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『仁王3』インタビュー:時代を超える物語、α体験版からの変更点、キーキャラクターとなる国松に本郷奏多さん、卑弥呼に土屋太鳳さんを起用した理由が明らかに【TGS2025】

文:シュー

公開日時:

 コーエーテクモゲームスが2026年2月6日に発売を予定しているダーク戦国アクションRPG最新作『仁王3』。この記事では、ゼネラルプロデューサーを務める安田文彦氏とプロデューサーを務める柴田剛平氏のインタビューをお届けします。

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▲ゼネラルプロデューサー安田文彦氏
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▲プロデューサー柴田剛平氏

時を超えることとオープンフィールドとの親和性【仁王3インタビュー】


――6月に実施されたアルファ体験版の反響はいかがでしたか? また、プレイヤーから多かったフィードバックや、それを受けて製品版に取り入れようと思ったご意見があればお聞かせください。

安田
アンケートの結果は公式サイトでも公開させていただいていますが、全般的に好評だったかなと思っております。今回、オープンフィールドや新しいアクションスタイルの追加といった、我々としても大きなチャレンジがありましたが、そこに関してもおおむね好意的に受け入れていただけたのかな、と。

柴田
一方で、ご意見として多かったのは、前作から変更した点に関するご要望でした。具体的にはまず“武技の操作方法”です。今回は新しいシステムへの変更に伴って変えていたのですが、「昔の操作方法が良かった」というお声が多かったですね。

 もう1つは“武器の切り替え”です。今回はサムライとニンジャという2つのスタイルを切り替えられるので、スタイル内での武器種の切り替えはなくしていました。すでに切り替え要素があるから大丈夫かなと思っていたのですが、やはり「1つのスタイルの中で武器を切り替えたい」というご要望が多く、こちらは実装することにしました。

――武器の出し入れというのは、メイン武器とサブ武器を切り替えるアクションのことですね。

柴田
その通りです。これらに加え、敵のアルゴリズムが少し理不尽になっている部分があったので、そのあたりも改善しています。

――9月に公開された情報で“時代を超える物語”という壮大なテーマが判明しましたが、このような物語にした理由を教えていただけますか?

安田
これまではある1つの時代を切り取って歴史のストーリーを描いてきましたが、今回はそれとは違う、より新しい見せ方で描きたかった、という点がまず1つあります。

 過去作のDLCでも平安時代に行くなど、時代を超えるという要素があり、そういったところもヒントになりました。さまざまな時代を渡り歩き、有名な人物と関わることができれば、新しい角度の展開ができるのでは、と考えたのがきっかけです。

――物語でフォーカスされる江戸、戦国、平安という3つの時代は、どのように選ばれたのでしょうか。

柴田
まずスタートを江戸にしたのは、物語の展開として変化が大きい方が盛り上がるだろう、という考えからです。天下泰平が終わった平和な世の中から、急に戦国時代へタイムスリップし、その後、宿敵を追う形で平安時代へ向かう、という流れになっています。

 平安時代を選んだ理由としては、過去作に登場した源義経などを出すことで、シリーズファンの方に喜んでいただけるかな、という思いもありました。

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安田
補足させていただくと、今回オープンフィールドにしたことが、複数の時代を扱う大きな理由でもあります。

 さまざまな時代の、景観の美しいフィールドで遊んでいただきたい、という思いがありました。ゲームのテーマが“将軍”であるというストーリー面での魅力と、オープンフィールドというゲームデザイン面での必然性、その両面から“時代を超える”という形になりました。

――フィールドについて時代ごとの特徴などはあるのでしょうか?

安田
はい。過去作のDLCでも時代を越えることはありましたが、なかなか戦国時代と平安時代の違いを感じていただきにくい部分があったかと思います。今回は明確にそれぞれの時代にテーマを持たせています。

柴田
そしてもう1つ大きな要素が“地獄”です。この地獄が各時代に顕現して侵食したことで、妖怪だらけの世界になった、というのがストーリーの流れなのですが、この地獄が各時代の特徴にもなっています。

 例えば、戦国時代はα体験版にもあった灼熱地獄の影響で灼熱のフィールドに、平安時代は極寒地獄の影響でフィールド全体が雪に覆われた世界になっています。

――最新の映像では国松を本郷奏多さん、卑弥呼を土屋太鳳さんが演じられていることが公開されました。このお2人を起用された理由や、キャラクターの設定についてお聞かせください。

柴田
国松は聡明な青年で、自分が将軍になると思っていたところを兄が選ばれたことで闇に堕ち、妖怪の力を手に入れて宿敵となるキャラクターです。その聡明さと、闇に堕ちてからのダークな面、そういった両面を演じられるという点で、本郷さんのイメージがぴったりだと思い、お願いしました。収録にも立ち会わせていただきましたが、一発で演技がハマっていて、さすがだと感じましたね。

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安田
卑弥呼は、主人公を導いていく役割で、芯の強さを持ったキャラクターです。シリーズが持つ“和”の雰囲気に合い、際立つ女優さんというところで土屋さんにお願いしたい、という形になりました。非常にイメージに合っていて、ぴったりだったと思います。

――卑弥呼は、江戸や戦国とはかなり離れた時代の人物ですが、これも物語の重要なポイントになりそうですね!

安田
勘が鋭いですね(笑)。そこは今後の情報にご期待ください。

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――今作からジャンプができるようになり、高低差のあるオープンフィールドになったことで、プレイ感が大きく変わったかと思います。フィールド作りでとくに注力した点を教えてください。

安田
これまでのシステムでは、オープンフィールドになってもできることが少なく、攻略法が似通ってしまう懸念がありました。そこで、ニンジャの追加とジャンプの実装によって、攻略の幅が大きく変わったかなと思います。

 広いフィールドにいる強大な妖怪に対して、ジャンプが攻撃手段としても活躍しますし、立体的な動きはアクションとステージ攻略の両面で、非常に良い掛け算になったと感じています。

――ニンジャスタイルでは、空中でのアクションも多いのでしょうか?

柴田
ニンジャスタイルは空中で回避ができるなど、空中での移動スキルがありますね。

――新しい妖怪がかなり増えた印象ですが、時代によって登場する妖怪は変わりますか?

柴田
はい、新しい妖怪は各時代で増やしています。時代や場所に応じて、例えば雪に覆われた平安のフィールドであれば氷の攻撃をしてくる妖怪を配置する、といったことをしています。

 ただ、妖怪はいつ生まれたかわからないけれど、ずっとそこに生息している、というイメージもあるので、「こういう場所には、こういう妖怪がいそうだよね」という考え方で配置している部分もあります。

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――ゲームの進行は、従来のようなミッション選択式なのでしょうか。それとも、常にオープンフィールドを探索していくイメージですか?

安田
基本はオープンフィールドがベースになっています。場所によっては、これまでのシリーズのように特定のエリアを探索するシームレスなミッションが発生することもありますが、ゲームの基本はオープンフィールドです。

――全体のプレイ時間はどれくらいを想定されていますでしょうか?

柴田
およそ50~60時間くらいを想定しています。ただ、今回はオープンフィールドで選択肢が多いため、プレイヤーによってプレイ時間の幅がシリーズのなかでは一番大きいかもしれません。

 最短でボスを目指すこともできますし、フィールドを隅々まで寄り道して探索すれば70時間以上は普通に遊べるかと思います。過去シリーズよりもクリアまでの時間に差が出るかなと思います。

――マルチプレイに関して、これまでのシリーズからの変更点はありますか?

柴田
3人でのプレイという基本は同じです。大きな違いは、これまでは特定のミッションを一緒に攻略する形でしたが、今回はオープンフィールドを最初から最後までずっと一緒に探索できるようになった点です。

 メインのボスに挑戦する際は全員が集合しますが、それ以外は一緒に探索したり、あるいはバラバラに自由に行動したりすることも可能です。

 またゲストがホストの元にワープできる機能もありますし、報酬も従来通り強化用アイテムやアムリタ(経験値)、銭、武功のほか、まれびとの場合はそれに加えて“お猪口”も入手できます。

――少し気が早いですが、DLCの予定はありますでしょうか

安田
すでにデジタルデラックス版にシーズンパスが含まれることを公開していますが、長期的なアップデートやDLCによる大型拡張を計画しています。ただ、今回はオープンフィールドということもあり、これまでより大きな拡張になるため、3つではなく2つのDLCを予定しています。しっかりと拡張していきますので、お待ちいただければと思います。

――最後に、TGSへの出展内容とユーザーへのメッセージをお願いします。

柴田
今回のTGS試遊バージョンは、先日実施したα体験版のフィードバックをいろいろと反映させています。前回プレイされた方は、ぜひその変更点を確認しながら遊んでいただければと思います。初めてプレイされる方も、平安時代を探索できるモードをご用意していますので、楽しんでいただけるはずです。ぜひお越しください。

安田
前作のTGS出展から年月が経ち、久しぶりにみなさんと直接お会いできる機会となります。α体験版をプレイされた方にとっては、改善点をよりわかりやすく感じていただけると思います。ぜひ会場に来てプレイしていただき、先着にはなりますが、クリア特典のTシャツも持って帰っていただければ嬉しいです。9月25日の20:00、9月26日の20:10からは『仁王3』の特別番組を配信しますので、事前にしっかりチェックしてもらえれば、TGS試遊版もクリアしやすくなるかもしれません。

 今後の情報にも、引き続きご期待ください。

――本日はありがとうございました!!

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