZ』シリーズでは第1作から最終作の『天獄篇』まで5作すべてに参戦していて、世界観の設定にも深く関わっていたので、そちらの印象が強い方も多いのではないかと思います。

 気になっているのは、『スパロボZ』シリーズでロジャーの専用特殊能力として設定されていた“ネゴシエイター”が今回もあるのかというところ。


 初代『スパロボZ』では、交戦時に相手の気力を-2しつつ、味方ユニットが撃墜された時の修理費が0になるという破格の効果でした。しかし以降の『スパロボ』シリーズからは、修理費という概念がなくなっていったため、『第2次Z』以降は気力ダウンをメインとした効果に変わっています。

 『スパロボY』にも修理費は存在しないので、やはり同じ気力ダウン効果が設定される可能性が高そう。ドロシーと二人分の精神コマンドが使える強みも当然残っているでしょうし、難易度が上がるほどありがたみが増してくる存在になるかもしれません。

■『THE ビッグオー』を見る

『風都探偵 仮面ライダースカルの肖像』とは?【スパロボY参戦作品紹介】


 『風都探偵 仮面ライダースカルの肖像』は、2024年に公開された劇場アニメ。2022年に配信・放送されたアニメ『風都探偵』の劇場版にあたります。


 『風都探偵』は、2009年~2010年にかけて放送された特撮『仮面ライダーW』のその後を描いた作品で、本編と同様に風の街・風都を舞台に、鳴海探偵事務所を営む左翔太郎とフィリップのコンビが、様々な事件を解決していくドラマが描かれています。

 今回、『風都探偵 仮面ライダースカルの肖像』で正真正銘の仮面ライダーが初めて『スパロボ』に参戦する形になるので、発表時には大きな反響がありました。

 「仮面ライダーはロボットなのか?」とかいろいろな意見がありますが、そもそも『スパロボ』シリーズが生まれる経緯にはガンダム、ウルトラマン、仮面ライダーが共演する『コンパチヒーロー』シリーズが深く関わっているので、仮面ライダーの参戦はある種の先祖返りとも言えます。

 実は自分も、『ザ・グレイトバトル』や『バトルドッジボール』が入口で、そこから『スパロボ』にも興味をもった……という流れだったので、とくに違和感なく受け入れられました。

 あと、巨大ロボットこそ出ないですが、翔太郎たちをサポートする小動物型の自立ツールの“メモリガジェット”とか、大型特殊車両“リボルギャリー”とか、メカ要素はありますしね。


 ただ、今回参戦しているのは劇場版である『スカルの肖像』の方で、こちらは『仮面ライダーW』の前日譚であり、翔太郎の恩人である鳴海荘吉(仮面ライダースカル)をメインとしたエピソードになっています。

 一方、仮面ライダーW、仮面ライダースカル、仮面ライダーアクセルの3人がユニットとして参戦することが確定していて、中でも仮面ライダースカルこと荘吉は、『風都探偵』本編内の時間軸では故人となっているので、本来ならWに変身した翔太郎たちと出会うことはないはずなんですよね。

 仮に荘吉が生きていた頃の時間軸をベースにすると、今度は仮面ライダーアクセルが出せなくなりますし、翔太郎とフィリップの関係性も『風都探偵』とはまた別物になってしまいます。

 両立させるには、何らかの形で仮面ライダースカルが復活したり、生きていた頃の荘吉がタイムスリップするとか、特殊なギミックを使う必要がありそうで、どんな形で3人のライダーが共闘することになるのか気になるところです。

 公開された映像では、仮面ライダーWとロード・ドーパントが戦っているのですが、ロード・ドーパントは『スカルの肖像』ではなく『風都探偵』本編側に登場した敵なので、ある程度は本編のネタも使われると思われます。『風都探偵』に出ていたフォームの多くは武装として登場しそうですが、最強武装がどのフォームになるのかは気になるところです。

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 また、DLC第1弾として参戦する3作品はそれぞれ探偵、ネゴシエイターと、依頼を受けて仕事をこなす稼業で生計を立てていていたり、組織に属さないアウトロー的な立ち位置にいるなど共通点があり、この3作品同士での絡みが結構描かれるのではないかと予想できます。

 作中では“ハーフボイルド”と呼ばれ、“ハードボイルド”にはなりきれない翔太郎が、ロジャーやJ9チームとどのように接するのか非常に楽しみ。『スパロボY』本編とはまた毛色の違うストーリーが展開されそうです。

■『風都探偵 仮面ライダースカルの肖像』を見る

 まもなくゲームは発売を迎えますが、このDLC第1弾の配信時期はまだ判明していません。できれば1周目からDLC組を入れてプレイしたいところで、配信が今から待ち遠しいです。

『スパロボY』参戦作品紹介バックナンバー(第16回~第18回)


米澤崇史:ロボットアニメとRPG、ギャルゲーを愛するゲームライター。幼少期の勇者シリーズとSDガンダムとの出会いをきっかけに、ロボットアニメにのめり込む。今もっとも欲しいものは、プラモデルとフィギュアを飾るための専用のスペース。

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