

今回は“スーパーニッチの流儀”特別編として、新川宗平さんがプロデューサーとシナリオライターを兼任する新作シミュレーションRPG『デモンズナイトフィーバー』に関するインタビューをお届けします。
新川宗平:1996年、日本一ソフトウェアに営業職として入社。プロデューサーやシナリオライターとして『マール王国の人形姫』『魔界戦記ディスガイア』などの制作に携わる。2009年、同社代表取締役社長に就任し、2022年退社。同年、合同会社スーパーニッチを設立し、代表を務める。同時期から“喜多山浪漫”名義で小説『エトランジュ オーヴァーロード』を執筆&発表。ゲーム化などのメディアミックスに乗り出す。
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閉じる『デモンズナイトフィーバー』インタビュー。RTA要素やしもべ酷使システムの真実が語られる
『デモンズナイトフィーバー』は、開発をドリコム、パブリッシングをアークシステムワークスが担当する育成RTAシミュレーションRPG。“悪を楽しむ”をコンセプトに、主人公の邪龍院 狂死狼(じゃりゅういん きょうしろう)が悪事を働いたり、しもべをキルしたりすることでより強力な悪の軍団を手に入れていくストーリーが描かれます。


『ディスガイア』とは異なるゲーム体験を。やり込み要素ありのRTAへの挑戦
――新川さんのこれまでの作品といえば、膨大なやり込み要素や周回プレイが期待されますが、本作にもそういった要素はあるのでしょうか?
まず先に明確に申し上げたいのですが、『ディスガイア』とは全然違うゲーム体験になっています。なので「『ディスガイア』を期待して買わないでください」というのは、強く申し上げたいところです。
シミュレーションRPGというジャンルではあるのですけども、全然違うプレイ感になっています。それどころか、これまでのどのゲームとも違うプレイ感になっているかと。かなり挑戦的な内容になっています。

物語の設定としては、邪神復活の儀式に社畜青年・狂死狼が巻き込まれるというところから始まります。邪神様としては青年を使徒として使って、「できるだけ早く邪神として復活したい」という思惑があり、「なるべく早くやってくれ」というのが邪神様のオーダーです。

――1周のプレイ時間はどのくらいを想定していますか?
プレイ時間そのものというよりゲーム内の日数があって、そこをいかに短くするかというのがRTAかなと思っています。極めていくと5時間を切れるんじゃないですかね。初回のプレイは10時間以上余裕でかかるでしょし、おそらくクリアもできずにタイムアップでゲームオーバーになるはずです。

とはいえ、私も普通に遊んで、初見はそもそもクリアできませんでしたし。何回か繰り返しプレイして、ようやくラストバトルにたどり着くのに15時間以上はかかりました。それでもラスボスには勝てませんでした。「じゃあもう一度」みたいな感じで繰り返しRTAに挑んでいくと、プレイ時間は20時間、30時間と平気で溶けていくゲームになっています。

味方をキルして強くなる。しもべ酷使システムをはじめとする独自要素の正体
――バトルの最大の特徴として“しもべ酷使システム”があります。味方のしもべを犠牲にして戦うこのシステムは、どのように生まれたのでしょうか?
“悪を楽しむ”というコンセプトからの着想で、「悪って、そもそも味方という概念はあるんだろうか?」みたいなところから生まれましたね。軍団を作らないと相手と戦えないので作る必要はあるんだけど、集めたやつらはみんな仲間じゃない。使い捨てのしもべなので。

バトルの最初のターン、しもべたちが勝手に動くという時点で、シミュレーションRPGとしての常識はだいぶブッ飛んでいるという状態ですね。この勝手に動いたしもべたちを、どう利用して敵を倒すかという最大のポイントが“キルスキル”というもので、味方殺しによって発動するスキルです。

――一番理想的なクリア状態というのはどういうものなのでしょうか?
一番いいのは、しもべ殺しをちゃんとした上でクリアしたとき、そのマップには自分だけ残っているという状態です。「そして誰もいなくなった、残ったのは自分だけ」というのが実は一番いい状態と言えるんですね。
逆に敵にしもべを殺されてしまうと、これはロストになります。転生もせず、ただ消えてしまうわけですね。なので「敵に殺されるぐらいだったら俺が殺す」をやらなくちゃいけないんです。
――HP吸収という能力もあるそうですね。
はい。自分の体力がなくなってきたとき、体力いっぱいのしもべがいるなら、そいつのHPを吸収して自分が回復できるという能力です。吸収したあとのしもべはカラカラに干からびているので、「もう用なしだからキルして爆発させて敵を殺しちゃえ」みたいな、ちょっとコンボのような戦い方もできます。
――主人公1人だけでも戦えるのでしょうか?
戦うことはできるんですけれど弱いです(笑)。なので、マップに配置されている宝箱の回収役とかが最適ですね。あとはスキルを使ってしもべたちをうまくコントロールする、みたいなこともできますよ。
たとえばテレポートというスキルがあるんですが、これは自分としもべの位置の入れ替えができます。自分から敵の方に突っ込んでいき、そこでテレポートを使ってしもべと場所を入れ替えてからキルして敵を巻き込む、といったやり方が効率的ですね。
しもべを直接コントロールすることはできないんですけれど、自分の行動によって間接的に制御できるというところもおもしろさの一つかなと。テレポートと“キルスキル”のコンボは、基本中の基本の戦い方になってくるかと思います。
ほかには、出すしもべの数を絞るのも重要ですね。一度にたくさん出してしまうと、みんな勝手に動いて制御しきれなくなって、いつの間にか敵に殺されてしまうことが起きますから。制御できる範囲の中で、しもべを小出しにしていくというやり方が大事な戦術になると思います。
――“ キルスキル”についてですが、自爆攻撃だけではないのでしょうか?
それだけではなくて、敵を端っこに吹っ飛ばすとか、逆に吸い寄せるとか。バフのようなものもありますよ。あとは行動ポイント制になっていますので、行動ポイントがある限りは何回でも主人公が行動できます。その配分を考えながら戦うのが求められるゲームになっています。
しもべについては、ストーリーを進めていくと主人公のレベルに合わせて強いやつを誘拐してこれるようになります。転生を1、2回くらいしかしていないやつより、新しいやつを育て直したほうがいいとなることも普通ありえますよ。
──しもべがキルされるほど転生して強くなるという仕様が用意されていますね。プレイヤーが良心の呵責を感じずに、悪事の快感を味わえるよう工夫したポイントを教えてください。
たとえば遊んでいる中で、ヒロシという名前のやつがよく出てきて。「ヒロシめっちゃ出てくるな」という感じになって、どんどんキルして転生させていくとヒロシがお気に入りになる、ということが起きます。「ヒロシは俺の右腕だ」みたいな気持ちが生まれてくる。

ゲームとしてストラテジー要素のほうが圧倒的に強いと思います。成長要素はあるんですけど、ストラテジー要素のほうが圧倒的に強い。後半の難しさとしては、転生を積み重ねた大切なしもべがロストしてしまうことが致命的になる可能性もあるんですが、章が進むにつれて強い相手も誘拐してこれるようになりますので、そのあたりはバランスが取れています。
――アジトでのバトル準備では悪徳ポイントを消費しての強化や勧誘、お宝探しなどがあるとのことです。プレイヤーにはどのようなプレイスタイルを楽しんでほしいですか?
プレイスタイルの好みが分かれてくるかなと思っています。たとえば“悪徳昇華”というのもあるんですが、これはスキルツリーみたいな感じで能力アップをしていくやつで。これが好きな人はそこにしっかりポイントを使っていく遊び方になっていくでしょう。私の場合は、しもべをじゃんじゃん使って殺しまくりながら成長させていくのが好きだったので、勧誘を多用する遊び方をしました。

どのプレイスタイルでも、もちろんクリアはできるんですけれども、プレイスタイルの幅は持たせてありますんで、そこに好みが出てくるかなと思っています。自分自身のプレイスタイルを好きなように考えて遊んでくださるのが一番うれしいですね。
ちなみに勧誘というのは、元々は“誘拐”だったんですよ。でも、コメディとはいえ、さすがに犯罪的な要素が強すぎるので、マイルドにしました(笑)。

話題は尽きませんが今回はここまで。最終回である第3回も、豪華クリエイターとのやり取りや、“悪を楽しむ”作品にまつわるレーティング評価など、気になるお話が盛りだくさんです。公開までしばしお待ちください!

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