Skeleton Crew Studioが2025年6月19日にSteamで発売し、待望のNintendo Switch版が10月23日に発売されたアドベンチャーゲーム『ぎるぐる GiLGuL』。

Production Exabilitiesが開発する本作は、生と死のあいだに存在する世界“間世(はざまよ)”に迷い込んだ主人公の三津真央(みつ まお)が、現世に戻る旅の途中で、間世で死を望む者たちと出会い交流していくアドベンチャーになっています。
電撃オンラインでは本作に登場するキャラクターたちの名言集をお届け。三津真央と“死”を望んだ彼女たちが生きるとは何かを問いかける“救い”の物語に深く迫っていきます。
最終回となる第7回は、誰よりも“死”に取り憑かれた女性の目代 恵美(もくだい めぐみ)を紹介していきます。
※本記事はSkeleton Crew Studioの提供でお送りします。※本記事には本編のネタバレになる記述が含まれますので、ご注意ください。目代 恵美(声優:安野 希世乃)とはどういう女性なのか?【ぎるぐる GiLGuL】
最も近く、最も遠い“死を望むヒト”、目代 恵美――
生と死の間に存在する宙ぶらりんな世界、間世(はざまよ)のなかで主人公の真央が出会う最後のキャラクター、目代 恵美。彼女はみずから死にたいと考えており、生を肯定する真央とは真逆の人物です。
生と死の間に存在する宙ぶらりんな世界、間世(はざまよ)のなかで主人公の真央が出会う最後のキャラクター、目代 恵美。彼女はみずから死にたいと考えており、生を肯定する真央とは真逆の人物です。

そんな彼女は病気や怪我、みずからの人生に絶望して間世にやってきたわけではありません。ただ生きるのがつまらないという理由で命がけのスリルを楽しんでいたところ、間世に来てしまったことを告白します。初見の印象だと、かなり享楽的な人物だという印象を受けるでしょう。


恵美は家庭環境にも恵まれており、父親は大手企業のサラリーマンで母親は専業主婦。郊外の住宅街で育ち、友人にも恵まれていて、私立の大学にも通っています。

客観的に見れば、なに不自由なく幸せそうな環境にいる恵美。しかし、彼女には没頭できる趣味もなく、熱意を傾ける対象も無く、退屈な日々を過ごしていました。

言い換えれば穏やかな日常を過ごせているので、これまでに登場したキャラクターに比べれば贅沢な悩みにも感じます。単に精神的にまだ発達できていないモラトリアム人間ではないのかとも思えます。
ただし、こういった心の内にある悩みは本人にしか分からないもの。生きる意味を見いだせない恵美は、ずっと長いトンネルを進んでいるような気持ちだったのかもしれません。
……しかし、そんな彼女が手を出してしまったのがクスリ。中学時代の知り合いの不良に再会し“楽しくなるクスリ”を勧められたことで、超えてはいけない一線を超えてしまうことになります。


その後の恵美は生きている実感を味わうという名目で、階段を転げ落ちるようにクスリにハマっていきました。次第に摂取量も増えていき、最後は……。
自業自得と切り捨てることもできますが、『ぎるぐる GiLGuL』という作品はそういった業を背負った少女たちにどういった決断を下すのかはプレイヤーの判断に託されています。

そんな恵美ですが、間世で真央たちと交流を重ねていくことで、いつ死んでもいいという考えに変化が訪れていきます。刺激を求めるだけが生きる実感ではない、と。



違法な薬物を使ってしまったのはいけないことですし、自分だけではなく他人にも迷惑をかけるものです。とはいえ、恵美という人物の持つ側面はクスリの常習者というものだけではありません。また、人間の考えは変わっていき成長していくものです。そういった面も注目してみてほしいですね。


「アタシは、生きてるんだよぉおおおお!」(目代 恵美)
筆者が恵美のシーンでいちばん印象に残っているのは、もちろんクスリを摂取するシーンです。
ガラの悪い人物たちとつるんで刹那の快楽に興じていく恵美の姿は痛々しかったです。実家が裕福であるため、クスリを手に入れやすい環境であったことも歯止めが効かなくなってしまった原因ですね。

最初は退屈な日常から脱却するためにクスリに手を出してしまった恵美ですが、その摂取量がどんどん増えていきます。周囲にいる人間も彼女のことを心配することもなく、誰も止めません。


最終的に彼女は「アタシは、生きてるんだよぉおおおお!」と叫びながら大量のクスリを飲みこみ、意識を失ってしまいます。このシーンは恵美を演じている安野 希世乃さんの迫真の演技もあり、とても壮絶でした。ぜひみなさん実際のゲームで音声付きで観てみてください!




『ぎるぐる GiLGuL』で描かれ、心揺さぶるもの――それは“人間賛歌”
ということで、長らく続けてきたこの名言集も今回でラストになります。これまで紹介したように本作で描かれる物語はとても重いです。キャラクターたちの境遇もリアルで、共感して泣きたくなったり、胸が詰まったり、逆に理解できずに怖くなったりすることもあるでしょう。
しかし、最後までプレイすれば彼女たちがそれでも前を進んでいくことが分かります。今、ツラくても苦しくてもいつかは希望はやってくる。ただ単に重たいだけではない、救われない話だけが語られているわけではない。そんな人間賛歌の物語を描く『ぎるぐる GiLGuL』を、あなたもぜひプレイしてみてください。
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