電撃オンライン

【スパロボY参戦作品紹介】DLC2で加わる鋼鉄ジーグ、ゲッターノワール、ダ・ガーンとは? 意志を持つロボたちの強さと活躍が楽しみ!【スーパーロボット大戦Y】

文:米澤崇史

公開日時:

最終更新:

 『スーパーロボット大戦Y(スパロボY)』に参戦する作品を紹介。連載第20回はDLC②での追加参戦が予定されている『鋼鉄ジーグ』『ゲッターロボ 漆黒の漂流者(ダイナミック企画オリジナル)』『伝説の勇者ダ・ガーン』の3作品について語ります。

[IMAGE]

 なお、核心に触れるようなものは避けますが、
ある程度の作品のネタバレを含む内容となっているので、未視聴の場合はご注意ください。

『鋼鉄ジーグ』とは?【スパロボY参戦作品紹介】


 『鋼鉄ジーグ』は1975~1976年にかけて放送されたTVアニメ。『マジンガーZ』の生みの親でもある永井豪先生原作作品の一つで、漫画版を手掛けている安田達矢先生が担当しており、2007年にはパラレル的な続編であるアニメ『鋼鉄神ジーグ』も放送されています。

[IMAGE]

 磁石を合体用のギミックとして使ったロボットアニメ『マグネロボ』シリーズの第1弾で、放送当時の玩具が子どもたちの間で大ヒット。

 『マグネロボ ガ・キーン』などの直系のシリーズ作品の他にも、『スパロボY』にも参戦している『超電磁ロボ コン・バトラーV』の玩具にも磁石が採用されたり、その後のロボットアニメの玩具に大きな影響を与えています。


 かつて古代日本を支配した“邪魔大王国”と、その復活を予見した司馬遷次郎博士によって生み出された鋼鉄ジーグの戦いが描かれることになりますが、すごいのが鋼鉄ジーグが誕生するまでの流れ。

 鋼鉄ジーグの正体は司馬博士の息子である司馬宙なのですが、ジーグに合体するためのサイボーグ手術を本人の了承を取らず勝手に行っており(宙は自分がサイボーグに改造されていることに気づいていませんでした)、司馬博士のヤバさが度々話題に上がる作品でもあります。

 『スパロボ』シリーズにおいては、『第2次スーパーロボット大戦α』で初参戦。続編の『第3次α』にも連続で参戦していますが、以降はアプリの『スパロボDD』まで参戦がなく、家庭用には約20年ぶりの参戦となります(『鋼鉄神ジーグ』枠では参戦していますが)。


 スーパーロボットながら運動性が高く、敵の攻撃を避けるのが基本という珍しい性能をしていたのですが、ゲームシステム的には結構不遇でした。

 というのも、『第2次α』はその後の『スパロボ』のスタンダードなシステムになるサイズ差補正が初採用された作品ですが、まだサイズ差補正無視の特殊能力は存在していなかったんですね。

 ジーグのユニットサイズはSだったので、火力面でスーパーロボットには劣り、エースボーナスも小隊長能力も“邪魔大王国への攻撃力+20%”という相手が限定されたものだったのも使いにくかったポイントでした。

 ただ『第3次α』ではサイズ差補正無視が実装されたことで攻撃力の差が縮まり、HPが0になった時にジーグヘッドに分離して再換装できるという予備ライフのような要素も実装され、運が悪いと一発で落とされる危険性のあるジーグの性能にも噛み合って使いやすくなっていました。


■『鋼鉄ジーグ』を見る

『ゲッターロボ 漆黒の漂流者(ダイナミック企画オリジナル)』とは?【スパロボY参戦作品紹介】


 『ゲッターロボ 漆黒の漂流者』は、今回の参戦作品の中でも一際特殊な位置づけの作品です。

 『ゲッターロボ 漆黒の漂流者』という明確な作品が存在しているわけではなく、ダイナミック企画から『スパロボ』シリーズ向けに生み出されたオリジナルゲッターロボ“ゲッターノワール”に関連したキャラクターやエピソードの総称のような位置づけになっています。

 今回『ダイナミック企画オリジナル』枠で参戦しているマジンカイザーにも近いです。

[IMAGE]

 ゲッターノワールが最初に参戦したのはアプリの『スーパーロボット大戦X-Ω』。ゲッターと麻雀を組み合わせた異色の漫画『ゲッターロボ牌』と同時に期間限定でのストーリー付きイベントが実施されました。

 『スパロボX-Ω』でのストーリーは、『真ゲッターロボ 世界最後の日』のラストで流竜馬ら旧ゲッターチームが行方不明になった後が描かれていて、地球に帰ってきた號たち新ゲッターチームの前に、撃退したはずのインベーダーと、インベーダーを攻撃する謎のゲッター(ゲッターノワール1号機)に乗った流竜馬そっくりな存在である“リョウマ”が現れます。

 リョウマは、インベーダーをも支配下に置く“ブラフマー”という謎の勢力と敵対しており、その流れで號や兜甲児らと共闘することになります。

 2回目の参戦となった『スパロボDD』ではまた流れが違うのですが、どちらのケースでも、OVA『真ゲッターロボ 世界最後の日』との繋がりが強い位置づけのキャラクターとして描かれています。


 また、リョウマのほかにも、神隼人と巴武蔵にうり二つな“ハヤト”と“ムサシ”も、ゲッターノワール2、3号機のパイロットとして登場するのですが、もちろん3人がゲッターチームとそっくりなのには理由があります。

 ネタバレになるので伏せますが、家庭用初参戦となる『ゲッターロボ アーク』との親和性が非常に高い設定にもなっているので、ゲッターノワールが参戦すると聞いた時は結構納得でした。

 個人的にゲッターノワールで好きなのが機体の合体ギミックで、ゲッターノワールの1、2、3号機は初代ゲッター1・2・3がモチーフになっているのですが、3機が合体してゲッタードラゴンをモチーフとしたゲッターノワール・Gになります。

 ゲットマシンではなく、ゲッターが直接合体するのも今までにないパターンでしたし、初代のゲッターからドラゴンになるというのもアツい。


 ゲッターノワール1号機は、銃と短剣が武器というのも、トマホークが主体になることが多いゲッター1相当の形態として新鮮でしたね。

 なお『スパロボY』に参戦するのは、リョウマとゲッターノワール1号機とゲッターノワール・Gの2機だと判明しています。

 3機のゲッターによる分離合体という特徴的な要素が再現されないのは残念ではあるのですが、『スパロボX-Ω』も『スパロボDD』も、ゲッターノワール・Gは各ゲッターノワールの必殺武装の演出扱いとしての登場に留まっていたので、単独のユニットとして使えるのは『スパロボY』が初。ゲッターノワール・Gがどのくらいの強さを持っているのか楽しみです。

 今回、DLCで『鋼鉄ジーグ』と同時参戦していますが、『スパロボDD』では転移してきたリョウマを最初に迎えるのがジーグ(司馬宙)だったりもしたので、何かと縁がある作品同士です。

『伝説の勇者ダ・ガーン』とは?【スパロボY参戦作品紹介】


 『伝説の勇者ダ・ガーン』は、1992~1993年にかけて放送されたTVアニメ。タカラ(現タカラトミー)が展開していた、『勇者エクスカイザー』から連なる勇者シリーズの第3作で、『スパロボY』が初参戦となります。

[IMAGE]

 意思をもつ巨大ロボットがどの作品でも登場するのが勇者シリーズの特徴の一つ。『勇者王ガオガイガー』を筆頭に何作品も『スパロボ』参戦していますが、その多くが人類が作った“超AI”によって意思が生まれているタイプでした。

 『ダ・ガーン』はその“超AI”ではないタイプの勇者で、地球の生命力“プラネットエナジー”によって生み出された意思が、元々地球に存在していた様々な乗り物と融合することで誕生した存在です。

 メカに意思がある、という意味ではゲッター線にも通じるところがあり、DLC2弾の名前が“目覚める魂”という名称になっているあたり、“意思をもつロボット”というところをテーマに選ばれた3作品なのではないかと予想しています(元々人間であるジーグに意思があるのは当然ですが)。

 『スパロボY』に登場するのは、ダ・ガーンXとその強化形態であるグレートダ・ガーンGXの2機だと判明しているんですが、公開された映像では、ダ・ガーンがレッドロン部隊のメカと戦っているのが確認できるので、作中の敵であるオーボス軍の中で、少なくともレッドロンは登場するのではないかと推測できます。

 もしレッドロンが出るのであれば、物語後半の専用機であるレッドガイストに乗って現れる可能性が高く、グレードダ・ガーンGXへの合体のことも考えると、物語の後半以降のタイミングで『スパロボY』の世界に転移してきたりするのかなと。

 個人的に『ダ・ガーン』といえば、主人公・高杉星史が住んでいる緑が浜町にオーボス軍の幹部たちも住んでいて、星史と交流するコミカルなシーンが好きだったりもしたので、ブッチョやレディ・ピンキーたちが出る可能性はあまり高くなさそうなのは残念なところ。

 他にも、勇者シリーズとしては初のロボットの戦死シーンが描かれたセイバーズのエピソードとか、ライバルメカ的な存在のセブンチェンジャーの活躍とか、本音をいうと正式な参戦枠として見たかったという気持ちも強いですね……!

 とはいえ、主人公の星史がダ・ガーンたちを指揮する隊長であることを周囲にずっと隠していたり、『スパロボ』的に扱いが難しそうな要素も結構あり、参戦は難しいのかなと思ってもいた作品だったので、参戦してくれたことへの喜びがそれ以上に大きいです。

 余談なんですが、自分が子供の頃に初めて本格的に見たロボットアニメが『ダ・ガーン』でして、『ダ・ガーン』がなければ今の自分はないだろうなと断言できるくらい思い入れがある作品なので、今回のDLCの中でもとくに楽しみにしています。

■『伝説の勇者ダ・ガーン』を見る

 これまで、20回に渡って行ってきた本連載も、ついに今回が最終回となりました。

 すでにゲームは発売され、筆者も現在プレイ中ですが、本当に楽しい。4年ぶりの家庭用『スパロボ』新作ということで、「やっぱり『スパロボ』っていいなぁ」と思いつつ、1話1話噛み締めながらプレイしています。

 次回作の発売の際には、また参戦作品の解説を行えたら良いなとも思いつつ、今は『スパロボY』をひたすら遊び尽くしつつ、DLCの配信を楽しみに待ちたいと思います。

『スパロボY』参戦作品紹介バックナンバー(第17回~第19回)


米澤崇史:ロボットアニメとRPG、ギャルゲーを愛するゲームライター。幼少期の勇者シリーズとSDガンダムとの出会いをきっかけに、ロボットアニメにのめり込む。今もっとも欲しいものは、プラモデルとフィギュアを飾るための専用のスペース。

本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります