ホラーゲームの開発を行う株式会社FORCESの仁平孝佳氏が体験または聞いたオカルトエピソードをお届けするコラム“怖い話してもいいですか?”。
今回は神様にまつわるこぼれ話をお届けします。
今回は神様にまつわるこぼれ話をお届けします。
※場所や人物を特定できないよう、エピソード内にあえて脚色をくわえている場合があります。神隠しは国津神のしわざ!? 祟り神の恐ろしさも分かる神様こぼれ話
僕は神社仏閣のような古い建物を巡るのが好きです。
それらのデザインには、長い歴史の中で紡がれてきた人々の暮らしや考え方が反映されており、深い趣を感じるからです。
陰陽師
「お賽銭は投げちゃ駄目です」
いつもの喫茶店での陰陽師との会話。
いつもの喫茶店での陰陽師との会話。
仁平
「まあ、お願いしているのに投げつけるのは変ですよね」
陰陽師
「はい。同じ理由で、お社の中を撮影したり覗き込んだりするのも良くありません」
仁平
「確かに、人の家だと考えたら絶対に駄目ですね」
陰陽師
「そうです。少し考えれば分かることですが、やってしまう人は多いんですよ」
神社仏閣にはそれぞれのルールやマナーがあるので、僕はできるだけ事前に調べるようにしています。
そうした決まりごとの中にも、長い歴史を感じられるものがあり、とても興味をそそられるのです。
神社仏閣にはそれぞれのルールやマナーがあるので、僕はできるだけ事前に調べるようにしています。
そうした決まりごとの中にも、長い歴史を感じられるものがあり、とても興味をそそられるのです。
陰陽師
「あと、柏手は大きく鳴らしてください。来ましたよ、とお伝えするためです」
陰陽師
「お願いごとも、小さな声でいいので口に出してください」
彼と話していると、こうしたちょっとした知識をたくさん聞くことができます。
彼と話していると、こうしたちょっとした知識をたくさん聞くことができます。
陰陽師
「お化けは全然怖くないんですが、神様は怖いことがありますね」
仁平
「え、神様とも戦うんですか?」
陰陽師
「戦うとは少し違いますが、祟り神は怖いですよ」
いつも通りにこやかに話す彼の様子からは、実感が湧きませんが、きっと本当にそうなのでしょう。
いつも通りにこやかに話す彼の様子からは、実感が湧きませんが、きっと本当にそうなのでしょう。
仁平
「祟り神って、ジ◯リ映画の?」
陰陽師
「そうです。あの物語に出てくるのは、すべて国津神です」
国津神と天津神――言葉だけは聞いたことがありました。
国津神と天津神――言葉だけは聞いたことがありました。
陰陽師
「国津神は人間にとても近い神様で、神隠しなども彼らの仕業です」
仁平
「ええ! 神隠しって、ジ◯リ映画の?」
陰陽師
「そうです。あの映画に出てくる神様もみんな国津神です」
そうだったのか……!
そうだったのか……!
陰陽師
「お化け退治を依頼されて、お墓に刻まれた没年を確認すると、八~十五年の周期で亡くなっている場合があるんです。そういうときは、ああ、神隠しだなと感じます」
恐ろしすぎる……。
恐ろしすぎる……。
陰陽師
「ちなみに、八百万の神というのは、すべて国津神のことです。この国には古くから、あらゆるものに神様が宿るという考え方があり、八百万とは“無限”を意味するのです」
仁平
「じゃあ、神無月に出雲大社に集まるのはみんな国津神?」
陰陽師
「そうです。だから天津神には関係ありません。例えば、神無月でも伊勢神宮には天照大神がいますよ」
なんてこった、知らなかった。
なんてこった、知らなかった。
陰陽師
「それから、一般的に神社仏閣は夕方には閉まりますよね。あれは、その場所を護る存在が姿を消し、魑魅魍魎が集まってくるからなんです」
陰陽師
「同じ理由で、お参りは太陽が一番高く昇っている時間帯がおすすめです」
陰陽師
「祟り神には話が通じないことも多いんです。人間で言うなら、“教養がない”と表現すると分かりやすいかもしれませんね」
確かに、あの映画でも話が通じる雰囲気ではなかった。
確かに、あの映画でも話が通じる雰囲気ではなかった。
陰陽師
「そもそも、神様にとって人間の常識など意味を持ちません。国津神を抑えるには、天津神にお願いするんです」
仁平
「力関係ってことですか?」
陰陽師
「そうです。天津神のほうが、国津神より強いのです」
陰陽師
「これは、とある有名な神社がある土地での話なのですが、畑仕事をしていた男性が、畑の脇の水路に頭を突っ込んで亡くなっていたことがあるそうです」
仁平
「まるでホラー映画ですね」
陰陽師
「はい。そういうとき、その土地の人々はすぐに『祟り神の仕業だ』と気づき、誰もその遺体に触れないのだそうです。祟りをもらうので」
これも、あの映画で同じことを言っていた。
これも、あの映画で同じことを言っていた。
陰陽師
「神様が命を奪うのは一瞬です。まるで糸が切れたようになり、不自然な姿で亡くなっていることが多いんです。それで、『これは祟り神の仕業だ』と分かるのです」
仁平
「なんか、話を聞いていると、防ぐ方法がないように思えますね」
陰陽師
「そんなことはありませんよ。“触らぬ神に祟りなし”と言うでしょう?」
比喩ではなく、文字どおりの意味でこの言葉を使う人を、僕は初めて見たのでした。
比喩ではなく、文字どおりの意味でこの言葉を使う人を、僕は初めて見たのでした。
【株式会社FORCES】開発中のゲームタイトル
『鋼の戦騎ARMIS』10月8日発売
『鋼の戦騎ARMIS』は、Vampire Survivorsなどで知られるローグライトのゲームジャンルに、日本の往年のロボットアニメを彷彿とさせる重厚なドラマと個性豊かなキャラクターたちの物語を組み合わせた“群像劇(ドラマチック)ローグライトアクション”です。
プレイヤーは、鋼鉄の戦騎“ARMIS”に乗り込み、無数の敵との熾烈な戦いを繰り広げながら、様々なキャラクターの運命と向き合うことになります。
■製品版レビューはこちら
ゲーム開発VTuberユニット“ぴくせれ~ど!”がホラーゲーム『かくれおに』を開発!
ゲーム開発VTuberユニット“ぴくせれ~ど!”が、非対称型対戦ホラーゲーム『かくれおに』を開発中。
![[IMAGE]](https://cimg.kgl-systems.io/camion/files/dengeki/58271/adee5d673ceef6946792e84b39dbd6349.jpg?x=1280)
“ぴくせれ~ど!”の魅力を語っている記事も掲載しているので、どういった思いからゲーム開発を行っているのかなどぜひご覧ください!
七縹ななはさんへのインタビュー記事も掲載中!